見出し画像

新卒が2ヶ月間休職してみた。〜休職時のノウハウ〜

こんにちは、クリエイターの423です。
僕はこの春(2020年4月)に新卒としてコロナ禍の中、入社しました。

しかし、就労から3ヶ月した7月頭から2ヶ月、休職という選択肢を取りました。

今回は、新卒の僕が実際に休職してみての感想や、休職に関するあれこれをnoteにまとめておこうと思い、筆を取りました。

この貴重な経験は残しておきたい、多くの人にシェアしたいと思っています。
ぜひ、最後まで読んで感想やスキをお願いします。

なぜ休職したのか。

僕が休職に至った理由は、以前noteにも書いたのですが、「鬱」です。

鬱について、それまで公言することは避けていたのですが、デザイナーのトミナガハルキさん(@asobodesign)の鬱についてのnoteを読んで、自分も語ってみようと思い公開しました。

そんな「鬱」が入社後にひどくなってしまったので、休職するに至りました。

スタートラインに立ち、走り始めた自分のキャリアをいきなり中断させることには大きな覚悟が必要でしたが、「身体も心も資本だ」と考え思い切って休職を選んで良かったと思っています。

具体的に、僕の鬱の症状には次のようなものがあります。

・集中力が欠けてしまう
・頭がすぐに情報でパンクしてしまう
・どれだけ寝ても眠い(逆に眠れなくなる人もいます)
・様々な刺激に過敏になる(主に周囲の音)
・ネガティブな考えが頭を埋め尽くす
・手足などに痺れを感じたりする
・頭痛がひどい
・食欲が減退する

これらの症状が見られ、医師に判断を仰いだところ休職が妥当ということになり、自分の健康を優先して休むことに決めました。

鬱自体は大学1年生の頃から発症しており、長く付き合ってきたものではあるのですが、半年程度でかなり改善し、薬を飲みながらではあるものの普通に生活ができていました。

ところが、会社に入って新たな生活が始まるとともに、それが一変して体調が悪くなってしまったのです。

鬱は誰にでも起こりうるものなので、僕と同じような症状を感じたら疑ってみてください。

ここからは、休職に至るまでのプロセスと休職期間中のことについて書いていきます。

恐れずに相談しよう。

1番大切だなと実感したのは、自分の体調に違和感を覚えたら焦らず会社に相談をすることです。

「会社に自分の健康状態を知られたくない」「何か言われたらどうしよう」という気持ちが先行して、なかなか言いづらいかもしれません。

確かに、社会人になると健康管理は自己責任という認識も強く、休むことで給与や評価に影響してしまうことも多いと思います。

ですが、これだけは言えるのが、病気は1人では治すことはできないということです。

周りの人のバックアップや医師による治療が必ず必要です。

自分1人の健康管理だけで未然になんでも防ぐことができたり、治すことができるものではありません。

なので、体調が悪くなっても自分を責めないでください。
優先すべきは、自分の体調不良を認め、それを改善していく環境を自分で手に入れることです。

僕の場合、体調が悪くなった時に上司や人事に言い出すのを恐れて、有給を消化して1週間の休みをとり、その間に急いでコンディションを整えようとしてしまいました。

今思うと、この焦った行動はあまり良い判断ではなかったと思います。

結果、復帰後もあまり良い仕事ができず、かえって憂鬱さに拍車をかけてしまうことになりました。

そこから、早退してしまう日が続き、これ以上騙し騙しやっていくのは無理があるだろうと判断し、上司、人事に自分の現状を報告しました。

上司や人事と面談を行い、丁寧に話を聞いてくれました。
僕の体調を気にかけてくれ、業務の上で工夫できる措置は講じてくれるとの対応でしたし、休職することもむしろ会社が背中を押してくれました。

人事曰く、「病気を理由に就労できない人を働かせるのは法律違反なので、しっかりと休んで良いんですよ」とのこと。

なので、もし会社に相談して休職を反対されても自信を持って休む選択をしてください。

休職期間はひたすらゆっくりしよう。

画像1

病を理由に休職するには、医師の診断書が必要です。
診断書を会社に提出することで正式に「休職」することができます。

理由や医師によるかと思いますが、せっかくなら少し余裕を持って休職期間を設定しましょう。

どんな病気でも変に焦らず、静養するのが1番だと思います。

僕の場合は、2ヶ月に設定しました。
状態的には1ヶ月でも復帰できるかもしれないなと思っていたのですが、医師との相談の中で、余裕を持って2ヶ月にしようという話になりました。

特に「鬱」は元気になってきたところで焦って頑張ってしまうことで、再発や悪化を招いてしまうことが多いらしく、ゆとりを持たせた休職期間を設けた方が良いらしいです。

「同期や先輩方は健康に働いているのに自分だけ…」と悩んでしまうかもしれませんが、今の自分の仕事は休むことだと言い聞かせ、ひたすら「何もしない」を貫き通していました。

