アイドルとゴール
【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.49】
アイドルにゴールってあるのだろうか。
もちろん、人気が無くなってしまえばメディアに出れなくなるが、それをゴールとはアイドル自身は思ってないだろう。
例えば、学生さんだったら、試験かもしれない。
しかし、アイドルに試験はない。
また、会社員だったら、定年まで勤め上げるというのが1つのゴールかもしれない。
しかし、当然ながら、アイドルには決まった定年もない。
もちろん、アイドルはまず売れるのが大変なのだが、それでは、もし冠番組持てたら?CDが100万枚売れたら?レコード大賞を取ったら?ドームでコンサートできたら?
いや、これらを達成してやめるアイドルはいないだろう。
むしろここからがスタートで、さらに売れる曲を出したり、全国でドームツアーを行ったり。
V6は、デビューから27年連続でシングルがTOP10入りしており、この記録は歴代1位だ。これは、前年の自身の記録を更新したものとなる。ずっと活動を続ける彼らは、記録を取ったことをゴールとはしていない。
V6を見てると、デビュー当時の異常な人気はさすがに何年か経ったら少し落ち着いた。しかし、彼らは人気の波に関係なく、デビューの時から、全メンバーが様々なことを身に付け、コンサートの演出も進化させ、メンバーそれぞれのキャラも相まって、今までずっと人気を維持させ活動を続けている。
例えば、岡田准一くんは、ジャニーズ事務所に所属してすぐV6でデビューだったから、ダンスもお芝居も何もやったことのない状態から、今の状態まで持ってきたことはこのnoteでも何度か書かせていただいた。
「学校へ行こう!」でも、「少年オカダ」というキャラクターで、それちょっと無理じゃないってことに体を張って挑戦する。そしてなんとかやり遂げてしまう。
「少年オカダ」はニコニコ笑っているが、かぶっていたヘルメットの下から、岡田くんの、どれも必ずやってやるっていう覚悟が滲んでいた。
岡田くんは、そういった場数を数限りなく踏んで、どんどん変化していった。
メンバーは、こういったことを数限りなく続けてきた。
ではゴールはどこに?いつまで続ければいいの?
ゴールって、もしスポーツのゴールテープだったら、それを切ったら両手を挙げて「あ~終わった」と思える。
ではアイドルのゴールテープって?
もしずっと売れ続けるってことなら、何と過酷なことだろう。それは、ゴールだと思って行ったら、ゴールテープがどんどん向こうに行ってしまうようなものだ。
考えてみたら恐ろしい仕事である。
でも、逆説的に考えたら、過酷で恐ろしいことだったら、どんなに義務感や使命感があっても、続けられないのではないか。V6はもう四半世紀以上続けている。
もちろん、ファンには見せられない泥臭い苦労は当然あるだろう。
でも、リーダー坂本昌行くんの話などを聞いていると、輝かしいステージに立ち続けていることが喜びだ。アイドルは、皆に、ファンに、喜んで愛されることが原動力なんだろう。
ひょっとしたら一見過酷なことも、当事者からしたら楽しんで充実してやり続けていることなのかもしれない。
そして、今回解散ということになっているが、誰も引退するわけではなく、メンバーそれぞれの芸能生活は続いていく。私は今回の解散が彼らのゴールではないと思っている。
これからも、メンバーそれぞれが目一杯楽しんで売れ続け、我々をどんどん楽しませていってほしいと願っている。
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