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治療日記

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病院へ行ったときの記録です。診察や検査の様子など。 あくまで「エリィの場合」ということで、ほんの一例としてご覧になってもらえると幸いです。
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#エッセイ

「治療のおしまい」の始めかた

抗がん剤治療のカードは何枚目だろう。 ジェムザールは、少し効いているようで 正直油断していた患者の肩を ある日、そっと誰かに叩かれた感覚。 主治医 「(血液検査の)肝臓の値が‥  この数値ではちょっと‥」 ああ、この薬もまた落第になったのか。 と思ったらそうではなかった。 もう、抗がん剤も新薬も、 すべての治療を打ち切ろう いや、打ち切ってくださいと 主治医は言いたかったのだ。 主治医がいちばん辛そうな表情をしていた。 ぼんやりと聞いている患者に向かって こんな質問が投

ジェムザールさんのおしごと

11月からお世話になっている 抗がん剤のジェムザールさんについて、 使用感とでもいいますか、 1クール目の現状をまとめておきます。 ちなみに、進行乳がんでの使用であり もちろん個人の感想ですので ご承知おきください。 ◎ジェムザールさんは、どんな薬か がんがじぶんを増やすために、必要な物質がある。 いつものように、そのあたりの詳細は 華麗にスルーしていただいて。 とにかく、その「物質」のそっくりさん それがジェムザール。(ゲムシタビン) なんでも構造が似ているらしい。 した

20171106 診察日記

先週、家で犬を引き取るという大騒動があり。 記録が滞ってしまっていたので 今日から取り返します! じっくりと休薬したあと、 新しい薬を投与することになった。 ◎病名:  進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移) ◎治療歴:  1)ホルモン(TAM→LET→EXE)+ZOL   外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清)  2)トモセラピー(骨転移放射線治療)  3)アフィニトール  4)ケモ  PTX&bev→CAP+ホルモン(ANA+LPR)  →VNR→PTX&be

20171024 診察日記

「北海道に行ったんですって?」 主治医は患者の顔を見るなり、 ナースからの前情報に食いついてきた。 「なんか、すごく元気そうに見える!」とも。 ◎病名:  進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移) ◎治療歴:  1)ホルモン(TAM→LET→EXE)+ZOL   外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清)  2)トモセラピー(骨転移放射線治療)  3)アフィニトール  4)ケモ  PTX&bev→CAP+ホルモン(ANA+LPR)  →VNR→PTX&bev(再)→ERV

20171002 診察日記

診察室へ入ったら、すぐに主治医は 「どうですか?体調変わったことなかったですか?」 と尋ねた。 「はい。大きな変化はありませんでした」 と患者は答える。 そして今度は患者が主治医に尋ねる番だ。 「それで、今日は (好中球は)どうだったでしょうか?」 ◎病名:  進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移) ◎治療歴:  1)ホルモン(TAM→LET→EXE)+ZOL   外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清)  2)トモセラピー(骨転移放射線治療)  3)アフィニトール  

何分の一かの、純情な感情

「失礼します!こんにちはー」 元気よく挨拶したものの、診察室は騒然としていた。 すでに診察を済ませた別の患者さんが、 院内で具合を悪くして転倒したらしい。 クラークと呼ばれる事務員さんが、 慌てふためいて説明している。 エリィ「ありゃりゃ..だ、大丈夫ですかね..」 どうしよう。出直したほうがいいかな。 主治医はクラークさんの話が終わると 振り返って、こちらを向いた。 まったくもって落ち着いた表情で、 何事もなかったかのように話し始める。 主治医「どうですか?熱はあ

20170925 診察日記

毎回、新しい薬に切り替わるときって コテンパンにやっつけられるのが常なわけで。 「ちょっとちょっと、いつもと違うヤツ 入ってきましたけど?」 と、カラダが文句を言う。 ◎病名:  進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移) ◎治療歴:  1)ホルモン(TAM→LET→EXE)+ZOL   外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清)  2)トモセラピー(骨転移放射線治療)  3)アフィニトール  4)ケモ  PTX&bev→CAP+ホルモン(ANA+LPR)  →VNR→PT

