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Creative management

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「正解の見えない時代」「AIが多くの仕事を担う時代」ライフスタイルやビジネスにアート×デザイン思考を取り入れることが注目を浴びています。ロジカル思考>デザイン思考>アート思考を横…
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2019年12月の記事一覧

【アート思考=物語の時代】

私はアート思考を<物語の時代>と定義しました。 モノの時代は生産性を重視し、合理性と調査、研究の時代でした。そして、時代はコトの時代になり物質至上主義から消費者のニーズに対応した経験的付加価値をモノの上に乗せた商品やサービスで大量に生産されたモノとの差別化が生まれます。そして、次の段階ではモノガタリの時代が来るのではないかと考えます。  物語とはコトの集積であり、コトの組み合わせを自分の中で繰り返し思考しながら創発されるものです。アート思考セミナーの中で数枚の写真から連想する

本質的価値への問い、アート思考と人間の本質。

戦後日本は高度成長を経て豊かな社会を手に入れた。その事自体悪い事ではないし、私達はその恩恵に預かり不自由のない生活を営んでいる。 一方で、この歪みは何か? と気が付き始めている。 今まで良しとされてきたモノ、コトへの疑問が生まれ始める。 本質とはなんだろう? は、人間とはなんだろ?に行き着く。芸術家は長い歴史に渡り、その問いかけを続けてきたのではないだろうか? 作品は「私が生きている証」に他ならず生きることイコール作品を生み出す事。だからこそ芸術家の生

【アート思考セミナーを始めた理由】

今年の4月からはじめたストリートアカデミーで開催しているアート×デザイン思考セミナーの<受けたい>登録が500を超えました。 大学では講義をしていたものの、一般向けにセミナーを開催して人が来るのだろうか?と思っていたのですが、昨年の京都造形芸術大学の非常勤講師として「縄文からAIまでの芸術進化論」の中で考察したり、ゲスト講師から学んだ事から独自のアート思考に対する持論を持ち、はじめたところ時代のニーズとも合致していることから500人を超える受講希望者を達成したのだと思います。

【社員研修でアート×デザイン思考セミナー】

創造的な組織を作るアート思考を活用したワークショップは単にクリエイティビティーを高めるだけでなく、社内のエンゲージメントを高めるツールとして活用できます。すでに、日本ロレアル様、日本通運様、グッドパッチ様、オカモト様など様々な業種の企業研修実績があります。 偏見や既成概念を外しスタッフそれぞれのパーソナリティーを共有することから自己肯定感と会議の場に心理的安全性が生まれ、発言しなかった人から積極的に意見が出る、会議の空気がポジティブな雰囲気に変わるなど、セミナー後も社内の環境

【天才の秘密 アスペルガー症候群と芸術的独創性】

歴史上の自閉スペクトラム症の人物について研究しているマイケル・フィッツジェラルド博士の本。アスペルガー症候群的な要素は、程度の差こそあれ誰にでもあると思いますが、歴史的な芸術家やイノベーションを起こす人には特に顕著な傾向があるとこの本には書かれています。 私自身、左右盲であったり、普通に人ができることができずに悩んだ時があります。その頃、自分勝手な疎外感から社会や大人を憎んで自分以外を否定することでアイデンティティーを保っていました。高校時代から大学までの間が異常ともいえる

【縄文からAIまでのアート思考】

今期の京都造形芸術大学の「縄文からAIまでのアート思考」の講義は終了しました。昨年に続き、客観性と主観性、言ってみれば左脳と右脳を行き来しながらアートについて感じ、考える事をテーマにしてきました。 教えると言うよりは、美術史、テクノロジー、考古学、社会学、臨床美術、地域創生、マーケティングなど様々な視点から経験や知識をシェアして個々が自分なりに結び付け理解していく事が目的なので学説的な論理体系はありません。自分自身の中に答えや気付きがある。 そのものであり、それこそが学んだ

アート思考×臨床美術

京都造形芸術大学の「縄文からAIまでのアート思考」で臨床美術のワークショップを行いました。 ゲスト講師は臨床美術士の高木さん。 臨床美術はもともと認知症の改善を目的に生まれました。表現をする事で自己肯定感が高まっていきます。実際、認知症を患い無気力で抜け殻の様になったいた方が受講後にはシャキッとして背筋を伸ばして「ありがとう」と言って握手をして帰って行ったこともあるそうです。 何を描くでもなく、描かされているわけでもない。色が生まれていく感触や行為自体に集中して描いている