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EUの露制裁と、漁夫の利を得るかのような中国とインド。膠着状態が続くように見えて新たなフェーズに突入する世界情勢か

私は戦争には反対です。ロシアを支持しているわけではありません。しかしながら、私が現在住むアパートの下の階には、ロシア系パキスタン人とインド人が住んでいます。従って、私は彼らに配慮する必要があり、「プーチンがクソで、ゼレンスキーが全て正しい」と、容易に言えません。といって、共産主義者でもありません。世界は多様です。ご理解よろしくお願いいたします。

EU首脳が、ロシア産石油の禁輸で合意し、今年末までにロシア産原油の輸入を90%減らすと発表。また最近、大手金融機関でつくるクレジットデリバティヴ決定委員会がロシアが国債の利払いを「不履行」したとして、ロシアが事実上の「デフォルト」認定を受ける。

利払いはUSドルのみの受付となり今回、欧州側の制裁によりドルが使えず露は支払い困難となっているようだが、実際にはロシアには支払い能力があるとされている。ということはルーブルであれば払えるということになるが、欧州は制裁をしている以上、ルーブルでの支払いを基本的には受け付けない。

ウクライナ戦争において、欧米勢はウへの武器供与もしくは制裁でしか、露に対抗する術がないというのがおそらく実情であり本音ではないだろうか。状況として素人目に見ても打開策が見当たらないどころか、欧州もサプライチェーンの問題でジリジリと追い詰められているかのようにも見えてしまう。

6月2日、バイデンがウへの7億ドル(約910億円)の追加の軍事支援を発表し、露のウ侵攻後の累計で、ウへの軍事支援は46億ドル(約5900億円)となっており、アメリカ国民からは、「アメリカファーストでない」との声も漏れ聞こえるようになってきている。

今後も欧米勢によるウへの武器供与が続くとして、武器屋さんの在庫状況はどうなっているのだろうか。ウに渡す武器が無くなっちゃったりはしないのだろうか。露にも同じことが言えるはずだが、使う武器がなくなっちゃったら、いきなりピースが訪れたりするのだろうか。西洋連合は、ロシアの武器が尽きるまで闘うつもりなのだろうか。しかし、真偽は定かではないものの、ウクライナ に供給した武器がロシアに奪われているという噂もある。

欧州の露制裁において、結局、オイルが購入できずに困るのは欧州ではないのだろうか。更には、小麦の供給難という問題も起こってきており、アフリカや中東におけるサプライチェーンも崩壊しているか、崩壊しそうな状況が想像できる。

とはいえ、ルーブル払いであればロシアは油(か天然ガス)を格安で売ることができるのであり、ロイターやブルームバーグの報道によると、中国がタンカーをチャーターしまくって、ロシア産原油を買いまくっているらしく、中国の石油会社は、東シベリアから海上で別のタンカーに積み替えて輸送している模様だ。

ロシアの新しい顧客は中国だけではなく、インドもそう。インドは、原油の80%を輸入に依存するが、輸入した石油を精製して輸出するビジネスが盛んで、精製能力は世界4位で、少なくとも55か国に石油を輸出しているとのこと。石油のせどりか転売する新なビジネスチャンスをゲットしたインドから、巡り巡って石油が欧州に届けられることもあるのだろうか。

欧州のリーダー達としては、プーチンが失脚してくれるか、バイデンが停戦仲介に乗り出してくれるしか望みがないといった感じではないのだろうか。しかしながら、ダボス会議でキッシンジャーがウの領土を一部譲って和平交渉してはどうかと言い、ジョージソロスはプーチンを倒すしかないんだと言っているわけだから、欧州も一枚岩ではなく、膠着した状況で意見が割れきているようにも見える。今回の露のウ侵攻戦争で、西洋はまとまったんだとする声も聞こえてくるが、そのようには見えない。

これまでの80年間の方針を変えて軍事費増強に舵を切ったドイツと、70年間の中立的な立場を変えてまでNATOに加盟しようとするも、トルコが拒否するので望みが叶いそうにないスウェーデンとフィンランド。流れで激安石油をゲットする中国とインド。とりあえずアメリカの意向に沿う形で、わずか11分で協議を終了させたOPECは原油生産の増強を発表するが、単に将来の生産計画を前倒ししただけであって、実質的な原油増を発表したわけでもなく、ビジネスとしてはそんなに悪くないサウジアラビアとUAE。その背後に見え隠れするオイルメジャー。テキサスなどでの銃乱射事件で子供が簡単に殺されてしまうアメリカは、明らかに深い問題を内部に抱えており、銃を禁止するかどうか、中絶を禁止するかどうか(聖書を信じるのか信じないのか)、バイデンなのかトランプなのかで世論は分裂。米欧勢が長期金利を上昇させる中で、低金利政策を決め込んだ結果20年以来の円安が続き、海外から見れば日本企業はバーゲンセールとなり、買っちゃいなよと欧米に言わんばかりというより実際に言ってしまった岸田首相。寄せては返す波のごとく迫りくる感染症(サル痘)の脅威。と、世界が着々と新なフェーズに入ってきているかのような混迷ぶりで目が離せない。

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