みろひー(今城裕実)

キラキラ起業女子には程遠い、ぬるめ古参オタクのWEB系自営業者。公私ともにフリーランス…

みろひー(今城裕実)

キラキラ起業女子には程遠い、ぬるめ古参オタクのWEB系自営業者。公私ともにフリーランスなJJ(熟女)。ほぼ仕事に関係ない話をゆるっと書いています。長期間放置からの気まぐれ再開。別のSNSに書いていたものからの転載もあるので、時間軸がバラバラです。

最近の記事

天命ガラガラ

大阪というところは、油断できない街である。 いつどこで、まるでコントのような会話に遭遇するかわからない。 ある日、大阪南部にあるN駅直結のショッピングモールで服を選んでいた私のすぐ側で、三人組のご婦人が服を見ていた。 年の頃はアラコキだろうか。この世代の大阪女性にありがちな非常に賑やかな声で、いやでも耳に入ってくる。 A「いやっ!あんた、これええんちゃうのん!」 B「ほんま、ええ色やわ。ちょっと着てみよかしら」 どうやら、婦人Bの服を買うのに付き合っている様子。 ちなみ

    • 唇に溺れる

      自転車で遠出をした。 まだ真夏ほどの潔さはない蒼穹を仰ぐと、ふと「ああ、世界って広いんだな」とあたりまえの感慨が浮かんだ。 世界は、とても広くて。 私は、とても小さくて。 ぐん、とペダルに力をこめると、自転車は風を切って進む。 この広い世界で、小さな私と、小さな他の生命が出会うことは奇跡だろう。 そう奇跡、滅多にない、ものすごく低い確率……の、はず。 なのに、なぜ。 こうも頻繁に、私のリップグロスで羽虫が溺れ死ぬのか。 やめろよ。こんな広いんだから、もっと他の死に場所あ

      • 揺れて揺られて南海電車

        まだコロナのコの字も聞こえてなかった時期の、春浅いある日。 神戸方面に所用があって、私は電車に乗っていました。 休日の南海線は思ったより混雑していて、短い前足…いえ腕を伸ばして吊革を持ち、車両の中ほどに立つことに。 私の目の前に座っているのは、今風のあっさり顔のお兄さん。フィギュアスケートの羽生くんを田舎風に煮しめて少し拡大コピーしたような、高身長でスラリとした純朴そうなイケメンです。 しかし惜しいことに、メガネかけてない… 惜しい。実に惜しい。 4回転ジャンプでわずかに両

        • 夜の底、天空の穴

          確か、小学生になって間もなくのこと。 夜空の満月をはるかに仰いだ時、幼い私の頭に、ふと「ある考え」が浮かんだ。 あれは、夜空に浮かんだお月様だと言うけれど、ほんとにそうなのかな? 自分の目で確かめたわけじゃないから、実はちがうのかもしれない。 もしかしたらあれは…ずうっと高いところに開いた穴なんじゃないの? ほんとは、この世界は壺の内側のようなカタチをしていて、お月様と思っているあれは、はるか上に見えている壺の口で。 私たちは壺の底に住んでいて、仰ぎ見る壺の口から射す光をお

          ご飯を冷凍する前に肩にのせてみたら予想外の一石二鳥だった話

          深夜3時。 草木も爆睡している時のことです。 仕事を終えた私、もうボロボロでした。 他人が見たら、機織り直後の鶴か遡上後の鮭のようだと思ったことでしょう。 しかし、腐っても(意味深)主婦。 「パトラッシュ、僕もう疲れたんだ…何だかとっても眠いんだ…」と、目を閉じるわけにはいきません。 明朝のご飯のため炊飯器をセットしなければ。 キッチンに行き炊飯器をあけると、茶碗2杯分ほどのご飯がまだ残っていました。 しゃもじで取り出して、ラップに包んで、平たくして。 でもまだ熱々のご飯、

          ご飯を冷凍する前に肩にのせてみたら予想外の一石二鳥だった話

          花見の思い出(うちの子、視野欠損したってばよ)

          お花見の季節になると、思い出すことがある。 あれはもう十年以上前の出来事。 毎年恒例となっていた、K市での花見オフ会に参加するために私は家を空けていた。 当時の私はストレスの塊みたいなもので、温かく迎えてくれるK市の友人たちに会うのが楽しみで楽しみで。 花見前日に前ノリして、友人2人とともに滝と渓流で有名な観光地へピクニックに出かけ、山を登り始めた時――。 携帯電話が鳴った。 目の調子が悪いと近所の眼科医院に行っていた息子(当時十代後半)が、大きな病院で検査をすることになっ

          花見の思い出(うちの子、視野欠損したってばよ)

          自己肯定感と事実認識の話

          「自己肯定感が高くなければ成功しない」という話に、疑問を持っている。 というか、自己肯定感という言葉をなんだか誤解している人に対して。 例えば。 私が「パートナーがいたらいいなと思うようになったけど、私のスペックだとなかなか難しいよね」と言ったら。 脊髄反射で 「そんなこと言っちゃダメだよ!もっと自己肯定感を高く持たないと。私のスペックが~なんて言ってたら、幸せが逃げちゃうよ!」 と力説してくる人がいる。 マジでいる。 私は思うのだ。 「節子、それ自己肯定感ちゃう、脳内

          自己肯定感と事実認識の話

          高難度クエスト!パーティードレスを探せ!!

          先日、友人の結婚式&披露宴がありまして。 今どき主流の会費制ウェディングパーティじゃなく、立派な式場の本格的なやつ。 で、困ったのが「なに着て行こう…」ですよ。 二次会にも行くので、着物じゃ動きづらいし、かと言ってドレスなんて持ってないし。 ここんとこ、コンビニ以外開いてない時間帯しか自由がないので、なかなか買いにも行けなくて。 ギリギリ前日になってから、何とか時間をつくって服を買いに行きました。 以下、イイ歳のBBAが迷って迷って服を買ったという、ものっそいどうでもいい話

          高難度クエスト!パーティードレスを探せ!!

          インキ臭い男

          16歳になってすぐ、アルバイトを始めた。 家の近くにあった、パンとケーキと喫茶の店。今風に言うなら、カフェベーカリーと言ったところ。 商品を出す時に、たまたま手が空いていたのでマジックでPOPを書いたら、よく売れるようになった。 その後、オーナーに言われて店のPOPと値札を書くのは私の仕事になった。 当時は、POPの書き方を教えてくれる講座もなく、本ですらほぼ皆無で書ける人が少なかったので、「便利なバイトの子」として重宝された。 オーナーづてに、常連さんのお店のものを頼まれる