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高校卒業後、アメリカ留学。南カリフォルニアのライフスタイルを存分に満喫しながら、そのま…

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高校卒業後、アメリカ留学。南カリフォルニアのライフスタイルを存分に満喫しながら、そのまま3年間不法滞在と不法就労を続けた。その後、2007年の秋にメキシコのティファナ・サンディエゴ国境にて出頭し、サンディエゴ内の留置所で3週間勾留された。自費出国申請をし、留置所からそのまま帰国。

最近の記事

オーバーステイの代償 Chapter6 六本木ヒルズ

2009年4月。俺は六本木ヒルズのゴールドマンサックスのオフィスの常駐警備員になった。セキュリティオフィサーとかいうポジションだ。俺は28歳になっていた。ロビーの隅っこでずっと立ってるのが主な業務だ。 6ヶ月間沖縄のマグロ漁船で漁師として働いた後、俺はマグロ漁船を降りて、和歌山にある実家に戻り、就職活動を再開した。英語力が活かせる仕事でヒットしたのが、東京の警備会社の求人案件だった。赤坂にあるオフィスで面接を受けた。後日メールで連絡があり、是非採用したいとの事だった。マグロ

    • オーバーステイの代償 Chapter 5 マグロ漁船のペスカドル

      2008年7月某日、俺は沖縄の那覇にたどり着いた。アメリカから帰国後、和歌山で6ヶ月間のニート生活をへて、マグロ漁師になるために沖縄に来た。27歳になっていた。 水産庁が主催する漁師育成プロジェクトに参加する。マグロ漁師研修生として、沖縄の泊港を拠点とする、近海延縄漁の船にお世話になることになった。水産庁からプロジェクト参加者に対して、毎月一定の金額が支給されるというシステムだった。船のオーナーにとって、水産庁の金で若い人材が雇える。自分の財布からは給料を払わなくていい。美

      • オーバーステイの代償 Chapter 4 26歳無職・ニート

        日本に帰国したのは、2007年12月のクリスマス前の時期だった。成田空港に降り立つと、インターネットが使えるパソコンを見つけたので、そこでメールのチェックをした。20歳の夏に日本に帰国した時に良い仲になった女の子からメールが届いていた。結婚することになったらしい。「お先に行かせてもらうわ」と書かれていた。俺は20歳の夏に日本に帰国した後、カリフォルニアドリームに夢中になり、一度も日本に帰国していなかった。6年ぶりの日本だった。俺は26歳になっていた。 成田空港から、最終目的

        • オーバーステイの代償 Chapter 3 自費出国 サリダ・ボルンタリオ

          留置施設への入所手続きが済むと、個室を与えられた。2名部屋だ。俺は看守に案内され、個室に移動した。そこにはすでにベネズエラ人の男がいて、彼はミゲルという名前だった。話を聞くと、ベネズエラから陸路でアメリカに密入国しようとしたが、途中で捕まったとのこと。弟と二人で旅をしていて、二人ともこの施設に勾留されている。ミゲルはすでに1年以上ここに勾留されている。 俺はここに何日いなけりゃいけないんだ?そう考えるようになった。何年もこんなところにいるのはごめんだった。当初数日程度で釈放

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          オーバーステイの代償 Chapter 2 出頭・勾留

          カリフォルニアドリームを生きながら、不法滞在者・及び不法就労者としての生活も3年を過ぎていた。その頃、俺はよく目の前に壁があるような感覚になっていた。その壁は絶対に越えられなくて、その先に進めない。不法滞在者であるということは、社会的ステータスの向上が出来ない。仕事をしたくても、正規雇用が出来ない以上、雇用されながら、昇進すると言ったステップアップの道は、ない。越えられない壁が立ちはだかる、行き止まりだ。Dead end.いくら頑張ったところで、高いところへは行けない。Im

          オーバーステイの代償 Chapter 2 出頭・勾留

          オーバーステイの代償 Chapter 1 カリフォルニアドリーム

          1999年の5月、俺はカリフォルニア州のオレンジ郡にある私立大学に入学した。その1ヶ月前に三重県の高校を卒業したばかりだった。地元の仲間に送り出されて、俺は渡米したのだった。 当時サーフィンに憧れていた俺は、大学に通いながら、サーフィンができる場所、という理由で、その場所を選んだ。専攻科目は心理学。正直なところ、サーフィン留学がしたいだけだった。 南カリフォルニアの生活は、日本で慣れ親しんだ日常とは別世界だった。まるでパラレルワールド、異次元の世界だ。俺は次第にその異次元

          オーバーステイの代償 Chapter 1 カリフォルニアドリーム

          シンガポール日記 2022年11月

          3年ぶりの羽田空港国際ターミナルは、海外出張のビジネスマン達と外国人旅行客で賑わっていた。ノーマスクの外国人もチラホラ居る。 シンガポール入国の為、Covid-19 ワクチン非接種者は、72時間以内に取得した、陰性証明書の提示が必要だ。 その為俺は、前日に藤沢駅前のPCRテストセンターで陰性証明を取得していた。超迅速PCRテストという、1万5千円のオプションに、陰性証明書発行料の5千円、合計2万円を支払った。その日の夕方、ショートメールで陰性結果を知らされた。ショートメー

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          マジックマッシュルーム体験

          マジックマッシュルームを食べた事はあるだろうか?俺は一度だけマジックマッシュルーム入りのシェイクを飲んだ事がある。大学を卒業した年、2003年の夏だ。サーフィン仲間達と長期のサーフトリップに出た時だった。場所はバリ島のミッドナイトオイルという店だ。 店に入ると、紫のタイダイ染めのパンツを履いた男性が接客してくれた。当時のバリでタイダイのパンツを履いているバリニーズは珍しかった。そんな奇抜なセンスの男性は、サイケデリックス(幻覚剤)経験者に間違いなかった。俺と仲間達は、5人で

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          石垣島日記

          石垣島日記 8月1日、滞在2日目。台風6号の影響で、食料が不足する事が予想されていたため、食料を買いだめしていた。 その日の夕食にイラブチャーの刺身が食べたかった。適当な鮮魚店を探しているうちに、ゆらてぃく市場に辿りついた。入店早々にお目当てのイラブチャーの刺身を買い物かごに入れた。 陳列された大小のグアバを物色していると、おじーが話しかけて来た。「良い匂いなんだけど、便秘するんだよな」どうやらグアバの種を食い過ぎると、便秘するらしい。そうなのか。知らんかった。かといって

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