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私の好きなカバーソング(58) 「You Don't Know What Love Is(あなたは恋を知らない)」その1、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイビス、ビリー・ホリディ、マル・ウォルドロン
この曲はジャズレジェンドたちがこぞって取り上げます。名演や定番ばかりで選ぶのに苦労したので2回に分けて紹介します。 曲は1941年頃映画音楽として作られ、その後多くのミュージシャンに取り上げられ、スタンダードになってます。 インストルメンタル作品が多いですが、歌詞は叶えられない恋に落ちたり、失恋して落ちこんだり、眠れない夜を何度も過ごすまでは、あなたは恋のことをわかっていないという意味のようです。 曲紹介を兼ね、まずはジョンコルトレーンです。アルバム「バラード」(1961
私の好きなカバーソング(57)「Sometimes It Snows In April」プリンス、ディアンジェロ、コールドプレイ
4月21日はプリンスの命日です。天に召されて8年経ちます。 私が暮らす北海道では温暖化で昔より減ったけど4月になっても雪が降る日があります。季節は春なのに気温が低く雪が降りそうな気配を感じるとき、頭の中をこの曲が静かに流れて厳かな気持ちになります。 この曲はプリンスが1986年に製作し主演した映画「アンダーザチェリームーン」のサントラ盤「パレード」のラスト曲です。映画を見てないのでどういう場面で使われたのかわかりません。映画自体は興行的に大コケだったようですが、このアルバムは
私の好きなカバーソング(56)「Love…Thy Will Be Done」Martika(マルティカ)、プリンス、松田聖子
この曲はプリンスと米国のシンガー、マルティカの共作で、マルティカのアルバム「Martika's Kitchen」(1991) に収録されてます。マルティカが書き留めてあった詞(祈りの言葉)を見たプリンスが感動して、曲をつけて提供したということです。いかにもプリンス作のバラードで、美しいとしか形容できないメロディです。 タイトルの「Love…Thy Will Be Done」は「御心があるように」とか「御心のままに」と訳されていて宗教的な意味合いです。歌詞も主を讃え、その愛に感
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私の好きなカバーソング(54) 「Mona Lisas and Mad Hatters」エルトン・ジョン、ハート、ザ・キラーズ、ルーマー
エルトンジョン初期のアルバム「ホンキーシャトウ」(1972)の後半に登場する宝石のような曲です。このアルバムにはロケットマンやホンキーキャットなどヒット曲もありますが自分はこの曲を強く推します。 作曲エルトン、作詞バーニートーピンの名コンビです。エルトンジョンしか作れないと思わせる繊細なメロディーに若きエルトンの瑞々しいボーカルとピアノが光ります。 歌詞はニューヨークという大都会で暮らす生きづらさがテーマで、モナリザは笑わない女性、マッドハッターはドラッグの売人を指すというこ
私の好きなカバーソング(53)「バッハと鉄人ジャズピアニストたち」キース・ジャレット、ジョン・ルイス、ブラッド・メルドー
カバーとはちがいますが、ジャズピアニストはよくバッハを演奏します。クラシックのように譜面に忠実に演奏するものとアドリブを取り入れジャズのリズムやアレンジで演奏するものがあります。 私がジャズピアニストの最高峰と思っているキースジャレットは前者です。クラシックのアルバムも多く、バッハ作品をいくつも出してます。でもキースがアドリブを封じ譜面に忠実であるのならクラシックの一流演奏家を聴けばいい、ということになるのでキースは短いのをちょっとだけ。 今回のオススメはこちらです。米国の
私の好きなカバーソング(52)「Reach Out I’ll Be There」フォー・トップス、ダイアナ・ロス、ジャクソン5、ザ・スパイダース
学生の頃ダイアナ・ロスさんにハマり聴きまくった時期がありました。きっかけはダイアナ主演の「マホガニー物語」という映画を観たことで、主題歌「マホガニーのテーマ」がそれからしばらく耳に残ってました。 ダイアナロスがシュープリームスを離れ、ソロになってから世に出した多くの曲の中で、自分はこの「Reach Out I’ll Be There」が一番のお気に入りでした。 オリジナルは米国のR&Bコーラスグループ、フォートップスの1966年の大ヒットです。1971年にダイアナロスがカバ
私の好きなカバーソング(51)「Goin’ Home」アルバート・アイラー、アート・ペッパー、ハンク・ジョーンズとチャーリー・ヘイデン、宮沢賢治
原曲はドボルザークの交響曲第9番「新世界より」第2楽章のメロディです。小中学校の音楽の授業で教えられた記憶があります。それぐらい有名な曲です。 ドボルザークの弟子の米国人が詞を作り、このタイトルをつけてます。日本では『家路』というタイトルが有名ですが、同じメロディで別の詞になる『遠き山に日は落ちて』もあります。そしてなんと宮沢賢治が1924年(大正13年、100年前です!)に日本語詞をつけた『種山ヶ原』という作品もあるのです。 「遠き山に日は落ちて」はキャンプファイアの定
