祈りすら

お腹の上の方がずーんと沈み込んで、胸の背中側が平たく冷たくなって、息をはくとき肋骨の最後の辺りでつっかえて、手足は冷え、瞼が腫れぼったく重くなる。

自分にはどうしようもないけれど、果てしない悲しみが訪れたときの感覚。

どれだけのひとつの命が失われ、どれだけの尊厳が踏み躙られ、どれだけの故郷が失われ、どれだけの子供が親を失い、どれだけの自然と文化が歴史を絶たれ、どれだけの希望が消えるのだろう。

これ以上に守るべきものが何なのか、私には分からない。祈りすら浮かばない。

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