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私の好きなカバーソング(97)「My One And Only Love」ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン、ジョシュア・レッドマン、カーメン・マクレエ、スティング、カレン・ソウサ
1953年に書かれた曲でフランク・シナトラが最初に歌ったらしいですが、一気に有名になったのが名盤「ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン」(1963)です。自分も後年このアルバムでこの美しい曲を知りました。このアルバムはコルトレーンの名盤「バラード」の続きで、コルトレーンのカルテットにジャズシンガーのジョニー・ハートマンを迎えています。こちらも収録曲全てが名演です。 愛する彼女をベタ褒めして、手が触れただけで天国にいる気分、キスが自分のハートに火を灯し、この世で愛するon
私の好きなカバーソング(96)「My Blue Heaven(私の青空)」ファッツ・ドミノ、ノラ・ジョーンズ、畠山美由紀、高田渡、オスカー・ピーターソン
この季節、外の澄んで乾いた空気を吸って何も考えず青空を眺めていたい。そんな衝動に駆られるけど実行するのはなかなか難しいです。以前「ブルースカイ」という曲をここで紹介しましたが、青空つながりでこの曲です。 1927年に書かれ翌年大ヒットした米国のポピュラー曲でスタンダードになり、1928年には日本語訳されヒット、日本でも定番曲になってます。私もこどもの頃テレビの歌番組などで何度もこの曲を耳にし、明るく楽しい曲調と「狭いながらも楽しいわが家」というフレーズが記憶に残っています。
私の好きなカバーソング(95)「Golden Earrings(黄金の耳飾り)」ケニー・ドリュー、レイ・ブライアント、ペギー・リー、ザ・サウンズ、ちあきなおみ
この曲を知ったのはケニードリューさん(1928-93)のピアノで、レイブライアントさん(1931-2011)のピアノを聴いて好みの曲になりました。どちらもエモーショナルでいて気品ある、これぞジャズピアノトリオと言える王道の演奏ですね。 1946年に米国の作曲家ビクター・ヤングさんが書き、翌年同名映画の主題歌として使われてます。ジプシー音楽からインスパイアされ「チゴイネルワイゼン」がべースになってる曲ということで、映画ではマレーネ・ディートリッヒさんが歌ったようです。なおヤング
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私の好きなカバーソング(94)「Setembro」クインシー・ジョーンズ、イヴァン・リンス、ペドロ・アスナール、マーカス・ミラー
前回からのブラジル繋がりで秋の曲をもうひとつ。9月はポルトガル語でsetembroです。クインシージョーンズさんのアルバム「Back on The Block」(1989)でこの曲を知りました。ヒットした「The Dude(邦題:愛のコリーダ)」以来8年ぶりのアルバムで、豪華ゲスト多数参加で評判が高かったです。 この曲には「Brazilian Wedding Song」という副題があり、タイトル通りの祝福感溢れるヴォーカリーズ曲で、ボーカルはTake 6(男性コーラスグループ
私の好きなカバーソング(93)セルジオ・メンデスさん追悼 「マシュ・ケ・ナダ(Mas Que Nada)」ジョルジ・ベン、オスカー・ピーターソン、アル・ジャロウ、アストラッド・ジルベルト
9月5日にセルジオ・メンデスさんが天に召されました。83歳ということです。私はサンバやボサノバに限らずブラジル音楽をよく聴くし、最近もここでセルジオさんの作品を紹介しました。今回は追悼をこめてニュースサイトでも真っ先に出てくる代表曲です。 Wikipediaによるとマシュ・ケ・ナダとは当時のサンパウロのスラングで「なんてこった」という意味らしいです。ブラジルのシンガーソングライター、ジョルジ・ベンさんが書き、1966年のセルジオさんのカバーで大ヒットし、世界に広まったというこ
私の好きなカバーソング(92)「September Song」サラ・ヴォーン、ジョン・ルイス、ナット・キング・コールとジョージ・シアリング、阿川泰子、リッキー・リー・ジョーンズ
「September」というとEW&Fや竹内まりやさんが浮かびます。ジャズスタンダードには秋をテーマにしたものが多いですね。この曲は1938年ミュージカルのために書かれました。多くのアーチストにカバーされスタンダードになりました。 5月から12月はたっぷり時間があるけれど、9月になると日も短くなり木々が色づく頃にはためらっている時間はない。残された日は少ない。9月、そして11月、残されたかけがえのない日々を貴方と過ごそう。 という歌詞になります。 1年のスパンでの気持ちの移ろ
私の好きなカバーソング(91)「Love Is Blue(恋はみずいろ)」ヴィッキー・レアンドロス、ポール・モーリア、ジェフ・ベック、ジョージ・ベンソン、デオダート
イージーリスニングやBGMのゴールドスタンダードのような曲なので多くの方が耳にしていると思います。 1967年に欧州のポピュラー音楽コンテストで入賞した曲で、その翌年にポールモーリアさん編曲の楽団バージョンが大ヒットし、世界中に拡がったようです。 原曲は「L'amour est bleu」というタイトルの仏語ですが、各国語での訳詞があり日本語版は森山良子さんが歌ってます。恋する女性の揺れ動く心を空と海の色に喩えてその歓喜を表現しています。 その1967年のコンテストの動画で
私の好きなカバーソング(90)「Where or When(いつかどこかで)」ソニー・ロリンズ、ダイアナ・クラール、レイヴェイ(Laufey)、ジェーン・バーキン、クリフォード・ブラウン
