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銀河フェニックス物語

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舞台は宇宙。恋あり、笑いあり、アクションありのハードボイルド小説「銀河フェニックス物語」の連載マガジンです。最新話をすぐ読めます。
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銀河フェニックス物語 総目次

イラスト付き縦スク小説『銀河フェニックス物語』の内容が一目でわかる目次を作ってみました。…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(30)量産型ひまわりの七日間

**   俺はアレックの部屋でじっと気配を消してた。  アーサーは俺が撮影した座標の画像…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(29)量産型ひまわりの七日間

**  アレック艦長の前にレイターを突き出し、動画を再生する。腕から通信機を外す時間もも…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(28)量産型ひまわりの七日間

 天才も大変だということを俺は初めて知った。あいつはすべての物事を記憶する。それは便利な…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(27)量産型ひまわりの七日間

** 「中継地点宙域の管制下に入ります。あと二時間で本艦は着陸します」  艦内放送を聞き…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(26)量産型ひまわりの七日間

 棺に入れられたグリロット中尉は眠っているようだった。格納庫脇の断熱されていない空間に天…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(24)量産型ひまわりの七日間

**  緊急の艦内放送に耳を疑った。 「グリロット中尉、逃走中。レイターを人質に取っている」  何が起きた? 考えるよりも早く僕は走りだした。中尉の目的はわかっている。ひまわりだ。 * 「アーサー、あんた、あのひまわり、咲けねぇって知ってたか?」  宇宙船お宅のレイターはV五型機を鋭い観察眼で見ていた。 「咲けない? どういう意味だ」 「機体の先端に、黄色いひまわり型のバリアがでる送出口があるだろ。あそこが改造されてんだよ。カバーの感じからして、多分、コネクトケーブルが

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(23)量産型ひまわりの七日間

**  料理長のザブの許可をもらって、トウモロコシを食糧庫から持ってきた。皮のままグリル…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(22)量産型ひまわりの七日間

** 「坊ちゃん大丈夫ですか?」  馬乗りになったバルダン軍曹が僕を見ている。 「僕は殺…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(21)量産型ひまわりの七日間

 拘束室へと戻る帰りの廊下で、自分は驚くべきことを目撃した。  この戦艦に幼い子どもが乗…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(20)量産型ひまわりの七日間

**  さて、どうしたものか。捕虜の身ながらトレーニングルームへの出入りを許可され、部屋…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(19)量産型ひまわりの七日間

 フチチ大空襲は客観的に見れば虐殺だが、アリオロンからすれば成功した作戦だ。参加したグリ…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(18)量産型ひまわりの七日間

**  毛布にくるまったまま、レイターが僕を上目遣いに見つめた。眼から怯えの色は消失して…

銀河フェニックス物語<少年編> 第十五話(17)量産型ひまわりの七日間

「……何でそんなこと思うんだ?」  絞り出すようにたずねると、アーサーは眉間に皺を寄せて黙った。天才でも言葉にするのが難しいことがあるんだ。とぼんやり考える。  あいつはポツリと呟くように言葉を放った。 「殺気だ。あの瞬間に感じた」   そいつは、ダグとカレット爺さんに叱られる。俺は反射的に肩をすくめた。 「アサシン失格だな」 「本気で副長を殺す気だったのか?」 「……」  いつもなら嘘がスラスラ出てくるのに、釘で打ち付けられたみたいに脳みそが働かない。 「お前、昨晩『赤い