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第1話 最初のお客様
「…暇だねぇ…なぁ、軀?」「クルルルル…」
ここは常世と現世の狭間
中界街の32丁目 幽寂 の7番地
中界街には人もそうでないものも受け入れる店がいくつもある。ウチもその一つ…ただ、客は私が選ぶから何時も閑古鳥が鳴いているけれど。
壁の時計に目をやると、針は既に真上を指していた
「おや、もうこんな時間か」さてと、と立ち上がり準備を始める。毎日のルーティーンだ
「軀!庭の木から幾つか桃を取って
処方師のシンフォニア
プロローグ
この世には色々な人がいる。
背の高い人、低い人
明るい世界にいる人、暗い世界から出られない人
自分に自信のない人、自分が好きな人
声が高い人、低い人
健康な人、病気持ちの人
生きている人、死んだ人
生きたい人、手放したい人
「金持ちだろうが 貧乏人だろうが 欲しいというなら与えてやる。老若男女は関係ない。」
「それが