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マジックマッシュルーム体験

マジックマッシュルームを食べた事はあるだろうか?俺は一度だけマジックマッシュルーム入りのシェイクを飲んだ事がある。大学を卒業した年、2003年の夏だ。サーフィン仲間達と長期のサーフトリップに出た時だった。場所はバリ島のミッドナイトオイルという店だ。

店に入ると、紫のタイダイ染めのパンツを履いた男性が接客してくれた。当時のバリでタイダイのパンツを履いているバリニーズは珍しかった。そんな奇抜なセンスの男性は、サイケデリックス(幻覚剤)経験者に間違いなかった。俺と仲間達は、5人で2つのマッシュルームシェイクを頼んだ。タイダイパンツの男は、手際良くシェイクを作ってくれた。シェイクの味は覚えていないが、タイダイパンツの男に質問をしたのを覚えている。「マジックマッシュルームはどこに生えるのか?」男は、雨が降った後、牛の糞から生えてくるのだと教えてくれた。

牛のうんこから幻覚作用のあるキノコが生えるなんて、ぶっ飛んだ話だ。最初にマジックマッシュルームを発見した人は、相当腹が減っていたか、食えそうなものはとりあえず何でも食べるスタイルだったのだろうか?

そんな事はどうでもいい。マジックマッシュルームを食ってみて、不思議な出来事がいくつかあったので、それらの出来事の話をしよう。

一つ目は、ミッドナイトオイルに向かう途中に居た犬の反応だ。ミッドナイトオイルに向かう時は、その犬は人懐っこく、尻尾を振っていた。仲間の1人は犬が好きで、その犬を撫でていた。ミッドナイトオイルでシェイクを飲んだ後、タイダイパンツの男との雑談もそこそこに、俺たちは店を出た。店を出た後、また同じ犬に会ったのだが、その犬は俺たちがまるで悪い奴らであるかの様に、攻撃的に吠えていた。犬は俺たちの様子がおかしいことに気づいていたのだ。その時点ではほんのりハイになったような気分だった。

吠える犬を後に、俺たちはバウンティクラブに向かった。行きつけのダンスクラブだ。オーストラリア人とヨーロピアンの観光客が集まって、アメリカのヒップホップミュージックに合わせて踊っていた。バウンティに到着した頃には、マジックマッシュルームの効果は明確に出ていた。二つ目の不思議な出来事は、クラブの中で起こった。ダンスフロアにいた、バリニーズの男と目が合った時、直感的に、そいつがマジックマッシュルームを食った事がわかった。バリニーズの男は、俺を見て嬉しそうにこう言った。「マジックマッシュルーム?」



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