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何故、がんばれ!と言うの?

「なんで人は生きるの?」
突然、1年生にそう聞かれて、私はあんぐり口を開けた。やっと気を取り直した私は、

「それは、幸せになるためだよ。」

とだけ答えた。

私のこの学校での8年間は幸せであった。誰かに勝ったわけではない。成功を収めたわけでもない。ただ、精一杯頑張っただけである。

校内マラソン大会の時、どんじりを走った5年生の子が、担任の私にこう言った。
「どうして、みんなは、私に『がんばれ、がんばれ』と言うのだろう?頑張っていないように見えるのかしら?」

人は「過程が大事」と口にはするが、実際は結果にとらわれて判断しがちだ。彼女の疑問は、まさにこれを物語っている。

先頭を走る子もどんじりを走る子も必死に頑張っていたのである。それを一人でも分かってくれる人が傍らに居てくれれば。

「がんばった!」
「がんばったのね。」


私はとても幸せでした。

番外編

ここで、一つ学んだことがあります。当初、私は、彼女の発した言葉に驚きを隠せませんでした。応援する言葉が、まさか、相手を傷つける言葉になっていたとは思いもよりませんでした。感じ方、受け取り方は、人によって千差万別。愛していることと愛が伝わっていることがイコールでないように。

(See you)

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