VLOGを始めるきっかけをくれた人
わたしは癌の闘病に関する情報を集めるためにTwitterを始めたのではなかった。
自分の知見を広げ、このまま生きて死んだら知ることのなかった世界を覗きたくて、繋がるきっかけが欲しくて始めた。
だから癌患者であろうがなかろうが、ウェルカムだった。
ある時、noteを見ましたと、Twitterにコメントが入った。
『感銘しました。やりたいことって何がありますか?』
Twitter上であまりそうした質問をされることってないから、ちょっとドキドキしながら、ちゃんと返さなきゃと思ってよく考えた。
「罹患後ようやく大きく前に進みたいと思い始めた所でまだ漠然としていますが
①今までにやったことのない(そのまま生きていたら関わることがなかったかもしれない)楽しいコト(ヒト)を経験したい
②その様子を家族はじめ大切な人に文章なり映像なりで残しておきたい」
こう返した。
『支援します。是非楽しく笑って今後も甘い物食べてください。そして大切な犬の為に笑って過ごしてください』
そう書いてあった。noteのサポート機能を使って、お金を送ってくれるってことみたいだった。
だけどこの文章には続きがあって、
『クレカを車に置きっ放しなんでw落ち着いた時間に支援します^^』
あはは、これ忘れるやつやーーん!と思って、この瞬間の気持ちは嬉しいよ、ありがとうございまーす!という軽い気持ちで受け止めた。
この病気になって、人の約束はいつも守ってもらえるわけではないことを重々理解した。
癌の告知を受けた直後にわたしは急激に悪化し、緊急入院、緊急手術(癌を取り除く前向きな手術ではない)、1ヶ月に渡る入院となった。
長くない雰囲気だったから、これまで関わってくれたお礼を伝えたかった友人や職場の人何人かに連絡をした。
ほとんどの人は駆けつけてくれた。だけど結局音沙汰なかった人も0ではなかった。
「そんな…絶対会いに行くね!」「元気になって絶対ご飯行くぞ」
メッセージを見た瞬間はすごく嬉しくて、ありがとうって気持ちでいっぱいになって嬉し泣きもした。その分、音沙汰なくしばらく経った後、あれ何だったんだろうって、やっぱり多少傷ついた。
人間友人の「死」がチラついても、そのうちと思ったり躊躇ったりするのだから、赤の他人が「サポートしてあげよう!」って思っても数日後には忘れていたなんて、当たり前のことなのだ。それで傷つく資格はないし、その気持ちだけでも嬉しいものだと思えるようになっていた。
だから数日後、本当にサポートされていた時は正直びっくりした。
車に大事なクレカを置いてきちゃうようなうっかりさんが(失礼)赤の他人のわたしにお金を送るということを忘れないでいてくれるなんて…
ドウシテ。。。
とりあえず、サポートしてもらったからには、使い道を考えよう。
「甘いものを食べて、大切な犬のために笑って過ごして」そう書いてあった。
わたしの新しい世界、開くにはどうしたらいいかな。
わたしは入院した際、もうすぐ死ぬんだと思っていたから、割とすぐ家族や友人に向けてブログを書き始めた。
それぞれとの思い出、嬉しかったこと、謝りたかったこと、伝えておきたいこと
手紙でよかったんだけど、死んじゃった後に親が配るのが大変だと思ったから。URL共有するだけの方が負担にならないからと思って。
だけど、ブログには文章の良さがあり、写真には切り取ったからこそ際立つ瞬間があるけど、視界にあった動きだったり、声の温度感やその時に耳にした音などが残る映像を残したい…そんな風に思っていた矢先に受けたサポートだった。
その方はドローンで空撮をされる方だった。それはそれは美しい山合い、駆け抜ける道、滝から落ちる透き通った水、美しい夕日。まさに壮大な自然。
わたしはVLOGを始めることを決めた。
家族や友達に、こんな日常を送ってたんだなってわたしの目線と同じ景色で知ってもらえる。
壮大な空撮には比にもならない、とっても拙い動画だけど、逆になんでもない日常が、寝たきりの同病者のこんなこともあったなに繋がったら尚更幸せだと思って。
冒頭の、『やりたいことって何がありますか?』
「家族はじめ大切な人に映像で残しておきたい」
実現させてくれて、背中を押してくれて、ありがとうございます。
サポートしてくれたのがあなただったから、わたしはVLOGを始められました。
ここからわたしに見える世界は、サポートでいただいた機材(ちゃんとした自撮り棒!)で、形に残していきますね。
▽桃とぷーちゃんのおさんぽVLOG(注:ゆるゆるのかたまり)https://youtu.be/XS7tjw_N_-w