【7月17日~23日】楽しそうに生きる大人
中2女子の「今日から給食ないよ」というひと言で終業式と夏休みの到来を知った。本当になにも考えてなかったからびっくりした。
原稿に没頭している間に季節が進みすぎじゃないか。
ひとまず、日曜日はかねてより中2女子が楽しみにしていたことがあった。
彼女の伯母であるところの私の義姉との買い物だ。神戸で。
私が知らないうちに2人で盛り上がり、いつの間にか約束していた。
仲がよい。実に仲がよい。
仲がよいのは喜ばしいが、私の仕事はものすごく微妙なラインにあった。
三宮まで送って、私はどこかでノマド仕事でもするか……悲しい、私も仲良しに加わりたい……いや、違う。
この人たち、最初からデートのつもりだわ。私いらないわ。と気づいたら、なんだか私も買い物したくなってしまった。
というので、前日までにどうにか前倒しで原稿を進めた。
このところ連日ずっと地蔵のように動かず書いていたから、一旦頭を休めるにもちょうどいい。
三宮のOIOI前で待ち合わせて、とりあえず3人でごはんを食べた。
神戸といえば牛。牛カツ。ビフカツ。
気になりつつなかなか入る機会がなかったお店に入ってお肉を食べながら、2人の買い物ルートを確認した。
ZARAとコンバースに用がある中2女子。と、もはや全身で「私は本日、財布になります!」とウキウキしている私の義姉。
東京での単身赴任を終えて戻ってきたバリキャリ義姉は、今日という日を首を長くして待っていたとのこと。
兄がいたらば「あんまりやりすぎるとしーかが気を遣うし大変だ」と言うところだし、実際言われたらしいのだけど。
ただ買い与えたいだけではなくて、本当にその時間を楽しんでくれる人なので、好きなようにしてほしいというのが本音だった。
こんなに可愛がってくれるのを嫌だと思うはずもない。うれしい。
最初こそ気を遣ったけど、もうその次元にない。
シルバニアマニアの中2女子の誕生日のために、1年前からオーダーメイドであまりに本気なシルバニアケーキを注文するような義姉である。
いつだったかは、全身フルコーディネートを数セットというティーン向けの服を抱えて家にやって来た。
私も子どもの頃にそんな身内が欲しかった。
中2女子にとっては、ただ甘やかしてくれるだけではない、とても頼りになる精神的支柱。ただし、甘やかすときは全力。
私自身が身内の子たちのそういうのになりたい人だから、実は羨ましく思っているのだけど、マネできない点がひとつ。
体力。
今回、ランチのあとは一旦私だけ自由行動をさせてもらって、ハーバーランドで再び合流することになった。
三宮を2時間ほどぶらりと歩いて、ハーバーランドへ向かい、umieで2人が私に気づいた瞬間の「パァァァァァ~!」という目の輝き。
両手にあふれるショッパー。
そして今まさにこれから買おうとしていると思しきスカートを手にしていた。
私が中2女子を連れて歩いたら、これだけの店を回るには途中で何回休憩しないといけないだろう……と遠い目になった。
すごい。ノンストップできゃっきゃと買い物していたらしい。
普段はとても堅実な人たちだ。
そして、ここぞというときにバシッとお金を使う人たちだ。
お金の使い方に関して、もしかしたら一番信用しているのがこの2人かもしれない、というくらいきっちりしている。
姪っ子にあれこれ着せたい伯母。
おしゃれマスターの伯母が一緒でうれしい中2女子。
もはや立ち入る隙のないコンビとなっていた。楽しいにあふれている。
別行動にして正解だった。
私にはきっとついて行けなかった。主に体力的に。
私が中2女子に渡しておいた軍資金からかなり足が出ているのは一目瞭然だったけれど、義姉も年頃になった姪っ子にこれをやってみたいと数年前から言っていたから、念願叶ってよかったのではないか。
もちろん、私もありがたい。ありがとうしかない。
なにより、私以外の近しいところにいる大人が、「楽しそうに生きる大人」の姿を中2女子に見せてくれることがどれほどありがたいことか。
おかげで中2女子は前向きに生きる力を持てたような気がする。
義姉には今年もまたお歳暮に一升瓶か、ちょっといいワインを贈ろうと思う。
私はといえば、今年に入ったあたりからとても真面目に料理をするようになったので、食器にばかり目がいった。
どれくらい料理するようになったかというと、今日はもういっそデリバリーでいいというくらい働いた日に、せっせとピーマンの肉詰めを作ってしまう程度には真面目を発揮している。
作りながら、「なんで今日みたいな日にこんな手の込んだことしてるん……」「それな」という会話になった。
なお、このお料理ブームはそう長続きすることはない。私だからだ。
近々またやる気にムラが出ること間違いなしだ。
夏休みだし、何回かは中2女子がきっとなにか作ってくれるだろうことに期待している。新しいお皿、使ってくれていいんやで。
いつもあたたかいサポートをありがとうございます。メッセージもとても嬉しくて、大事に読ませていただいております。