20240117初:重度障碍者の介護

 生活は無意識化する。
 自動的に体は、安定した流れに沿うように、動いていく。
 だから、自分の生活を細かく説明しろと言われると、なかなか難しい。
 僕は今、重度障碍者の家に居る。
 そして、
 「あれ、チャックをあげるのってどうやってやるんだっけ」
 と、数秒間停止していた。

 人のプライバシーにここまで侵入する仕事はあるのだろうか?
 おそらくないだろう。
 家族以上に時間をともに過ごす。
 自宅から、職場から、その人の生活にどっぷりつかる。
 これは、誰の時間なのだろうという感覚。
 自分は黒子。その人の、手となり足となる。
 本当に不思議な体験だった。

 けど、嫌な気はしない。
 その人の力になるのであれば、その人が生きやすくなるのであれば。
 
 長い時間1日を共にした。
 最後らへんには、障碍者ではなく、人として話していた。
 
 僕は、福祉の業界に入って、日が浅いけれど。
 自分が、福祉をやっているという感覚は、あまりない。
 それは、いいのか悪いのか分からないけれど。
 
 夜に道を歩いていると、遠くの方に女性の人影が。
 目をそらさずに、じっと見てみると。
 ただのゴミ袋の集合体。
 
 僕のイメージは、だいたいそんな感じ。
 必要以上に、怖がっているだけ。
 体験すれば、そんなもんか。
 
 そんなもんなんだとおもう。
 
 

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