見出し画像

国民年金65歳まで納付延長になった方が得する人、多いんじゃね?という話

国民年金の保険料納付が65歳まで延長になるかも?
…っていうニュースが最近よく取り上げられていますね。

#日経COMEMO #NIKKEI

今日はこのテーマで、ものすごい個人的な見解を好き勝手に書きたいと思います笑

結論から言います
国民年金の65歳まで納付延長は大賛成です!

50代に両足突っ込んだ自分としては、
ずっと「年金納付」という長距離マラソンを走り続けてきて、やっとゴール目前まできたところで、ゴールを遠くに持っていくなんて、詐欺やん!
そう言われる気持ちももちろんわかります。

その5年間、年金納めたところでどんだけ貰える年金増えるねん!とか、
納めさせといて、貰えるのは70歳に延ばすとか言うんちゃうん?とか、
年金制度に対しては、みなさん不信感しかないですもんね。

ちなみに、今わたしは会社員なので厚生年金保険料を会社から徴収される形で納付しています。
保険料がいくらか書くとおよその月収がバレるので書きませんけど笑、厚生年金保険料は標準報酬月額の18.3%(うち会社と折半)なので実質負担は9.15%ですね。

もうすでに定年退職は60歳から65歳まで段階的に延長されているため、わたしがこのまま会社勤めを続けていけば、定年退職は65歳になっている…すなわち65歳まで厚生年金保険料を納めることになります。

このへんの法的な背景を少し書くと、高年齢者雇用安定法が2012年に改正され、「60歳未満の定年禁止」と「65歳までの雇用確保措置」が義務化されたんですね。
さらに70歳までの就業確保も努力義務とされています。

だからといって、今まで60歳を定年としていた企業が「法改正でそう決まったから、明日から5年延長して従業員を雇用してね!」といきなり言われても、企業によっては即対応できへんわボケ!…ってことで経過措置が設けられていて、今までは段階的に年齢を伸ばすことで対象者を限定することができていました。

2025年からはその経過措置も終了して、従業員が希望すれば、会社は65歳まで雇用する義務があるわけです。定年延長に限らず再雇用などもOKです。

というわけで、企業は従業員に対して65歳までの雇用確保が義務付けられているので、今後65歳まで働き続けたいと希望する人は増える一方だと思うんですよ。

だって、老齢年金が受給できるのは65歳からだから。
60歳から65歳までの間も生活費はかかるし、どっかのタイミングで退職金があったとしても、年金もらえるまでは元気なら働こうってなりますもんね。

ちなみに、老齢厚生年金も受給開始が60歳から65歳に延長された経過措置として、年齢によっては段階的に60歳から64歳の間に受給できる人もいます。

特別支給の老齢厚生年金っていうやつですが、これもそろそろ終わりを迎えつつあるので、65歳以前に年金を受給できる人はわずかになっています。

男性は昭和36年4月1日生まれまでの人
女性は昭和41年4月1日生まれまでの人、ですね。

年金受給しながらでも働く人が増えているくらいなので、「年金が受給できるまでの間は働いている人の方が多い」のは当たり前やと思いません?

そうなると、定年延長や再雇用や雇用形態はいろいろあるにせよ、現時点でも60歳以上で厚生年金保険料を納めている人って結構な数いるはず。

厚労省からの抜粋ですが(令和4年度末現在)、
公的年金被保険者数は 6,744 万人
国民年金の第1号被保険者数(任意加入被保険者を含む)は1,405 万人
厚生年金被保険者数(第1~4号)は 4,618 万人
(うち第1号 4,157 万人、第2~4号 461 万人)
国民年金の第3号被保険者数は 721 万人

これは全年齢ではありますけど、厚生年金被保険者が圧倒的に多いのがわかりますよね。
ちなみに、厚生年金被保険者のうち60歳以上の人の割合は、男性は9.5%
女性は11%なので、そんなに少ない数字ではないかなと。

ところで、現在の年金制度では、国民年金の納付期間って20歳から60歳までの40年間です。
なに当たり前のこと言うてんねん!かもしれませんが、逆に言うと、
40年間年金を納めてきた人は、もっと年金を増やしたいから払わせてくれ!と言っても払うことはできません。

そんな奴おるんか?ですよね笑
60歳から65歳までの高齢任意加入という制度はありますが、国民年金に関しては40年に達した時点で「もうこれ以上は加入できません」と勝手に資格喪失されます。

ここで、なんか矛盾を感じません?

厚生年金は60歳過ぎても適用事業所に勤めていて、その他の加入要件を満たせば厚生年金保険料は嫌でも徴収されます。
60歳過ぎても、上記の条件に当てはまる限り70歳までは厚生年金保険料って支払い続けるんです。

もちろん厚生年金保険料を払い続けていけば、将来の年金額は増えます。
でも増えるのはあくまでも「老齢厚生年金の比例報酬部分のみ」です。
老齢基礎年金は、どれだけ厚生年金に加入していようが、令和6年額でいうところの816,000円(新規裁定者)が上限です。

要するに、老齢基礎年金に相当する部分は40年を超過すると掛け捨て状態なんですよ。
その分厚生年金保険料が減るわけじゃないのに、です。
極端な話ですが、18歳から70歳まで厚生年金に加入して52年間保険料払っていても、40年分しか反映されません。

年金受給できる65歳まで働こう!って思って働いている人の納付している厚生年金保険料の一部は…どこいっちゃうんでしょうね?

もちろん大卒の方などで、20歳から22歳までは学生納付特例で猶予になったまま納めていない…という人は、60歳過ぎてから厚生年金保険料を納めることで、老齢基礎年金に相当する額は老齢厚生年金部分で増えます。

それでやっと本題に入るわけですが笑
国民年金が65歳まで納付延長になって、老齢基礎年金額もその分増えるのであれば、今現在60歳以上で厚生年金保険料を支払い続け、一部掛け捨てと同じ状態になっている人にとっては、めちゃありがたい話じゃないですか?

60歳から65歳までの今まで保険料納付しているにもかかわらず反映されなかった部分が、今と同じ条件で将来の年金額に反映されて受給額が増えるんですよ。

国民年金だけを負担している第1号被保険者の方にとっては負担が増える!と思われる気持ちもわかるんです。

でも長い間、厚生年金保険料を納めてきた人ほど、自分が収めた保険料の一部が自分には反映せずに誰かのために使われているのも事実なんですね。

年金制度そのものが賦課方式なので、保険料がそのまま自分に反映しないのは当たり前のことなんですが、とはいえ…です笑
まったく保険料を納付していない人でも年金を受給できる人がいるのは、国の生活保障として必要だと思う反面で、やっぱりきちんと払い続けている人が報われる制度であってほしいなと思うのですよ。

あと、受給開始年齢が70歳まで延びるんちゃうん?っていうのも十分あり得ると思ってはいますが、今の特老厚と同じく段階的に延長されるはずなので、かなり先の話ではないかと思っています。

どうしても、税金や保険料=とられる!っていうイメージが多いとは思うのですが、ちょっと視点を変えてみるとメリットもあるんだよってことを知ってもらえればなーと思ったりしたので、参考になれば幸いです。

この記事が参加している募集

#お金について考える

37,284件

サポートいただきました分は、noteの制作に当てさせていただきます。