朝っぱらからえげつないモノを見た話。

注:かなりショッキングな内容となっております。閲覧の際は自己責任で。二度とこのような事が起こりませんように。


私の通っている学校は坂の上に建っていて、通学時は毎日急な坂を登って行かなくてはならない。普通に歩いて登るなら別にどうってことないのだが、自転車通学の生徒にとっては地獄だろう。辛いなら押せばいいのに。

今日はこの坂道で起こった、少し奇妙な出来事について話すとしよう。

5月7日

今朝は母親の車で途中まで送ってもらい、遅刻するかしないか微妙なとこだな…とか思いながら、お世辞にも急いでいるとは言えないスピードで歩いて学校に向かっていた。

すれ違う数台の自転車、仲良さげに歩く中学生達、向かいの道路にはやたらお洒落なランドセルを背負った小学生達。いつもと変わらない、見慣れた景色。嫌になるくらい通った道。
そんな道でトラウマを植え付けられるなんて、誰が思う?

ドラッグストアを少し通り過ぎた所。坂道の手前で、私はソレを見つけた。
最初は色と形からして、割れたキノコだと思った。学校の敷地内の林に、似たようなのが生えていたから。

でもソレは違った。 すぐに分かった。
亀だった。亀の死骸だった。ひっくり返った状態で甲羅が砕け、中身が無惨に抉り出された亀の死骸だった。1匹ではない。少し行った所にもう1匹。

え、

私は無表情で通り過ぎた。
後ろから「うわ!!見たくねぇー!!!」と笑い混じりの声が聞こえ、数台の自転車が私を追い越して行った。私は無言で絶句していた。

亀?何故こんな所に?誰かが放した?
やめろ。カラスに襲われたんだ。でもあそこまで甲羅って砕けるのか?まさか人間

やめろ  やめろ  やめろ

そんな事考えが頭の中をぐるぐるとまわった。
気持ち悪い。

学校には遅刻ギリギリで到着し、授業も普通に参加したが、もはや授業どころではない。
「またあそこを通るのか?」頭の中はそれしか考えてなかった。

そして放課後、私は意を決してあの坂道を通った。亀は1匹、割れた甲羅だけが残っていた。私は表情ひとつ変えず、通り過ぎて行った。

あの2匹はどういう経緯であの場所に来たのか、何故殺されなければならなかったのか。無関係な私には知る由もなかった。













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