20230301
夢の中でおれは母に「あいつ隠れるのうまいから」と言っていた。
最近そら見ぃひんなあ、と独りごちながら仏壇のある部屋の戸を開けると、部屋の奥から走って来ておれの顔を見てニャーと鳴く。喉を鳴らし、腹を見せる。白い毛の透けた肌のピンク。6つの乳首の小さな突起が撫でていると手に当たる。
母は先に部屋に入っていて撫で終えた様子。また泣いている。久しぶりやなあどこ行っとってん、とおれが言う。そらが手を舐める。
そらは死んだのだ。少し覚醒したおれが告げる。そうだった死んだのだった。無意識下でのおれは無邪気に、最近見ねえな、とだけ思っている。
起きて目尻を拭く
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