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わりとよくビールを呑みます。noteは記憶と思考の置き場所。 日本地ビール協会認定ビア…

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わりとよくビールを呑みます。noteは記憶と思考の置き場所。 日本地ビール協会認定ビアテイスター、JBJAビアジャーナリストアカデミー修了。

最近の記事

「クラフトビールで地域振興」の落とし穴

日本経済新聞にクラフトビールについての記事がありました。 Wikipediaによりますと「信用金庫」について以下のように説明されています。 "地域社会の発展に寄与"というミッションを持った組織であるところの信用金庫の職員の方々が地元の産品をプロモートし、これを復元料としたクラフトビールを造り出す。素敵な取り組みだと思う一方で直感的に嫌な予感がしたのも事実でありまして、今回はこのネタを掘ってみたいと思います。 本稿に於ける副原料ビール純粋令に準拠して考えればビールの原材料

    • 噂のChatGPTにクラフトビールについて聞く

      何かと話題のAIチャットボット、ChatGPT。noteも同技術を使った創作支援ツールをアナウンスしています。今のところ、検索結果を自然言語に極めて近い形で返してくるもの、といった程度の印象です。今後いかなる展開を見せるのか、活かすも殺すも活かされるも殺されるも人次第というところなのでしょう。 さて、そんなAI様にクラフトビールについて教えを請うてみよう!というのが本稿。クラフトビールのChatGPTに簡単な英文で質問を入力し、得られた英文の回答をDeepLで和訳する方法をと

      • Year In Beer 2022

        新年一発目はUntappdの統計ネタ、Year In Beer 2022を確認してみましょう。まずはUntappd全体のデータから見てみます。 120M check-ins 1.9M beer lovers 160.8M toasts グローバルで最多チェックインを集めたスタイルはIPA - American、ひところはIPA疲れなる言葉も囁かれましたが、その人気は衰えず。驚くべきことにTop5のうち4種がTree House Brewing!唯一割って入ったのはThe

        • Brewmaster:ビール醸造シミュレーター

          日本では少々ハードルが高いホームブリューイング。機材や素材を集めるのも一苦労ですし時間も手間暇もかかるもの。それでもトライしてみたい気持はありますが、とりあえずゲームでバーチャルトレーニングというのはアリかもしれません。 Brewmaster:Beer Brewing Simulator"最も重要な素材はパッション"、いいですね。ゲームでは醸造所をセットアップ、レシピを作ってビール醸造、さらにラベルデザインなども楽しめるようです。ホームブリューといえばアメリカ、と先入観があ

        「クラフトビールで地域振興」の落とし穴

          「正気のサタン」に思う四方山話

          どえらいお久し振りのnoteになってしまいました。さて、みんな大好きヤッホーブルーイングが8月初に販売開始し話題になっている"正気のサタン”。今回はこの一本をマクラに少し展開してみます。 「醸造系クラフトドリンク」商品開発から発売に至るまでの裏側は、公式サイトにド長文がしたためられています。 "ビールテイスト飲料"であることは積極的に避け、ビール屋さんが造る低アルコール商品というコンセプトからスタート。醸造後にアルコールを抜く、ビール風のテイストに調合する、のではなく醸造

          「正気のサタン」に思う四方山話

          フードロスとクラフトビール、一抹の不安

          食品ロス削減推進法なる法律も施行され、何かと五月蝿い話題のSDGsの目標12に包含されるフードロス問題。地球的課題であるところに異論はありませんし、様々な取り組みが行われている点は興味の対象でもあります。そのひとつとして「賞味期限が近い食品をお得に購入しよう」的広告が目に入りまして、思うところがありましたので久々に記事化しておきます。 当該広告を出稿している企業は、フードロス削減を目指す生産者から商品提供を受けこれを消費者に販売するECサイト的なビジネスモデルを展開している

          フードロスとクラフトビール、一抹の不安

          クラフトビールの値上げ要因を考える

          クラフトビールの値上げに関する記事が2本、立て続けに目に飛び込んできました。 いずれも共通して、原材料や資材の価格上昇、またエネルギー価格上昇や人手不足を含む輸送コストの上昇を指摘しています。生活に密着したところだと、電気料金の引き上げやガソリン価格の高騰などがニュースを賑わせました。うまい棒が10円から12円へ20%値上げに踏み切ったことも話題になりましたね。 リンク先では直接的に触れていませんが、上記の論点と同等以上に影響が大きそうなのが為替レート、具体的には円安を考え

          クラフトビールの値上げ要因を考える

          Year In Beer 2021

          あ、あけましておめでとうございます…(遅) 年末の記事で予告していたUntappdのstatsネタ、遅まきながらまとめてみたいと思います。ほぼ自分用メモ。では早速。 1715 Check-Ins 1日平均およそ4.7チェックイン。チェックイン数≒飲んだ数のはずですので、ビールだけで4〜5杯は飲んでいた計算になります。他のお酒はほとんど飲みませんがそれにしたって我ながら飲み過ぎ。ちなみに2021年はトータル1592チェックインでしたので約7.7%増。また、2021年を通じたレ

