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大阪にヘルプマークが上陸しております

探し回っていたヘルプマーク。
ようやく、大阪でも6月から配布がスタートした。
遅い‥‥遅いよ、大阪府さん!

と愚痴りつつ、6月に区役所で受け取って以来
患者は毎日このサインのお世話になっている。

特に不要なときは、
カバンの中にしまっていたけれど
今では、もうずっとつけている。
ヘルプマークの存在を「知ってもらうこと」が
大切だと思うので。大阪の皆さんよ、
この派手なサインを、ジロジロ見たまえ。

大阪の皆さんは、案の定
ヘルプマークを怪訝な表情でガン見する。
「この人、何つけてるんやろ」という
心の声が漏れ聞こえるようだ。

だけど、なんとなく役に立っていると
感じることもある。
たとえば電車内で座っているとき。
これまでは、優先座席に腰掛けたら
「ちょっと!そこ座る?」という視線が刺さった。
「このおじいさんに譲るべきでしょ」
という圧も感じた。
それが減ってきた気がするのだ。
(当社比です)

ヘルプマーク自体の注目度が高いのは、
なんといっても病院内だ。
興味津々な気持ち丸出しで、皆が
注目しているのがわかる。
患者たちは
「それ、わたしらがつけるやつ?」
と思って見ているし、
ナースは積極的に質問してくる。

できれば、ヘルプマークは
がんセンターで
配布すればよいと思うのだけれど、
難しいかしら。

大阪の市営地下鉄では、
ヘルプマークのポスターを見かける。
患者はそのポスターで、大阪での
配布スタートを知った。
「電車内でスマホばっか見るな」という
意見がある。
それは、こういった情報や
実際にヘルプサインを出している患者に
気づく機会をもってね、ということなんだろうね。

最後に。ヘルプマークは
肝心の利用者が、なかなか馴染めない
という課題もある。

がん患者なんて、みため元気そうな人が多い。
だからこそのサインなんだけど、
いきなり大病をした人は
助けてもらうこと自体に慣れていない。

普通に暮らすことができたとしても、
見た目はとっても元気でも、
ときどき、きつい日もあるわけで。
出先で、具合が悪くなる可能性もあるわけで。
あと、患者のような骨髄抑制野郎のそばで
咳エチケットをガン無視される‥‥こともあるし。
「この紋所が目に入らぬか」なんて勢いで
使うことはないけれど。あったほうがいいんです。

ヘルプマークをつける側には
「助けを求める」そして
「私は患者です、と声をあげる」
その責任があると思う。

患者も、ここは苦労する。
「もっと大変な人が、もっと辛い病気の人が
世の中にはたくさんいるんだよ。
オレみたいな元気な人間が
贅沢いっちゃいけないんだ」
なんて思ってしまって。
後ろめたい気持ちと、いまだに挌闘する。

だけど、ほんとうに些細なサポートで
クリアできることがたくさんあるから。
周囲と関わることで、解決できることが
案外多いのだから。

健常者だって、困る場面はあるものね。
そうしたら、そのとき困っていない人が
サポートするよね。それが自然な流れだ。

今日も患者は、ヘルプマークをぶら下げて
チャリンコへまたがる。
電車やバスに乗って、あちこちへ出掛ける。
まずは覚えてもらわないと、なんにもならない。
様々な議論は、それからだ。