技術革新が弱者を殺す
働いている会計事務所に新しい会計ソフトの営業の人が来て、正直今使っている会計ソフトとは比べ物にならないほど便利な会計ソフトをプレゼンしていた。正社員にとっては、仕事の負担が減るので喜ばしい技術革新だと思う。
しかし、本当にAIに仕事を奪われてしまうんじゃないかという危機に直面した瞬間でもあった。少なくとも、今まで簡単な入力作業をやっていた人は、仕事を奪われてしまうだろう。
仕事は、人によって取り組み方が違う。仕事に対する価値観、距離感、捉え方、向き合い方、人生における仕事の占める割合、仕事をやる意味など、千差万別なのである。わかりやすく言えば、正社員は人生における仕事の割合が大きく、パートやアルバイトはその割合は相対的に小さいだろう。
パートやアルバイトで働いている人は、色々な事情があると思う。子育てとの両立のためにパートをしている人、夢を追いかけるためにバイトをしている人、病気で体が弱くバイトをしている人、障害があるために障害者雇用で働いている人など、さまざまな状況が考えられる。この時に思うのが、技術革新は果たして正なのか?ということだ。
技術革新が進んで、仕事が円滑に進むようになれば、その開発は正しいことのように思える。しかし、その技術革新の先には何があるのだろうか?仕事が円滑に進んで、効率よく仕事ができるようになって、その先に何がある?より便利な世の中になって、その先に何があるのだろうか?よくわからない。本当に幸せの総量は増えるのだろうか?
少なくとも、病気の人や障害のある人など、社会的な弱者にとっては、技術革新は悪となるだろう。簡単な仕事しかできないのに、それを優秀な人が優秀なソフトを開発して奪ってしまう。格差が広がってしまう。
ただ、技術革新を進める人たちに悪気があるはずもなく、社会の仕組みに問題があるのだと思う。とりあえず言えるのは、この大きな流れの中で、自分ができることが何もない。