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キティちゃんの鬼退治はコンプライアンスに抵触しない
先日から、マクドナルドのハッピーセットについてくるおもちゃのラインナップが変わった。
年に何度かおもちゃのラインナップが一新されるのであるが、新しくなるたびにおもちゃと一緒に、在庫が切れるまではDVDも同封される。マクドナルド、ありがたい存在である。
今回はキティちゃんとその仲間たちのDVDが配布された。
キティちゃん好きの4歳の娘としては大喜びである。
2歳になった息子もキティちゃんが「どんぐりころころ」などの童謡を歌ってくれるコーナーを見て楽しんでいた。
そんな中でキティちゃんとその仲間たちが、昔話を演じるというコーナーがあった。
ここでキティちゃんの現代の問題に対する、意識の高さを示す事例があるので紹介してみたい。
昔話の内容が少しだけ変更されているのであるが、そこに現代の社会における配慮が見て取れるのである
キティちゃんとその仲間たちは桃太郎を演じていた。
キティちゃん演じる桃太郎が桃から産まれる。きび団子を餌に、犬、猿、キジを仲間にして鬼退治を目的に鬼ヶ島に行くのは従来のお話通りである。
ここからがいまどきの世相を表していた。
キティちゃん(桃太郎)はコンプライアンスに配慮した方法で鬼を退治していた。
キティちゃん(桃太郎)はまず仲間達と一緒に鬼を取り囲んで、その周りをぐるぐる回った。
それから鬼が目を回しているうちに、仲間達と一斉に鬼をくすぐり始めたのである。
鬼はこの攻撃にたまらず降参して、キティちゃん(桃太郎)の村から盗んだ宝物を返した。
さすがは40年以上、子ども達に愛されているキティちゃんである。暴力的表現と言われるような攻撃を避けた上で、鬼退治を見事に遂行した。
このご時世では暴力一辺倒の鬼退治ではコンプライアンスに抵触しかねない。キティちゃん炎上事件は避けたい。サンリオサイドとしても稼ぎ頭を失うのはまずい。
そんな諸事情を鑑みた上で、我らがキティちゃん(桃太郎)は智力を駆使して令和の世の中に相応しい鬼退治の新モデルを示してくれた。
うちの娘と息子は「桃太郎」の話に触れるのがこれがはじめてである。
娘に聞いたところ保育園では、桃太郎を読んでもらったことはないそうである。家でもない。
だから娘と息子にとって今回は桃太郎ファーストコンパクトであり、二人にとって鬼退治とは「鬼の周りを取り囲んでくるくる周り、くすぐること」とインプットされただろう。
くすぐりあって遊んでいる場面を見て、何をしているか質問した時に「鬼退治ごっこ!」と答える日がくるかもしれない。
時代は変わるものである。
しかし、キティちゃんが周りをくるくる回っただけで三半規管の働きを著しく弱め、くすぐりのみですぐに敗北宣言をするとは令和時代の鬼の弱体化が問題視されないか心配である。
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