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私の好きなカバーソング(103)「Stella by Starlight(星影のステラ)」キース・ジャレット、マイルス・デイビス、バド・パウエル、スタン・ゲッツ、チャーリー・パーカー、アニタ・オディ
選挙明け、激動を予感する朝です。有名ジャズスタンダード、今回も続けます。レジェンドたちの名演ばかりになりました。 1944年に「呪いの家」というホラー映画の挿入歌として書かれた曲で、ステラというのは登場人物の女性です。歌詞は後付けで1946年に書かれ、ステラが星の光の下に立ち髪の狭間から月が見え、”ステラこそわが全て、唯一の愛する人”というラブソングでステラという名前以外は映画とほぼ無関係らしいです。以後フランクシナトラをはじめとする多くのシンガーや有名アーチストに取り上げら
私の好きなカバーソング(102)「枯葉(Autumn Leaves、Les Feuilles mortes)」イヴ・モンタン、マイルス・デイビス、ウィントン・ケリー、アルージ・アフタブ、サラ・ヴォーン
秋が深まってきました。本州ではまだ暑い日もあるようですが札幌では10月19日に初雪が降り、市街地でも樹々の色づきが加速してます。 この曲もジャズの大定番です。元々はシャンソンの名曲で1946年の映画の挿入歌として作られました。イヴ・モンタンさん版です。日本語訳詞付いてます。 小さな頃からTVの歌番組で度々耳にした曲ですが、ジャズスタンダードとしては名演がありすぎて選ぶのに苦労します。 まずは極めつきのマイルスデイビスです。ブルーノート社との契約の関係でキャノンボール・アダレ
私の好きなカバーソング(101)「ケルン・コンサート(Köln, January 24, 1975, Pt. II C)」キース・ジャレット、村治佳織、アントニオ・アドルフォ、パトリシア・ベイゼンズ、ラウラ・ポルドベール、Threesome
先日NHK Eテレで放送された「星野源のおんがくこうろん」という番組でキース・ジャレットさんが特集されました。小曽根真さんも解説員として人形で登場し実演もありました。番組の中でこの歴史的名盤「ケルン・コンサート」についても語られました。私は学生時代に先輩からレコードを借りカセットテープに録音して聴き込み、CD化されたときにはすぐ買いました。 このアルバムはキースのたった一夜の即興ピアノコンサートのライブです。もちろん1曲目の神がかった最初の一音から通して聴くのがお奨めです。こ
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私の好きなカバーソング(100)「Stardust」ライオネル・ハンプトン、サマラ・ジョイ、ジョシュア・レッドマン、ルイ・アームストロング
このカバーソングの記事も100回を数えたので、今回はスタンダード中のスタンダード、大定番曲で、自分がジャズにのめり込むきっかけになった作品の紹介です。1927年に米国の作曲家であり歌手・バンドリーダーであるホーギー・カーマイケルさんが作曲してます。 学生の頃、音楽好きの先輩の家に遊びに行ったとき「古いジャズだけど、まずは聴いてみ」と言われ、アナログLPレコードのこの曲を聴きました。ジャズビブラフォン奏者のライオネル・ハンプトンさん(1908-2002)率いるオールスターズの1
私の好きなカバーソング(99)「I Remember Clifford(クリフォードの想い出)」ベニー・ゴルソンさん追悼、キース・ジャレット、リー・モーガン、ヘレン・メリル
9月21日、ジャズサックス奏者・作曲家のベニー・ゴルソンさんが95歳で天寿を全うされました。ベニーゴルソンさんは私にとってはサックス奏者というより偉大な作曲家でした。 1956年に交通事故で急逝したクリフォード・ブラウンさん(享年25歳)の記憶を後世に伝えようと、バンド仲間で友人のゴルソンさんが1957年にこの曲を書いてます。 この曲を知ったのはキース・ジャレットのスタンダーズトリオの「Still Live(邦題:枯葉)」(1986)です。CD2枚組のラスト曲で、インプロビゼ
私の好きなカバーソング(98)「In Love In Vain」キース・ジャレット、ビル・エバンス、ニーナ・シモン、サラ・ヴォーン
この曲はキース・ジャレット・トリオの「スタンダーズ Vol.2」(1983)で知りました。このアルバムは個人的には超名盤で、特に2-4曲目の流れは神々しさすら感じます。この曲は3曲目ですが、2曲目の「Moon and Sand」については以前にここで記事にしました。 キースのスタンダーズトリオによる演奏は多くのアルバムがあり、どれも素晴らしいけどスタジオ録音がなくなってライブ盤ばかりとなり、ブルーノートでのライブはCD6枚組だったりで、1990年代後半以後はちょっとマンネリを
私の好きなカバーソング(97)「My One And Only Love」ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン、ジョシュア・レッドマン、カーメン・マクレエ、スティング、カレン・ソウサ
1953年に書かれた曲でフランク・シナトラが最初に歌ったらしいですが、一気に有名になったのが名盤「ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン」(1963)です。自分も後年このアルバムでこの美しい曲を知りました。このアルバムはコルトレーンの名盤「バラード」の続きで、コルトレーンのカルテットにジャズシンガーのジョニー・ハートマンを迎えています。こちらも収録曲全てが名演です。 愛する彼女をベタ褒めして、手が触れただけで天国にいる気分、キスが自分のハートに火を灯し、この世で愛するon
私の好きなカバーソング(96)「My Blue Heaven(私の青空)」ファッツ・ドミノ、ノラ・ジョーンズ、畠山美由紀、高田渡、オスカー・ピーターソン