          Year In Beer 2021

          Top Rated Beers 2021

          先日のグラスの記事がなぜか「今日の注目記事」に追加され、それまでの記事とは文字通り桁違いのビューを叩き出していて有り難くも少々ビビっております。 さて、2021年も残りわずかとなりました。今年のUntappdの記録およそ1700チェックインの中から、高レーティングを付けたビールを振り返っていこうと思います。 Peanut Butter Milk Stout(Belching Beaver Brewery,US)私のUntappdの運用は基本的にはレーティング最大4.5、新

          Top Rated Beers 2021

          お気に入りを探してみよう:ビアグラスコレクション

          まずはCRAFT DRINKSの以下の記事をご参照ください。 もしあなたが店飲み主体でビールを楽しんでいるのであれば、ご自身のカメラロールを見渡して「あぁ、確かに」と思うところがあったのではないでしょうか。CRAFT DRINKSでは以下のように指摘しています。 身に覚えがありまくります。城端麦酒のグレートブルーのような余程の特徴がない限り、グラスに注がれたビールの写真から銘柄を特定するのは非常に難しいというかほぼ不可能ではないでしょうか。 という導入からふわっと方向転

          お気に入りを探してみよう:ビアグラスコレクション

          "その"価値のあるビールが"そこ"にあった

          みなさん、こんにちは。おはようございます。もしくは、こんばんは。 ビールファンの聖地、広島にありますビールスタンド重富。先日やっと訪れることができました。残念ながらご本人はいらっしゃいませんでしたが、聞きしに勝る衝撃のビール体験でしたので記録しておきたいと思います。 写真のキャプションはビールスタンド重富ウェブサイトの基本情報ないしekie店のメニュー表からの引用です。 マイルドつぎ店頭では「ホップ以外の成分を凝縮」と説明されていました。飲み口は実に軽やか、炭酸は極めて繊

          "その"価値のあるビールが"そこ"にあった

          Köln/Cologne #kc2021

          「ケルンコロン」と読みます。東京の山手線でいう左上のあたりで行われているイベントです。11月21日まで開催中。ブルワリー4箇所でケルシュを飲み歩いて特製シュタンゲをもらっちゃおう!というものです。ケルシュにフォーカスしたイベントって珍しいんじゃないでしょうか。 先日、筆者も飲み歩いてきましたので、モデルコースというほどではないですがざっとご紹介します。ビールの写真は各ブルワリー公式Instagramから。スペックは公式SNSないしWeb、およびUntappdから取っています

          Köln/Cologne #kc2021

          コロナで変わるお酒の習慣

          といった趣旨の記事がお馴染みHop Cultureにありました。 新型コロナで変わった飲酒習慣5選、とでもいったところでしょうか。挙げられていたのは以下の5項目。 1. People Drank Less Beer Overall 2. And Yet People Drank More Beer! 3. People Tried New Drinks 4. Breweries Took a Dive 5. Hard Seltzer Rose, Then Fell…Har

          コロナで変わるお酒の習慣

          【海外ビール探訪】ハワイ編

          過去に海外で出会ったビール情報を不定期にお届けするシリーズ。せっかくふらふら飲み歩いてきたコンテンツ化していってます。今回はハワイ、オアフ島を旅します。 Maui Brewing Co. Waikikiまずはここから。カラカウア通りのド真ん中にある、日本でもお馴染みマウイブリューイングの直営店ですね。広々としたテラス席を含むかなりの大箱。36あるタップには自前のビールを中心にいくつかゲストビールが繋がり、最近じゃ自前のセルツァーも提供しているようですね。 訪問時に飲んだB

          【海外ビール探訪】ハワイ編

          グラウラー文化はもっと広まってほしい

          Growler、グラウラー、グロウラーとも。要はビールを詰められるマイボトル。昨年の料飲店等期限付酒類小売業免許をきっかけにビールファンに一気に広まった感があります。同免許はすでに期限切れになっていますが、最近はグラウラーでビールをテイクアウトできる酒販免許を持つお店もかなり増えました。ということで今回はグラウラー推しビールファンによるグラウラーにまつわるお話です。 お酒の量り売りの歴史月桂冠のウェブサイトによると、国内のお酒の量り売りは貨幣経済が普及した12世紀頃から行わ

          グラウラー文化はもっと広まってほしい

          【ビールの本棚】つなぐビール

          ビールファンにはお馴染みもお馴染みなベアレン醸造所。傑作「クラシック」をはじめとしてドイツ式の作品を生み出す、岩手県は盛岡のブルワリーです。そのベアレン醸造所の専務取締役嶌田洋一氏が創業以来の秘話を語るのが本書。 公式webサイトによればベアレン醸造所の設立は2001年。日本のクラフトビール史を振り返れば、1994年の税制改正に端を発した地ビールブームが下火になりブルワリーの廃業も多く見られた逆風の時期に当たります。そんな中でいかにして醸造所が立ち上がり、いかにして地元の人

          【ビールの本棚】つなぐビール