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20170925 診察日記

毎回、新しい薬に切り替わるときって
コテンパンにやっつけられるのが常なわけで。
「ちょっとちょっと、いつもと違うヤツ
入ってきましたけど?」
と、カラダが文句を言う。

◎病名:
 進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移)
◎治療歴:
 1)ホルモン(TAM→LET→EXE)+ZOL
  外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清)
 2)トモセラピー(骨転移放射線治療)
 3)アフィニトール
 4)ケモ
 PTX&bev→CAP+ホルモン(ANA+LPR)
 →VNR→PTX&bev(再)
  ※以上をゾメタと併用で
◎現在の治療:
 新しく投与したHalavenが
 今日も投与できるかどうか(1クール2投目)
 ※1クール=2投1休
◎おもな症状:
 骨髄抑制、倦怠感、食欲不振、出血、発熱
 手足ほてり、睡眠障害、吐き気、など

採血の後、
診察前のナース問診を受けた。
抗がん剤が変わったから、報告がたくさんある。
薬の種類が変わるということは、
患者にとっては一大事なのですよ。
ああそれなのに。
話がなんだか、かみ合わない。
どうやらナースの中では、まだパクリタキセルを
投与していると思っているらしかった。
「どうですかー?」などと、当たり障りのない
質問をして、世間話を始めた。

結局、この残念な事象に気づくのは患者しかない。
しかたなく、前回までのあらすじを
話して聞かせると、ナースはとても驚いていた。
そうして、それによって熱が出たり嘔吐したり
色々あったんだよと伝えた。
あのー‥‥この報告会、いりますか?
ナースと別れて、小さくため息をついた。

さて、そのあとは主治医の診察だ。
新しいパートナー「エリブリン(ハラヴェン)」は
とにかく好中球(@白血球)を
減らしてしまうことには定評がある。
だから「好中球がないとき」に備えて、
主治医は投与量を最小限に抑えていた。

それでも、やっぱり、ない。ザ・骨髄抑制!
わて、今日もまた好中球があらしまへん。
↑「私は、今日もまた好中球がありません」の意

主治医はきっとわかっていたくせに、
「むむうぅぅ」と唸って腕組みをしている。

なんとかこの薬を体内へ送り込み、
せめて「効くかどうか」がわかる状態にしたい。
それで今回は、
白血球を増やす注射を使うことになった。

患者が「斉藤和義のライブに行きたい」と
入院中に駄々をこねて投与された、アレである。

薬の効果は、1度の投与で2日間。
1週間で計3回投与して、
白血球を人工的に増やす。
十分な白血球数を得たところで、
意気揚々と、抗がん剤を投与しようじゃないか。

熱は下がっていたし、カラダはわりと
楽になってきていた。
だから大丈夫!と、主治医にアピールすると
「それは薬(アベロックス)を飲んだからです。
飲んでいなかったら、いまも熱が出ていますよ」
と言われた。

そして今週も、主治医は
診察をこう締めくくった。

「薬を飲んでも熱が下がらなかったら、
すぐに連絡してきてくださいね」

もう癌の治療なのか
骨髄抑制の治療なのか
よくわからなくなってきた。
いや正解は、「どっちも」なんだけど。
がん治療のために、抗がん剤を入れる。
抗がん剤を入れるために、
骨髄抑制(白血球減少)を阻止する。

そんなわけで、週イチでも多いと思っていた
通院だったのに、週サンになってしまった。
放射線治療の毎日に比べりゃ、楽なもんですよね‥‥

再診料‥73点
医学管理等‥10点
検査‥206点
投薬‥301点(アベロックス×5回)
注射‥868点(グランシリンジ×1本)
合計→1458点(14,580円)
※患者は3割負担/ただし高額限度額内