私の好きなカバーソング(50)「All I Do(キャンドルにともした恋)」スティービー・ワンダー、タミー・テレル、ジュリアス・ロドリゲス
スティービーワンダーさんのアルバム「Hotter Than July」(1980)からです。 このアルバムは超名曲の「Lately」、「Happy Birthday」を収録してます。 この曲はアルバムの2曲目でサブスクだと単品の曲を聴くのでしょうが、できれば1曲目の始まりから流れで通しで聴くのがお勧めです。理由は1曲目と2曲目のつながり(切り替わり)がしびれるほどカッコいいからです。また1曲目のイントロ前にぶつっ、ぶつっというアナログレコード盤に針を落としたときのようなノイズ
私の好きなカバーソング(49) 「Falling in Love with Love(恋に恋して)」ヘレン・メリル、キース・ジャレット・トリオ、ソニー・ロリンズ
学生時代にジャズ好きの友人が貸してくれたカセットテープでこの曲を知りました。すごい名曲が入ってるんで聴いてみて、と言って渡されたのがこの「ヘレンメリル・ウィズ・クリフォードブラウン」でした。名曲というのは「You’d be so nice to come home to」のことでしたが、この曲もスキです。ヘレンメリルのハスキーボイス、クリフォードブラウンのトランペットが素晴らしくジャケット写真も素敵です。 後年CDを購入、録音が1954年でクインシージョーンズのアレンジと知り
私の好きなカバーソング(48) 「Feel Like Makin’ Love(愛のためいき)」ロバータ・フラック、リー・リトナー、ジョージ・ベンソン
愛のためいき、という邦題がついてますが直訳すると「make love したいわぁ」という身も蓋もない詞の曲です。オリジナルはロバータフラックさんの1974年の同名タイトルのアルバム収録でヒット、翌年にマリーナショウさんがカバーし、これも大ヒットします。 ロバータフラックのオリジナルです。 大ヒット曲だけにカバーがたくさんありますが、フュージョン系のものを2つ紹介。フュージョンはいまスムースジャズというのかな。 フュージョン音楽は当時クロスオーバーとも呼ばれ、ジャズとロック(
私の好きなカバーソング(47)「I'm Not in Love」10cc、アダモとジェーン・バーキン、ダイアナ・クラール、松田聖子
英国のロックバンド10ccの1975年の作品で英米で大ヒットしてます。 "アイラブユーとどうしてもっと言ってくれないの” と結婚8年目の妻に言われたメンバーが、何度も繰り返すとイベント化しことばの価値がなくなると考え、" I'm not in love with you "という言い方を選んだということです。愛してる、と儀式のように繰り返しても意味ないんだよ、という教えでしょうか、実際この2人は長い夫婦関係を続けたようです。奥が深いです。 曲の途中に出てくる印象に残る女性の囁
私の好きなカバーソング(46)「Spring Ain't Here」パット・メセニー、ジョン・ピザレリ、デイヴィー・ムーニー
今回も春モノです。タイトルにspringが入った曲で、忘れてはいけない一曲です。 ジャズギタリストのレジェンド、パット・メセニー率いるパットメセニーグループ1989年のアルバム「レター・フロム・ホーム」収録です。 自分が初めて買ったパットメセニーのアルバムですが、名曲揃いの超名盤で個人的には最高傑作と思います。同じ思いの方も少なくないと思っています。CDの日本語ライナーノーツを松任谷由実さんが書いていて驚いたのも覚えています。 この曲は米国のジャズ・フュージョン・ソウル系テ
私の好きなカバーソング(45)「It Might As Well Be Spring(春の如く)」 アストラッド・ジルベルト、ビル・エバンス、カサンドラ・ウィルソン
全国的には季節は春と思いますが、当地(北海道)はまだ冬で積もった雪が完全に融けるにはまだ3-4週かかりそうです。今回も春を待つ曲です。 この曲は1945年に映画の挿入歌として作られ、まだ春じゃないのに春が来たかのような浮き立つ気持ちを歌っているようです。 春をテーマにした日本の歌もやってくる春への期待や希望を歌う前向きな曲が多いです。童謡の「春よ来い」、キャンディーズの「春一番」とか。 松任谷由実の「春よ、来い」と童謡の「春が来た」はまた別ですが。 自分は北海道で生まれ育ちま
私の好きなカバーソング(44)「ラブミー・テンダー」エルビス・プレスリー、原田知世、カエターノ・ヴェローゾ、RCサクセション
携帯電話が普及する前は職場からポケットベルを渡されました。急ぎの用があると鳴り、近くの電話を探し折り返します。最初は鳴るのが面白かったのですが、24時間持たされるとさすがにウンザリしました。ポケベルも初期は電子音がピーピー鳴るだけでしたが年々高機能化し、液晶画面に短いメッセージが出たり、呼び出し音がメロディになりました。 自分はポケベルの着信メロディにこの曲をずっと使ってました。優しいメロディが好みだったからです。この曲といえばプレスリーですが、もちろんリアルタイムで聴いてい