この季節、外の澄んで乾いた空気を吸って何も考えず青空を眺めていたい。そんな衝動に駆られるけど実行するのはなかなか難しいです。以前「ブルースカイ」という曲をここで紹介しましたが、青空つながりでこの曲です。 1927年に書かれ翌年大ヒットした米国のポピュラー曲でスタンダードになり、1928年には日本語訳されヒット、日本でも定番曲になってます。私もこどもの頃テレビの歌番組などで何度もこの曲を耳にし、明るく楽しい曲調と「狭いながらも楽しいわが家」というフレーズが記憶に残っています。
私の好きなカバーソング(95)「Golden Earrings(黄金の耳飾り)」ケニー・ドリュー、レイ・ブライアント、ペギー・リー、ザ・サウンズ、ちあきなおみ
この曲を知ったのはケニードリューさん(1928-93)のピアノで、レイブライアントさん(1931-2011)のピアノを聴いて好みの曲になりました。どちらもエモーショナルでいて気品ある、これぞジャズピアノトリオと言える王道の演奏ですね。 1946年に米国の作曲家ビクター・ヤングさんが書き、翌年同名映画の主題歌として使われてます。ジプシー音楽からインスパイアされ「チゴイネルワイゼン」がべースになってる曲ということで、映画ではマレーネ・ディートリッヒさんが歌ったようです。なおヤング
私の好きなカバーソング(94)「Setembro」クインシー・ジョーンズ、イヴァン・リンス、ペドロ・アスナール、マーカス・ミラー
前回からのブラジル繋がりで秋の曲をもうひとつ。9月はポルトガル語でsetembroです。クインシージョーンズさんのアルバム「Back on The Block」(1989)でこの曲を知りました。ヒットした「The Dude(邦題:愛のコリーダ)」以来8年ぶりのアルバムで、豪華ゲスト多数参加で評判が高かったです。 この曲には「Brazilian Wedding Song」という副題があり、タイトル通りの祝福感溢れるヴォーカリーズ曲で、ボーカルはTake 6(男性コーラスグループ
私の好きなカバーソング(93)セルジオ・メンデスさん追悼 「マシュ・ケ・ナダ(Mas Que Nada)」ジョルジ・ベン、オスカー・ピーターソン、アル・ジャロウ、アストラッド・ジルベルト
9月5日にセルジオ・メンデスさんが天に召されました。83歳ということです。私はサンバやボサノバに限らずブラジル音楽をよく聴くし、最近もここでセルジオさんの作品を紹介しました。今回は追悼をこめてニュースサイトでも真っ先に出てくる代表曲です。 Wikipediaによるとマシュ・ケ・ナダとは当時のサンパウロのスラングで「なんてこった」という意味らしいです。ブラジルのシンガーソングライター、ジョルジ・ベンさんが書き、1966年のセルジオさんのカバーで大ヒットし、世界に広まったというこ
私の好きなカバーソング(92)「September Song」サラ・ヴォーン、ジョン・ルイス、ナット・キング・コールとジョージ・シアリング、阿川泰子、リッキー・リー・ジョーンズ
「September」というとEW&Fや竹内まりやさんが浮かびます。ジャズスタンダードには秋をテーマにしたものが多いですね。この曲は1938年ミュージカルのために書かれました。多くのアーチストにカバーされスタンダードになりました。 5月から12月はたっぷり時間があるけれど、9月になると日も短くなり木々が色づく頃にはためらっている時間はない。残された日は少ない。9月、そして11月、残されたかけがえのない日々を貴方と過ごそう。 という歌詞になります。 1年のスパンでの気持ちの移ろ
私の好きなカバーソング(91)「Love Is Blue(恋はみずいろ)」ヴィッキー・レアンドロス、ポール・モーリア、ジェフ・ベック、ジョージ・ベンソン、デオダート
イージーリスニングやBGMのゴールドスタンダードのような曲なので多くの方が耳にしていると思います。 1967年に欧州のポピュラー音楽コンテストで入賞した曲で、その翌年にポールモーリアさん編曲の楽団バージョンが大ヒットし、世界中に拡がったようです。 原曲は「L'amour est bleu」というタイトルの仏語ですが、各国語での訳詞があり日本語版は森山良子さんが歌ってます。恋する女性の揺れ動く心を空と海の色に喩えてその歓喜を表現しています。 その1967年のコンテストの動画で
私の好きなカバーソング(90)「Where or When(いつかどこかで)」ソニー・ロリンズ、ダイアナ・クラール、レイヴェイ(Laufey)、ジェーン・バーキン、クリフォード・ブラウン
1937年にミュージカルのために書かれた曲で作者はリチャード・ロジャース&ロレンツ・ハートという米国の曲作りの黄金コンビです。 いつどこでかわからないけど 前にもこんなふうに語り 見つめあったよね 君はあのときと姿も笑顔も同じ 初めてのときのことが また起こってるような 前にも笑いあい 愛しあったような いつどこでだったかなあ という歌詞で、(嘗ての?)恋人同士が再会したときに感じる既視感を表現してるようです。 曲を知ったのはソニー・ロリンズさん(1930-)の
私の好きなカバーソング(89)「Just My Imagination (Running Away With Me)」テンプテーションズ、ダイアン・リーヴス、ローリング・ストーンズ、プリンス
モータウンを代表する米国のソウルコーラスグループ、テンプテーションズの1971年の曲で大ヒット、「はかない想い」という邦題がついてました。MVではダンス、ステップがなんともカッコよく、こちらも有名だったようです。 来る日も来る日も彼女のことを想い、空想(妄想)を繰り広げる男の歌です。 自分の彼女にして 結婚して 家を建て子どもを作って・・・ でも現実は彼女は自分の名前すら知らない それはただの空想さ 抑えられないんだ と、厳しい現実を前にしても妄想を抑えられない、切なく