休職してからのはじめの1ヶ月は友人に会うのを控えたり、趣味のイラスト制作を減らしたりして、ひたすらまったりと過ごしていました。

そもそも症状の1つとして、「好きなことが楽しめなくなる」というものがあるので、必然的に何もできなかったと言うこともできます。

1ヶ月が経ってからは、少しずつ意欲も取り戻してきて、様々な活動ができるようになりました。

しかし、そこで「健康な自分」という理想像を描きすぎて全力を出すのではなく、良い意味で力を抜いて活動するようにしました。

例えば、毎日のように上げていたイラストを2〜3日に1回にしたり、無理に有意義な時間を過ごそうとせず、疲れたらすぐに寝たりといった感じで「ゆるく」過ごしていました。

1ヶ月半以上経った最近は、復職後にしっかりと働くことができるように「リハビリ」として規則正しい生活やある程度の活動量を目安に過ごしています。

イラストも1〜2日に1回投稿するペースに戻し、出かけたりする日も増やしていきました。どの活動も7割の力加減で取り組むことで疲れすぎないように工夫しています。

ここで、エンジンをかけすぎて悪化させたら元も子もないので、慎重に行動するよう心がけましょう。

こうすることで少しずつ自分に自信をつけ直すことができ、健康な状態で再スタートを切ることができると思っています。

傷病手当を申請しよう。

休職までの道のりと休職期間中の過ごし方についてはここまで書いた通りです。

しかし、同時にどうしてもついてまわる問題が「お金」です。
僕は現在、実家暮らしなのでまだ収入がなくなっても親の支援を受けて生活することができますが、それでも休んでいる間、収入がないというのもかなり不安になる要素でした。

もしも頼れる人がいなかったり、一人暮らしだったりしたら、いざ休んだとしても貯金をすり減らす生活に辟易としてしまうかもしれませんからね。

そこで、皆さんにもぜひ知っておいて欲しいのが「傷病手当」という制度です。

これは、業務災害(いわゆる労災)以外の病気やケガで療養のために仕事を休み、その間給与が支払われない場合に、生活費を保障するための保険給付です。

病気を理由に4日以上休んだ場合に申請することができるもので、給与の2/3が支給されます。

僕はこの制度を会社から説明してもらって初めて知りました。

会社によってはもしかしたら説明しないところもあるかもしれないので、知っておいたほうが良いと思います。

このような制度はもっと認知されて欲しいと思ったので今回このnoteに盛り込みました。

申請には医師による申請書の記入が必要ですが、それさえ提出してしまえば手当がもらえるので、金銭面で大きな不安を抱える心配がなくなります。

僕も両親に負担をかけているという自責の念から解放され、気持ち的にかなり楽になりました。

より詳しくはこちらを参考にしてみてください。

休職期間を終えるにあたって。

画像2

2ヶ月というブランクを、新卒のうちに経験するとは自分でも思っていませんでしたし、休むことを決めることにもかなりの覚悟が必要でした。

この2ヶ月で僕が1番感じたのは、
「しっかり制度を活用して休むべき」ということと、
「休む自分を責めないで欲しい」ということです。

どんな人でも病気を理由に休むことはあり得ます。
自分には関係ない話だ、自分は休まず頑張れると思いすぎずに、時にはゆっくりと休むことが必要だと思います。

どうか、これを読んでいる人が無理をし過ぎないで欲しいです。

また、僕は復帰後の同期との経験値の差がとても不安です。
新卒の2ヶ月は様々な基本を覚えていく大事な期間だと思います。
その2ヶ月を丸々空けて、遅れをとってしまっているので、復帰した後に劣等感や焦りを感じないか今から心配しています。

そのことを上司に相談した際に、「自分に合ったペースで自分だけの階段を登っていけば良いよ」と言ってもらい、少しその不安が和らぎました。

上司の言う通り、階段は人それぞれあると思います。
必ずしも周りと同じように頑張らなくてはいけない理由なんてありません。

「しっかり休める環境は作れる」「自分だけの階段がある」ということを新卒の大切な2ヶ月を使って早めに知ることができて、今では良かったと思っています。

目の前のキャリアではなく、長い目で見て自分が生き生きと生活できる道を選んでいくことこそが本当のキャリア形成なのではないしょうか。

2ヶ月前に勇気を出して会社に休職の相談をした自分を褒めたいと思います。
その時の行動のおかげで、今の自分は元気に過ごせているよ、と。

Twitterもやっているので気軽にフォローやコメントください。
イラストを投稿したりしています。



自分の生み出したもので生きていきたい。幼い頃からそう想って今も生きています。これからも創ることが喜びでいられるように、いただいたお金を使おうと思います。