1937年にミュージカルのために書かれた曲で作者はリチャード・ロジャース&ロレンツ・ハートという米国の曲作りの黄金コンビです。 いつどこでかわからないけど 前にもこんなふうに語り 見つめあったよね 君はあのときと姿も笑顔も同じ 初めてのときのことが また起こってるような 前にも笑いあい 愛しあったような いつどこでだったかなあ という歌詞で、(嘗ての?)恋人同士が再会したときに感じる既視感を表現してるようです。 曲を知ったのはソニー・ロリンズさん(1930-)の
私の好きなカバーソング(89)「Just My Imagination (Running Away With Me)」テンプテーションズ、ダイアン・リーヴス、ローリング・ストーンズ、プリンス
モータウンを代表する米国のソウルコーラスグループ、テンプテーションズの1971年の曲で大ヒット、「はかない想い」という邦題がついてました。MVではダンス、ステップがなんともカッコよく、こちらも有名だったようです。 来る日も来る日も彼女のことを想い、空想(妄想)を繰り広げる男の歌です。 自分の彼女にして 結婚して 家を建て子どもを作って・・・ でも現実は彼女は自分の名前すら知らない それはただの空想さ 抑えられないんだ と、厳しい現実を前にしても妄想を抑えられない、切なく
私の好きなカバーソング(88)「When You're Smiling(君微笑めば)」ルイ・アームストロング、アート・ペッパー、ビリー・ホリデイ、ジュディ・ガーランド
2010年頃ルイ・アームストロングのダミ声をiPhoneのTVCMで聴きました。聴いたことのあるメロディーだったので自分のライブラリを調べてみたら以前買ったアートペッパーのCDにこの曲が収録されてました。 1928年に書かれた米国のポピュラーソングということで、ルイ・アームストロングさん(1901-71)がしばしば取り上げたことからスタンダードになったようです。 君が笑顔になると 世界中が君といっしょに笑顔になり 太陽も輝く 君が泣くと雨を連れてくる だから嘆かないで
私の好きなカバーソング(87)「Lamento」アントニオ・カルロス・ジョビン、ナラ・レオン、デューク・ピアソン、セルジオ・メンデス
ジャンルや時代に関係なくそのとき気になる音楽をずっと聴いてきました。学生時代はCD普及前でレンタルレコード屋にはずいぶん世話になりました。ボサノバの超名盤ということで借りたアントニオ・カルロス・ジョビンさん(1927-94)の「Wave」(1967)は本当に名盤でした。特にタイトル曲とこの曲が忘れられなくなりました。 この曲は正式には「Lamento no Morro(モーホの嘆き)」で1954年に戯曲のために書かれ、ジョビンが作曲です。lamentは、嘆く・悲しむ・悼むとい
私の好きなカバーソング(86)「Estate(エスターテ)」ミシェル・ペトルチアーニ、ジョアン・ジルベルト、ブルーノ・マルティーノ、イリアーヌ・イリアス、ジョイス・モレーノ
暑い日が続きます。北海道ではお盆の頃には朝晩の涼しさを感じますが全国的にはまだまだ盛夏なんでしょうね。estateという言葉は英語なら土地とか私有地という意味ですが、イタリア語では「エスターテ」と読み、夏という意味だそうです。ゆく夏を惜しむような哀しげなメロディーを持つとても美しい曲です。 イタリアのピアニスト・作曲家・歌手のブルーノ・マルティーノさんが1960年に書き、歌っています。昔日の夏の日を恨む(夏はあのひとを思い出させるからキライ)という歌詞のようです。 フランス
私の好きなカバーソング(85)「Like Someone In Love」バド・パウエル、チェット・ベイカー、ダイアナ・クラール、ビル・エバンス、ビョーク
1944年に映画のために書かれた曲で、翌年ビング・クロスビーさんが歌ってヒットし、その後スタンダードとなりました。 歌詞は、恋する相手が近くにいると予測外の行動をしたり挙動不審に陥る自分を、”まるで恋をしている誰かのようだ”と表現しています。 私が知ったのはバド・パウエル(1924-66)さんのピアノです。1962年のアルバムで、天才といわれた時期を過ぎリラックスしたバドさんのノスタルジー溢れる演奏です。 トランペッターでありシンガーであるチェット・ベイカー(1929-88
私の好きなカバーソング(84)「Once Upon A Summertime」ケニー・ドリュー、ミシェル・ルグラン、アストラッド・ジルベルト、モニカ・ゼタールンド&ビル・エバンス、マイルス・デイビス
夏にちなんだ曲、もうひとついきます。偉大なフランス人ピアニスト・作曲家のミシェル・ルグランさん(1932-2019)の名曲です。私はルグランさんの作る季節を感じさせ美しい中にも翳りのあるメロディーがお気に入りで、以前にも(38)「You Must Believe in Spring」を紹介しました。映画「おもいでの夏」の有名な主題歌「 The Summer Knows」もルグランさんの作品ですね。 「Once Upon A Summertime」は1954年に書かれたシャンソ
私の好きなカバーソング(83)「Summer Night」チック・コリア、マイルス・デイビス、キース・ジャレット、フローラ・プリム、スタン・ゲッツ
前回に続き夏の曲です。1936年に映画のために書かれた曲で、主人公が彼女にプロポーズする場面で歌われたようです。歌詞は夏の夜を人間に例え、”陽が落ちたら彼女の部屋の窓に入り込み彼女の想いを聞く。自分は離れなければならないのに彼女に寄り添う、なんとうらやましいことよ” という意味らしいです。 この曲もジャズスタンダードとなり、レジェンドたちの名演が多くあります。私が知ったのはチック・コリアさん(1941-2021)のピアノトリオの1984年のライブ盤です。キースジャレットのスタ