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おバイク一人旅~秋田県男鹿半島(2日目・前半)2019.7.30

1日目はこちら

秋田県の旅は2日目も、ぱっとしない曇天だった。
けれど、今日はメインイベント、男鹿半島を走るということで、出発時のテンションはかなり上がっていた。
秋田港を過ぎて、海沿いの道を走っていると、大きな風力発電の風車が立ち並び、白い列を作っているのが見えてくる。特徴的なその風景に、ツーリングへの期待が高まってきた。
この日はまず最初に、男鹿半島に入る途中にある「道の駅てんのう」を目指して走った。

道の駅てんのう(てんのうグリーンランド)には、手入れの行き届いた、大きな芝生の広場と池があり、無料で上れるスカイタワーの展望台から、パノラマのような広大な風景を臨むことができる。
曇天のもとでも、空に浮いて眺めるようなその景色は、とても爽快だった。
時間があれば、そこから見えた芝生の広場を散歩したり、併設している温泉に入ってみたかったが、さすがにそれは叶わなかった。
そして、ここで特筆したいのが、ほっぺが落ちて溶けそうなほど美味しかった「生キャラメルソフトクリーム」!
バイク乗りの例に漏れず、私もツーリング先で、数十種のソフトクリームを食べてきたが、この生キャラメルソフトはぶっちぎりのNo.1。これを食べるために、また秋田に行かなければならない。

天王からはR101経由で、男鹿半島の縁をなぞるように回る県道に入り、道の駅おがを通り過ぎると、鵜ノ崎海岸が待ち受けていた。
渚100選にも名を連ねる遠浅の海岸は、条件が合えば、ウユニ塩湖のような風景が見られるらしいが、この日は見ることはできなかった。
それでも、海面で遊ぶ動物のような岩が可愛らしく、思わずバイクを止めて眺めてみた。

そして、有名なゴジラ岩は拝むことができた。
能登にもゴジラ岩はあったが、男鹿のゴジラ岩は、能登のものより形がしっかりとしているので、日本海に吠える様がよくわかる。大きな岩がゴロゴロとある風景が面白く、少しだけ時間を止めて、その雰囲気を楽しんだ。
なお、ゴジラ岩へは、車やバイクを止めて、足場が悪い石の上を歩いていくことになる。女性が行かれる際は、パンプスやブーツは傷んでしまうので、スニーカーをお勧めしたい。

このnoteを書いていたら、もう一度男鹿半島を走りたくなってしまった。
それほど、この旅は楽しかったのだ。
ゴジラ岩を過ぎて、断崖を上るように走る県道からは、遮るもののない日本海が見下ろせる。それは、思わず「わ〜お!」と叫んでしまったほど、雄大な絶景だった。
その景色と、勾配がが続く道が楽しく、夢中で走っているうちに、小さな湾に着いた。地図によると、戸賀湾というそうだ。
バイク用の地図、ツーリングマップルで、この湾にある「雄和丸の店」に、岩ガキがうまい!とのコメントがあり、昼食はここでと決めていた。
注文したのは、生牡蠣と牡蠣フライの岩ガキ定食。生はぎゅっと味が詰まり、フライはトロトロのレアで、期待通りの美味しさだった。
また、隣のテーブルにいた、これから男鹿水族館に行くという家族連れのお父さんがバイク乗りで、いろいろな話をすることができた。

食事も会話も美味しかった店を、大満足で後にして、再び県道を走っていくと、道の左側は海、右側は草原、という不思議な景色が広がってきた。
草原を走るという経験があまりないので、新鮮な感動を覚えているうちに、半島の先端である入道崎にたどり着いた。
突端にそっと立つ、白黒の灯台が可愛らしく、お食事処やお土産の店もあって、入道崎は賑わっていた。灯台に登って海を眺めたかったが、予定より時間が遅れていたので、風景だけを楽しみ、バイクを進めた。
でも、実は今でも、登れば良かったと後悔している。もし、夕陽をそこから眺められたら、どんなに綺麗だろう。
これは、男鹿半島に泊まる旅を、改めて計画するしかない。

その後は半島の北側を東へ走り、R101で南に方向転換して、道の駅おがに戻った。
ここで、狙っていた「ババヘラアイス」を食べたかったのだ。
ババヘラアイスは、年齢を重ねた女性が、ヘラを使って、黄色とピンクのアイスを薔薇の形に盛り付けて作る、秋田にしかないスイーツ。プロの技で、みるみる咲くアイスの花に、自分の目がまん丸になっているのがわかった。
「秋田に来ないと食べられないから、楽しんでね」という言葉と一緒に、渡してもらったババヘラアイスは、さっぱりと爽やかな味わいで、長旅の合間にちょうどいい逸品だった。

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