20170915 診察日記

金曜の病院は混んでいる。 ケモ室のナースたちは、倍速で動いていた。 「人手が足りなくってー」と言いながら ときどき、いろいろ、ひっくり返していた。 そんな金曜に、患者の体内に入っていった薬とは? ◎病名:  進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移) ◎治療歴:  1)ホルモン(TAM→LET→EXE)+ZOL   外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清)  2)トモセラピー(骨転移放射線治療)  3)アフィニトール  4)ケモ PTX&bev→CAP+ホルモン(ANA+L

20170731 診察日記

朝からコンディションは悪かった。 前夜に一睡もできなかったのだ。 ◎病名:  進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移) ◎治療歴:  1)ホルモン(TAM→LET→EXE)+ZOL   外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清)  2)トモセラピー(骨転移放射線治療)  3)アフィニトール  4)ケモ PTX&bev→CAP+ホルモン(ANA+LPR)→VNR  ※以上をゾメタと併用で ◎現在の治療:  PTX&bev【再】  ‥4クール目の治療ができるかどうか(骨髄抑制の

20170710 診察日記

毎週だった通院が、2週に1回となったので患者の負担はずいぶんと軽くなった。病院へ行くと、その度にどこかの部署でミスがある。大きなものから小さなものまで、とても多くの「手違い」が発生している。ミスが多い組織というのは、ミスの対応が苦手なことが多いもので。ミスが起こった後の対応が不味すぎて、患者は治療以外のことで消耗しちゃう。 ◎病名:進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移) ◎治療歴:ホルモン療法→外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清) →トモセラピー(骨)→アフィニトー

20170626診察日記

家族面談のあと、はじめての診察は6月最終月曜だった。いつものように、まずは血を採ってもらうところこから、長い1日は始まる。 ◎病名:進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移) ◎治療歴:ホルモン療法→外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清) →トモセラピー(骨)→アフィニトール →ケモセラピー ※この間、骨治療でゾメタ継続 ◎治療スケジュール:アバスチン+パクリタキセル【再】‥3クール目に入れるかどうか ◎おもな症状:骨髄抑制(免疫↓)、睡眠障害、倦怠感など。2週間休んで元

20170619診察日記その2

その1はこちら なんとか治療の道は、ぎりぎり繋がったようだ。先のことは全然未定だけれど、来週から3クール目の抗がん剤が投与される。 今の薬‥パクリタキセル(+アバスチン)は、4週が1クールだ。3投1休(週に1度を連続3回、4週目が休み)がきほん。ただ患者の場合、体がくらうダメージがでかすぎる。白血球問題が勃発し、たちまち生命体として危うい状態を迎えかねない。そこで、先生は隔週での投与を提案した。この場合2投2休っていうのかしら? 1週目と3週目に薬を入れる。2週間たっぷ

20170619診察日記 その1

◎病名:進行性乳がん(多発性骨転移・多発性肝転移) ◎治療歴:ホルモン療法→外科手術(右乳房全摘+腋窩リンパ節郭清) →トモセラピー(骨)→アフィニトール →ケモセラピー ※この間、骨治療でゾメタ継続 ◎治療スケジュール:アバスチン+パクリタキセル【再】‥2クールオマケで完了。今日はCTで効果を検証する。 ◎おもな症状:骨髄抑制(免疫↓)、鼻血、睡眠障害、倦怠感など。休薬中につき、わりと元気。 京都から大阪の「がんセンター」までやってきた母ハルエ。助っ人として、ハルエの妹(

夢のハーブボールナイト

嬉しい贈り物が届いた。東に住む友人が「タイフェス」のお土産を、西の患者へ送ってくれたのだ。オレはタイのものがとても好き。大阪にあるタイ料理屋さんへは、片手では足りない回数リピートしている。ああ、思い出しただけでヨダレが出てくる‥ ハーブボールのことは詳しく知らなかったけれど、どうやらとても美容と健康によいものらしい。数種類のハーブを布に包みこんである。蒸して体に当てたり、入浴剤として使ったりする。いろんな流派があるらしくて、タイでは病気の治療にも使われるとか。友人は、体調を