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怪談界における島田秀平の役割

ヘラヘラ話すな、ネットから話を拾ってくるな、芸人崩れ。
そのように散々の言われようをされる怪談の語り手がいる。
その名も島田秀平
お笑いコンビ、号泣で活動していたが2007年解散。
現在、ピンで活動し占い、都市伝説、怪談などを扱っている。
島田秀平氏の手相占いは有名で、手相ブームを巻き起こした。

そんな島田秀平氏だが、彼は怪談界またオカルト界において重要な役割を担っている。
その役割とはスピーカーと言えばよいだろうか。
怪談を怪談界、オカルト界以外の多方他方へとばらまく役割を担っているのである。
島田氏は現在、youtubeで『島田秀平のお怪談巡り』というチャンネルを構え精力的に活動をしている。


このチャンネルは、ただ島田氏の怪談が聴けるだけではなく、様々なジャンルの人々が自分の持っている怪談を話に来るというコラボ企画を多く行っている。
芸人、youtuber、怪談師、オカルト芸人、ミュージシャン、ねば~る君。
様々なジャンルの人間が恐ろしい話を披露する。
テレビでオカルト、特に怪談が扱いにくくなった今では怪談というものを聴く機会を失った。ましてや怪談師以外の人々の話を聴くというのもなくなっていた。また、怪談師の存在が知られることも少なくなっていた。
これを補ったのが怪談師、島田秀平である。
普段は笑いをとる芸人が語る、音楽で感動させるミュージシャンが語る、そのような良い意味でのギャップが起こることによって視聴者は恐怖しファンは怪談に興味を持つ、怪談は多方他方へと伝染していくのである。
怪談というのは息を吹き返すことになった。
様々なところに怪談が伝染することによって人々が自分の恐怖体験を思い出し、様々な怪談が記憶から甦る。
また、そのような怪談を島田氏のチャンネルに書き込めば視聴者のコメント怪談として読んでくれるのである。
視聴者も巻き込んだ怪談の再興である。
怪談師の存在を広める役割をしたのも島田氏である。
前までは知られることのなかった有名怪談師が知られていき、その怪談師に興味を持てばチャンネルや出演している動画をチェックすることができる。
そうすれば怪談という沼に引きずりこむことができる。
島田氏はそういう役割を担っている。

最後に怪談師としての島田氏を評価する。
まず島田氏はヘラヘラ話すなとよく言われるが、島田氏は緩急のとれた恐怖を与える怪談師といえるだろう。
ヘラヘラぽく話すことによって相手の心理に緩みをあたえ終盤に行くにつれ恐怖を加速させ、それを緩みへとぶつけていく。
島田氏の怪談というのは、そういうものが多い。
ネットから拾ってくるなとも言われる、これは正直、私も否定ができない。
ネットに似た怪談を多く確認できるからだ。
ただし私は批判したいのではなくネット怪談を島田氏が広めたことに敬服の思いがあるのである。今や映画、テレビ、youtubeでも2chの怪談(きさらぎ駅、犬鳴村、八尺様など)が扱われるようになってきたが、島田氏が話した当初というのは、明らかにネットとテレビの世界というのは交わるものではない断絶されたようなものだった。ネットはアンダーグラウンド的な扱いであった。そんな中、島田氏はネット怪談というものをネット民以外へと広めたといえよう。
そして島田氏に対する批判で最も多いのが芸人崩れ、芸人として面白くないという意見である。これに対して思うのが、島田秀平は明らかに芸人として面白い。ラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』における生粋のオカルト嫌い、有吉弘行氏との掛け合いは爆笑ものである。それもまた怪談師として広く知られているので、島田氏が意図的に作り出した緩みであろうか。








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