見出し画像

2021のホワイトデーの過ごしかた



今年は別々のホワイトデーを過ごす私と彼。
というのも彼は絶賛地元に帰省中であり、帰ってくるのは一週間後。
1人で残されたというのはあまりにも納得いかないし、プライドが先立ってしまうので寂しいなんて絶対に言ってやるもんかと悶々としている私である。


いろいろと考えた結果、何かやっていないと気が散るので掛け持ちのアルバイトをMAXで入れて、その合間に企業説明会や選考会を振り分けた。
私、そういえば就活生だったわ…なんて我が身の行く末を案じなければいけないことを思い出した。
そして、まだ少しだけ空いている時間にこうしてせっせとパソコンに向かって文字を打ち込んでいる。



バレンタインデーが近づいていた時分は、私は迫り来る課題やらアルバイトに苛立ちが隠せなかった。
その傍らで既に春休みを迎えていた彼は「今年のバレンタインデーは何をもらえるかなぁ」なんて呑気なことを唆していた。
私は「忙しいからそんな気分じゃないし、何も考えていないよ」と言っていたっけなぁ。


なんだかんだ尻火が治まれば、お菓子を作らなければいけないという世の中の雰囲気につられて私もガトーショコラを焼き上げた。
せっかく上手く焼けたのに、仕上げの粉砂糖を手が滑ってど真ん中にぶちまけてしまったことで、「やっぱり作らなければ良かった…」と気分がどっと落ちたことは忘れまい。
去年は塩と砂糖を見事に間違えてしょっぱいマフィンを作ったし、私は砂糖と仲が悪いのかもしれない。
一度、砂糖とはお菓子作りについて深く話し合わなければいけないかもしれない。
そんなことはさておき、味はしっかりガトーショコラだったし彼もそれなりに満足してくれたから一件落着…かと思えばここから話はまだまだ続く。




「3月に帰省するんだよね」と彼から伝えられる。
しかもよくよく話に耳を傾ければ、「ホワイトデーの日は地元に帰省しているのだと……。まったくやっていられないわ。」と内心呆れる。彼の旧友と予定を合わせるのは難しくたまたまバッティングしてしまったから仕方ない。
きっと私がバレンタインデーを他の予定で、すっぽかしたら、彼はご立腹なさるだろうに私はこの状況を許すほかない。
まぁ、誰が悪いわけでもないから、この鬱屈した感情はどこにもぶつけられない。
とんだ災難を抱えてしまったものだと不思議と笑いが込み上げてくる。



帰省前にホワイトデーのお返しを貰った。
目の前には2つのホールケーキと大量のお菓子。
これらはすべて北海道で有名なLetaoとROYCEのものだった。
彼は届くまで秘密にしていたけれども、最近ずっと食べたいと口癖のように言っていたから予想はついていた。
それでも目の前に並べられていたものを見て「北海道物産展かよっ!」てツッこみをいられずにはいられなかった。
ホワイトデーというより北海道物産展の戦利品というような顔の一同。
私は彼ほど甘党でもないし、ニキビ予防にチョコ類は控えている…。
「これはどう考えても食べきれないぜ…。」とくぐもる気持ちに蓋をして毎日1人でちびりちびりと消費している。
今頃、彼は旧友と楽しく過ごせているのだろうかとぼんやり考えながら齧るROYCEはとても甘しょっぱい。


離れて過ごすと見えてくるものもあったりする。
夢中になると気づけないことや、なおざりにしていたことに手がまわせるようになる。
これはこれでアリなんじゃないかと思えてきたホワイトデー。


1人と2人を行ったり来たりするぐらいが私にはちょうどいいのかもしれない。
1人でいても、2人でいても素敵なホワイトデーになりますように。



P.S.ちなみに私と彼の間に来年があるならば、バレンタインデーとホワイトデーは交換する予定。
日本のバレンタインデーでは毎回のように女性から贈り物をすることに疑問を感じている私の気持ちを汲み取ってのことだ。
海外では男性から贈り物をする日なのにどうしてこうなったのかしら…やっぱり日本の忌まわしき風習が言わずもがな影響を与えているのかもしれないと考えたりする。
来年のことなんて絶対の約束はできないけれど、秘かな楽しみにしておくことにする。



#エッセイ
#note
#ホワイトデー
#こころ
#恋愛
#バレンタインデー
#すずらんの想い
#スキしてみて

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?