見出し画像

我が家に重機がやってきた

息子が2歳の誕生日を迎えた。
私の妹がプレゼントを送ってくれたのだが、それを見て驚いた。

乗って遊べるタイプの重機のおもちゃだったのである。
おもちゃメーカーと重機メーカーのコマツがコラボした本格的な重機のおもちゃである。

これである。

アームとショベルの部分が二段階で動く本格派だ。

ボタンを押すとエンジンサウンドも楽しむことができる。

コマツのロゴが入っているヘルメットまで付属されていてなかなか芸が細かいおもちゃである。

しかし箱からこれが出てきて組み立ててやると、息子は遠巻きに見て「こわい…」と言って近づこうとしなかった。

4歳の娘は興味をもってアームを上下させて、ショベルを動かしていた。

息子はだいぶ離れたところからその様子を見ていた。

息子が重機のことをあまりに怖がるのでリビングの片隅に置かれることになった。

以前買った車のおもちゃや、三輪車には喜んで乗っていたので意外な感じがした。

しかし気に入っていないのではなかったことが、その後に判明した。

その日の夜中の2時頃にエンジン音がして、私は目覚めてしまった。

なんだろうと思ってリビングに行くと、息子が重機にまたがってクレーンを動かしているのである。

真っ暗な部屋で神妙な表情で、リビングの床に穴を掘ろうとしている。

フローリングの床なので掘ることはできないのであるが、黙々と掘ろうとしているのである。

どんな突貫工事でもこんな夜中には作業しないだろう時間である。

あんなに怖がっていたのになぜこの時間に乗らなければいけないのか謎であった。

息子はたまに夜中に起きて、布団の上で歌を歌い続けるということはするのであるが、まさかリビングで工事を始めるとは思わなかった。

しばらくは工事をやめることに納得せずに重機の操作を楽しんでいた。

その日の工事がひと段落するまで終わる気配が無さそうなので、私は眠かったが仕方なくじっと待っていた。

リビングに響くエンジン音とアームを動かす音を聞きつつうとうとしていると、ようやく「おちまい、つる(おしまい、する)」と言ってくれた。

夜中の3時に近い時間であった。

しばらくは重機ブームが続きそうであるが、ぜひ昼間のうちに作業を進めておいて、深夜まで残業はしないで欲しいと願っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?