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「壁掛けプランター」をDIY

 センスの良いお部屋やお店なんかに行くと、自宅でもこんな空間がつくれないかなと、ネットや雑誌などを参考しお部屋づくりに勤しむ方も多いかと思います。ただ、インテリアの業界の端くれにいる者として一つ言えるのが、お部屋をオシャレにしたいなら、つべこべ言わず整理整頓して「植物」を飾ればなんとかなるということ。昨今様々なインテリアのスタイルが流行っていますが、「植物」を飾ればどんなスタイルも凌駕しオシャレな空間に仕立ててくれます。なにもない空間でさえ「植物」があればオシャレが成立するほどパワーをもった「植物」は本当にズルいなと思いつつ、毎度そのパワーに感服するわけです。今回はそんなわけで、「植物」をインテリアに効果的に取り入れるDIYしていきたいと思います。

つくってから2年ほど経ったもの。

 植物がモリモリと育つ良い季節になりホームセンターや園芸ショップなどでも様々な植物が出てくるようになりました。「花」や定番化した「多肉植物」「塊根植物」などを飾るのも良いのですが、今回は葉っぱが青々としたフレッシュな気分にさせてくれる植物を取り入れてみたいと思います。

 そこで選んだのは「シダ」類。人気のコウモリランと呼ばれる「ビカクシダ」や苔玉なんかに使われる「トキワシノブ」など空気を新鮮にしてくれそうな緑の強いものを選びます。これらを絵を飾るがごとく、壁に飾り付けていく「壁掛けプランター」を作っていきます。

  コウモリランなんかはよく「焼き杉板」に水苔とともに貼られ、壁掛けもできるようになっています。これでも良いのですが、やけに和風な感じが強いので洋風なスタイルにもあいそうな素材を使っていこうと思います。今回も材料は少めで作りもシンプルにしていきます。そこで使う材料は「ベニヤ板」と「麻シート」。この麻シートですが、別名でジュートのムシロとしてホームセンターの園芸や農具のコーナーで安価にて手に入れることができます。

材料

 量はいずれも適量で。一つ作るのにベニヤはA4サイズほどあれば十分なのでホームセンターの端材コーナーで探すのも良いかと思います。厚さ5.5ミリより厚くても薄くても構いません。麻シートもワンパック買うと結構な量が折り畳まれて入っているかと思います。

・ベニヤ  厚さ5.5mm 
・麻シート(ジュートのムシロ)
・麻ひも
・竹ひご
・水苔
・植物

作り方

出来上がりはこんな感じ。

 作り方をざっくり説明すると、「背板」に「麻シート」を縫い付けて、ポケットのようになったところに「水苔」と「植物」を入れるといったところです。それでは作っていきます。

1.背板を作る

 たくさんの穴を開けるのが厄介なところですが、見た目と強度が増すので頑張って開けてください。

背板の形を決めて下書きをします。四角でも丸でも構いません。
下書きの線に沿ってカットします。 
「麻シート」を縫い付けるための下穴を開けるために位置を決めておきます。
外側から10mm内側にはいったところに点を付けます。点と点のの感覚は15m程度で。
ポケットのような形状にするので半分よりちょっと上あたりまで点を付けていきます。
ドリルで5ミリ程度の穴を開けていきます。下に厚めのベニヤ板などを敷いて穴を開けましょう。
穴を開けた部分はバリが出るので紙やすりでスムースにしておきます。
これで背板の準備は完了です。

2.麻のシートを縫い付ける

 ほどけなければ縫い方はお好きなかたちで構いません。ポケットの膨らみを気にしながら、膨らみをもたせながら縫うのがポイントです。

背板を2つ折りにした麻シートの上に置き、
それよりも一回り大きいサイズで麻シートを切り出していきます。
このサイズはざっくりで大丈夫。
今回は直径200mmの背板に対して、麻シートは300mmの正方形とざっくり切ります。
強度のために縫い込む箇所を2つ折りにして、麻ひもで縫っていく。
縫っていく順番と方向は画像の矢印の通り。中央下から二手に分かれて縫っていきます。
麻ひもをスムースに通す為に、背板に端を二つ折りにした麻シートを載せ
下穴に向かって目打ちで貫通させておきます。
通しやすいよう麻ひもの先にテープを巻いておきます。
麻ひもが通りにくい場合には、目打ちで押し込んでください。
最初の一箇所は結んでおきます。
しっかりと縫えればどんなかたちでも良いと思います。
画像の2つ目以降の通し方は、上から通した紐を輪の中を通していく様に縫っていきます。
このやり方でいくと結構しっかりと縫っていくことができます。
ポイントは、植物を入れるポケットの「膨らみ」をもたせながら縫っていってください。
縫いったときのシワが偏らないように分散させながら縫っていってください。
最後はしっかり結んでください。

3.余分な麻シートをカット

最初に余裕を持って麻シートを切っていたので、
植物を入れるあたりにシートが余るかと思います。
適宜余った部分は適当にハサミでカットしてください。

3.壁掛け用の穴あけ

ビスなどで壁に引っ掛けるための穴を適当な場所にあけます。

4.スペーサーの取り付け

 水分を含んだ植物を壁に掛けるということで、湿気の影響が気になります。湿ったまま掛ければ壁紙が水分を吸ってしまったりカビの発生が懸念されます。それらをなるべく回避すべく、壁とのクリアランスを作る為スペーサーを取り付けます。スペーサーなんてかっこいい名をつけましたが「竹ひご」を差すだけです。

3ミリ程度の竹ひごの太さに合うキツめの穴を開けておきます。
竹ひごの長さはお好みで構いません。

5.植物を入れる

ここはあまり説明しなくても良いかもしれません。土の代わりに水苔を使います。土でも作りましたが麻シートの網目からポロポロと落ちてくるので水苔のほうがお手入れが楽だと思います。

水苔を水で戻してふやかします。
ある程度先に水苔を入れてから植物をいれます。水苔はできるだけたっぷりと入れましょう。

完成

水やりはたっぷりと
しっかりと水が切れてから室内へ。
飛び出そうな感じで植物を収めると、迫力もあっていい感じです。
次回作る際にはコーヒーを焙煎しているショップなどで売っている
「コーヒーの麻袋」を使って作りたいなと思います。きっとかわいいはず。

あとがき

水切りしやすいようににフックをつくりました。

 以前、小さなイベントにお呼ばれして、今回の壁掛けプランターを作るワークショップを開催したことがありました。20個ほど準備しておいたのですが、準備中にサンプルで作っておいたものをどうしても売って欲しいと一人、また一人。とうとうサンプルがなくなり再びサンプルを作っては売れる始末。
 中には帰るまでに2つ作って欲しいとかいう人もいたりと。前日までは参加者の方々とあーだこーだ言いながらワイワイやるのを夢見ていたのですが、それどころではなくなりただの「実演販売」となって3時間ほどで撤収したなんともモヤモヤした思い出があります。ということで人気は折り紙付きのこの壁掛けプランター、是非ご自身で作ってみてください。


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