スライド36

【アート思考=物語の時代】

私はアート思考を<物語の時代>と定義しました。
モノの時代は生産性を重視し、合理性と調査、研究の時代でした。そして、時代はコトの時代になり物質至上主義から消費者のニーズに対応した経験的付加価値をモノの上に乗せた商品やサービスで大量に生産されたモノとの差別化が生まれます。そして、次の段階ではモノガタリの時代が来るのではないかと考えます。
 物語とはコトの集積であり、コトの組み合わせを自分の中で繰り返し思考しながら創発されるものです。アート思考セミナーの中で数枚の写真から連想する物語を作るワークショップをおこなっていますが、受講生の創造性には目をみはるものがあります。通常であれば、物語の結末はあらかじめ決められていますが、数枚の写真をヒントに自らその結末を想像(妄想)して物語を創るワークショップのなかでコトを繋ぎ合わせ物語を創ります。これはビジネスでも、日常でも予定を立てる時に行っている事でもあります。どこかに行く時、事前にこうしておこう、きっとこれが必要だろう、、未来に起こる事をイメージして計画を立てることはよくあります。
ただし、目的と最良な結果を生むための最適化を想定する行為であって夢や希望のような世界はファンタジーだったり、妄想だったりするわけですが、実は創造性はまさにこれにあたるもので自分の本質的な経験や感動をつなぎ合わせて新しい物語を創る、そこに価値が生まれるということです。これがその人の個性であって、物語は自己の内的要因と社会の接点になります。AIが多くの作業を請け負う時代で、様々な要素(感動や経験)をつなぎ合わせ自分だけの物語を語る事が人とAIの差別化要素になってきます。イノベーションを0から1という表現をされる事がありますが、私が思うに

1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1=新しい1

なのではないかと思っています。
個人個人の経験である1が個別にあって、それを独自に組み合わせて新しいモノガタリ=価値が生まれるのです。

創造性を生むには
1、多くの経験的な引き出しを持つ
・他人よりも多くの経験や感動の引き出しがある
・自らの経験をどれだけ思慮深く引き出しに収めているか

2、経験を自由に結びつける
・妄想(思考の多様性)できる思考の余裕を作る
・既成概念やバイアスを外し自由にコトを結びつける。

3、アウトプットする
・物語を受け入れやすい環境を作る(心理的安全性)
・物語を情熱を持って伝える(共有)

「創造性というのはものごとを結びつけることにすぎない」
(スティーブ・ジョブズ)

「空想とは創造の始まりである。自分が望むものを空想し、次にそれを望み、そして最後にそれを創造する」
(ジョージ・バーナード・ショー)

「クリエイティブな人は繋がりを見つけるのがうまい。繋がりを見つけることでクリエイティビティーは高められる」 
(ドルテ・ニールセン「クリエイティブ思考ワークブック」著者)

「組み合わせから生まれるこの劇が、生産的な思考の本質的な特徴。
(アインシュタイン)

日本人ははたしてこの妄想(創造力)に長けているんでしょうか?
世界経済フォーラムの調査によると、2020年に必要とされるスキル
1、複雑な問題解決力(Complex Problem Solving)
2、クリティカルシンキング(Critical Thinking)
3、創造力(Creativity)としており、
2015年時点で「創造力」は10番目に必要なビジネススキルだったにもかかわらず、2020年では第3位に急上昇しています。
アドビのアンケート調査で「自分のことをクリエイティブだと思う」と回答した人の割合が、40%を越えた欧米諸国に対して、日本は8%しかいなかったそうで、世界的に見ても最下位だったそうです。これは、日本人が創造的ではないと言っているのではなく、創造性を表現できる環境が許されてこなかっただけの話で、実際は日常でも創造的な思考は使っているのです。ただ、学校や組織がそれを許容してこなかったために使いこなせていないだけです。創造性からイノベーションを起こすにはアウトプットする環境に心理的安全性も担保できていなければ、世界を変えるようなイノベーションも社会に実装される事なく埋もれてしまいます。まずは、自分自身の経験的な引き出しを意識する事、そして、既成概念やバイアスを外して自由に創造する時間を作る。あとはアウトプットする環境があればイノベーションが生まれる確率は格段に上がるはずです。


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