おうちは語る

あなたの家事サービスレベルをハイエンドにする気づきとテクニック

2008年から15年、1万件以上都内中心部の富裕層向け家事サービスを行なってきたのですが、最近ではマッチングアプリの普及によって個人的に家事を提供している方が増え、私も時々自宅のお手伝いをお願いするのですが思わしい方が少なく、家事というものがそもそも家庭内での感覚的な作業であり、その延長で簡単に参入できてしまうこと、個人個人のプロ意識のレベルがあまり高くなく、専門知識も少なく、家事というもの確固としたセオリーがないために成果に対してではなく、時間の切り売りが成り立ってしまっていることも一因に思えます。

かつて子供と一対一の母子家庭となり、自分が本当に困って家事サービスを利用していた私は家事育児の足りない部分を全面的に手伝って欲しかったので始めたのですが、日本における家事サービスで依頼される分野は私の予想に反して 時間切りの掃除が殆どでした。食事は生活感覚によって習慣や好まれる味覚が大きく異なりますが、掃除なら他人に委ねてもまあ許容範囲に近い結果が得られるのでしょう。

実際に自宅に他人が入り、自分たちのプライベートなものに遠慮なく触ったりされるというのはそこはかとない違和感があるものです。

そのあたりの話を。

家事サービスの場合はその家の日常に入り込むのですから汚い仕事だからと言って汚い格好は絶対にNGです。

洗剤が付いて色が抜けた古臭い服、黒ずんだ臭そうなソックス、古そうなゴム手袋、型崩れした靴。油断してはいけません。そういうところしっかりと見られています。洗濯されていても見た目が汚ければ受け入れられないもの、と考えた方がいいと思います。

全身が映る鏡で客観的に自分の見た目をチェックすること。この業界では素顔に白髪の自然派の方もよく見受けられますが暗い印象のお顔ならお化粧をして顔色を明るくした方が好かれますし、若い方が喜ばれる事が多いので年齢が若くない方は若々しく見える工夫と努力が必要です。

加えて持ち込む道具の清潔感も重要です。汚いと思う心のレーダーは安心安全である自宅という場所では想像以上に敏感に働きます。

どこか他所の家で使ったような雑巾なんてもっての外、掃除をする人が持ち込むものなんてよそのトイレとかドロドロの排水周りとかで使ったものかもしれません。考えるだけでゾッとしますよね。

私は個人的にハウスクリーニングというのに抵抗があります。道具の衛生や印象にまで気を使える方が少なく汚い人に当たると終わって帰ってからまた掃除を始めなくてはならないからです。見積もりが安い人にお願いすると大抵はハズレです。業者は安さで選んではいけません。

そして作業者として念頭におくべきは、"あなたは決して信用されていない" ということです。

それは何十年お付き合いしても、そのご家族からは "掃除の人" であり、最高でも従事者としてのリスペクトはあっても、友人でもまして家族でもなく距離はそうそう縮まりません。

仕事というのはそういうものです。

お得意様に「汚い家には行かないで」と言われた事があります。その言葉からあなたが玄関で脱いだ靴、あなたが持ち込むお気に入りのバッグは新品でも汚いと思われる事があることを覚悟してください。玄関では脱いだ靴をお客様のものに触れない場所にせめてきちんと揃えて置く、新しい靴下を履いていても床やマットに足を付けず、きれいな持ち込んだ室内履きの上に上がるようにしましょう。お借りしたスリッパでしゃがんだら型くずれを起こします。当然のようにお借りするなんてありえません。

近年の日本ではその家の主婦が無料で家庭内のサービスするのが当たり前の中、お金を払ってまで掃除を頼む人は綺麗好き以外の何者でもあるわけがありません。お金をいただく立場なのであればあなたもプロフェッショナル。徹底して相手の目線に立って気遣うことを忘れないようにしましょう。

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