やまなし、オチなし、意味なしマラソン大会
「やおい」という言葉がある。そっち方面にはあまり詳しくないが、語源は「やまなし、おちなし、いみなし」と同人誌界隈の人達が自分たちの作品を自虐したことからきているらしい。「やまなし、おちなし、いみなし」の頭の文字をとって「やおい」となり、それが広がったとのことだ。
なぜ冒頭でこんなことを言うかというと、これから書く文章はどう考えても、やまもオチも意味もなさそうだからだ。
土曜日の7時前、私はマラソン大会の会場まで電車で向かっている。そして私はその電車の中でマラソン大会の話を書こうとしている。
私はこれからマラソン大会に出るのだ。
どこにでもいる一般人男性である私のマラソン大会前の心境なんて、私以外の全人類にとってどうでもいいことだろう。
家族ですら全く興味を示さない。
マラソン大会でワクワクし過ぎて、私は午前3時半に起きた。
昨夜遅く帰ってきた妻はまだ起きていてNetflixか何かで動画を見ていた。
妻にとっては金曜日の深夜であり、私にとっては土曜日の早朝。夫婦間ながら、時間の見解にだいぶ違いがある。
妻は私の早すぎる起床に、どうしたのかとびっくりしていたが、マラソン大会だから早起きだということを知ると全ての興味を失い、「そろそろ寝る」と寝室に消えていった。
娘(6歳)は私が家を出る直前に起きてきたのだが、私がランニング用の格好をしていると「(いつもと着ているものが)なんか違うね」と微かな興味を示した後、「だったら明日イオンモールでなんかかわいいもの買って」と相変わらず私をATM扱いする。「だったら」の意味が分からないが、娘は私がいつでも娘のためにお金を出す義務があると信じ込んでいる。
そして娘はテレビをつけて、Netflixのボタンを押し、私への興味を全て失った。
我が家の女子は私への興味より、Netflixへの興味がかなり優っている。
息子(3歳)はスヤスヤと寝ていた。
とにかく、マラソン大会に向かっている。
ここまで書いているうちに電車からバスに乗り換え会場が近づいてきた。
マラソン大会に出るのは6年ぶりくらいである。noteの自己紹介欄にも「ランニング好き」と書くほど、私は走ることにハマっていた時期があった。しかしここ最近はランニングすることが減り、大会にも出なくなった。
ここ最近は子どもの予定が優先されるので、ランニングしたりマラソン大会に出る余裕がなかったのだ。
しかし、今回は友達から誘われて久しぶりに参加することにした。
一番走っていた時期は年間で10回くらいハーフマラソン(21.095キロ)の大会に出ていた。
ハーフのベストタイムは1時間41分である。
運動経験のほとんどない私にとってはかなり頑張った結果だ。
今回は10キロマラソンなので、距離が短くちょっと気楽である。
ただ久しぶりの大会だ。完走することは絶対として、できれば55分以内には走りたい。
冒頭でやまなしオチなし意味なしになりそうな文章だと書いた。ただ書いていくうちに綺麗な落とし所が見つかるかもしれないという期待もあった。
しかし甘かったようだ。
オチぬまま会場に着いてしまった。
頑張って走ってきます!
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