見出し画像

個人的課題解決型DIY 「コーヒーミルスタンド」をつくる

 「ずぼら」「ぐうたら」「ものぐさ」「無精者」「横着者」など面倒くさがりでだらしない人間に対する言葉がいくつもできたのは、それを問題視していた人が多かったからなのでしょうか。かくいう僕もだいぶ面倒くさがりです。この「面倒くさい」という性格は中々治らないもので治さなければと思っても、まぁいいやとズルズルと放置していると生活のそこらかしこに弊害が及んでいたります。

 目下そのような面倒くさがりな性格が発揮される時が、毎朝のコーヒータイム。安い豆でもわざわざ挽くだけでとなんとなく美味しい気がするので、ポーレックス社のコーヒーミルを愛用しています。これがとてもよくできた製品で粒度は何段階にも調節ができますし、パーツを分解することができるのでお手入れのしやすさも抜群。また、長めの「ハンドル」で軽く効率よく豆を挽くことができます。また、もちろんこのハンドルも差すだけのシンプルさなので取り外しも簡単です。

こちらは約3杯分挽けるスタンダードなもの。ミニサイズもあるようです。
バラバラになるのでコンパクトになってお手入れも楽。

 しかし、ここまでよくできた製品であってしても僕の「面倒くさがり」にかかれば、メーカーには不本意であろう個人的な「不満」を生み出します。使わないときには外しておくのがセオリーであるハンドル。このハンドルを付けたままにしておけば、頭が重くなり不安定になって軽い衝撃でも簡単に倒れてしまうのは想像に難くないかと思います。倒れればハンドルにフタ、場合によっては中に残っていた豆が散乱することもあります。こんなことは分かってはいるのですが面倒くさがりな僕はハンドルを付けたまま放置します。さらにはコーヒー豆を入れる時にも「スプーン」などを使えばいいものを、適当に瓶などから直接注ぎ入れるので豆が数粒落ちて行方が分からなくなることもしばしば。

ハンドルを外せばいいのに付けたままにしておくのでよく倒す。
そして豆をすぐこぼす。

 「ハンドル」を外せばいいだけ「スプーン」を使えばいいだけ、それだけのことができないのが「面倒くさがり」な人間です。しかし、ここまで来ると面倒くさがりなまま、うまくやっていけないかと考えます。そこで「ハンドルを付けたままで置いても倒れない安定感」を作り「スプーンなしで豆をこぼさないで入れる」この2つをクリアすれば、このまま「面倒くさがり」のままうまくやっていけそうです。

 そこで今回もまたこの個人的な課題をDIYで解決していきます。なお、それぞれの課題に対して作ってしまうと2つ出来上がってしまうので、1つで解決できるよう「2−in-1」のスタイルで考えます。なぜなら「面倒くさがり」な人間にとってアイテム数が増えることはデメリットでしかないので。それでは作っていきます。

材料

材はシナベニヤのみ。今回は小さいものなので、あまっていた端材から材料を取りました。

シナベニヤ 厚さ1.5mm  A4サイズほどで1枚
・木工用ボンド 少々

 材料はこれのみ。ホームセンターでは、中々この薄さの「シナベニヤ」は手に入れにくいかと思います。数年前までは東急ハンズで扱っていましたが最近はお目にかからないのですが、ネットでは入手しやすそうです。

作り方

出来上がりはこんな形に。

 ざっくりと作り方を説明すると、ベニヤを煮て半分の薄さにしてラッパのような形状にします。「切って」「煮て」「クセづけて」と面倒くさそうですが、大げさな工具は使わず家庭にあるものを使って作っていきます。

1.型紙作り

紙に内径Φ105mmと外径Φ190mmの円をコンパスで描き中央辺りに画像のような線を引きます。
線に沿って紙を切って型紙を作ります。

2.切り出し

型紙を弓なりに切り出し、ベニヤに合わせて下書きをします。
線に沿ってカッターなどでカットしてください。

3.煮る#1

最初は全体が浸かるような広めの鍋に水を貼り弱火で10分ほど煮ます。
熱くなったベニヤは柔らかくなってきます。

  煮る#2


鍋から取り出してはラッパの形になるように無理せず少しづつ曲げ、
冷めたらまたお湯につけて曲げを繰り返してください。
型が付き始めたら、丸めた形で全体が浸かる鍋に代えてください。

4.剥がす

この薄さのベニヤは表と裏1枚づつが貼り合わさっています。
前工程の曲げの作業を繰り返していると貼り合わせていた「接着剤」が弱まり
次第に片方が剥がれて来ます。それをゆっくりと剥がして半分の厚さにしてきます。
これも冷めたら温めを繰り返して剥がしていってください。

5.クセ付け#1

ここからはスピードが重要です。一旦熱いうちに画像のような形に丸めます。。
固くなってしまうようであれば再度お湯に付けてからクセを付けていってください。

  クセ付け#2

ミルを当てて、太さにピッタリのあたりで内径のサイズを決めます。

  クセ付け#3

先程決めたサイズを洗濯バサミで挟んでキープしたまま5分ほど煮ます。
洗濯バサミを挟んだまま、しっかりと乾燥させます。

6.重なる部分に線を引く

しっかりと乾かした後、ミルに入れて
丁度よいハマり具合のところで重なり合っている場所に線を入れます。

7.のり(ボンド)付け

先程描いた線の内側にのり(ボンド)を塗ります。

8.固定

素早くクランプなどでのり付けしたところを挟んで固定します。
クランプがなければ洗濯バサミでも。

9.ヤスリがけ

乾いて接着されたらヤスリがけをします。
平らな所に置くと隙間ができると思うので、バランス良く接地するよう削っていきます。
多少キツめぐらいに収まれば大丈夫。
入らないようであれば内側をすこし削って調整してみてください。

10.塗装

全体にウレタンを塗っていきます。乾いたら240番ほどの紙やすりで全体を軽く削ります。
これを3回ほど繰り返してください。

完成

色付けにコーヒーで色をつければ良かったなと。
ウレタンを塗った後ではもう無理。
ハンドルをつけたままでも倒れることがない安定感を生み出すことができました。
見た目は微妙だけど作ってから約一ヶ月、いまのところ飽きずに使い続けている。
フィット感。
ジョウゴとしてのフィット感も良い。
ズボラな袋からの直入れでも大丈夫。
瓶への詰め替えにも。

あとがき

 今回も全く万人受けしないDIYでした。不案や不満などの「不」の解消は新たな製品やサービスを作る鍵になるとかよく言われておりますが、このような個人的でくだらない「不」に関しては誰も面倒を見てくれません。そんなときこそDIYです。このような個人的な「不」の解消のための道具やレシピはほぼ存在しませんので、そこらへんにあるものを使って自分で上手に作るほかありません。形がどうだとか誰に何を言われようが構いません。とはいえ、今回の作品を見た愚息は「見た目やデザインは大切」などと偉そうに言っていましたが、下の画像を見るかぎり血は争えない様子です。彼にも個人的な課題解決をしていってもらいたい。それではまた次回。

電動歯ブラシの本体からブラシ部を外さず、そのままホルダーに掛ける愚息。

この記事が参加している募集

私のコーヒー時間

我が家のDIY

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?