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「今、褪せて見える男性諸君へ」

なんの後ろめたさかわからない。

女のひとが活躍してると、率直に嬉しい。

そこには、男には出来ないような美しさもあるし、なんだかとても「やり返せた」感じがする。

僕が男の側であるにもかかわらず。

人類史という借金

人類がいわゆる猿よりもはっきりと人類らしくなったころ、どんな暮らしをしていたのかも、科学技術の進歩で徐々に明らかになってきている。

すべてアフリカで起こったことだと、みんな思ってた。

ところが、ユーラシア大陸全土で、各々別々に進化したその一群が、再びアフリカに戻り、それが人類となったという説も有力になりつつある。

すでに、別の野蛮な猿だとも思っていた、ネアンデルタール人やデニソワ人などの旧人との交雑も明らかになってる。

日本人である僕もその血を引いているのです。

だけども、そんなことよりも、もっともっと、うんと昔から、「男と女」は存在したのです。

でもさすがに、えんえんと振り返るのは酷だろうので、せめて文字で記録された「有史」とされる範囲とでも言いたいのですが、今や遺伝子解析(DNAが無事ならどんな昔の生物や感染した病原菌ですらわかっちゃう)や、放射性炭素年代測定(マックスで6万年前まで判別できちゃう)で、骨や道具から見たくもないようなものまで見えてしまう時代になっちゃいました。

なんせ僕ら、300万年だか400万年前には、もうちゃんと猿じゃなくなってて、そこから長らく芽が出なかったのかもしれませんが、ざっくり最終氷河期の終わる13000年〜10000年前あたりには、待ってましたと活躍し始めました。

まぁ、その「ご活躍」なんですが、もう見るに耐えないくらい凄惨だったりもするんですよね。

変なドラッグキメて妄想を叫ぶひとが指導者だったり、それ用に育てた人間を生贄に捧げちゃったり、侵略してレイプして奴隷にしたり、愛と平和どこへやらの騙すわ殺すわの歴史でもありました。

今でこそ、仮想通貨で何億も稼いだりしてもなんかの拍子に全部消えて首をくくるようなひとも居たりと、腕力の関係ない時代になってきましたが、過去いつの時代も、権力の実行は腕力で行われてきました。

そして平均すると少しだけ女性より男性のほうが力が強い。
(個別には逆の場合もあるし、あくまでステレオタイプなはなし)

男女間のわずかそんな微々たる差も有利に働き、みごと男性に有利な社会を築き上げてきたのです。

10000年分の反省文

そんなことだから男は、ざっくりむこう10000年くらいは女性に有利な時代が続いても文句は言えない立場なんですよ(それでもうんと少なく見積もってるわけですから)。

ではなんで男は、こんなことをしでかしたのか?

哺乳類はそもそも、妊娠から出産までが全部メスの体内で行われるという、格別に偏った仕組みによって繁栄してきた種族なので、すでに色々と不条理なのですが、そのせいでどうしてもメスは内臓に、オスは腕に重きを置いて分化せざるをえない事情がありました。

メス側に負担の少ない種族では、矮雄(わいゆう、なんか安そう)と呼ばれる、メスよりも極端に小さいオスが居たりもするし、卵生の種族では、産んだら卵はオスに託して、オスだけが育児するパターンもあります。

要するに人類は構造上、女性が出産と育児を集中して担当するというふうに進化してきてしまったわけです。

現に女性の寿命が男性より長いのも、閉経したのちも長生きして子や孫の育児を手伝うことにメリットがあった結果で、逆に身体能力的に低下して育児もしない男性の高齢者の存在に大したメリットは無かったとも言えます。

なんとまぁ、女性は仕事が多い上に残業まであると。

栄えある男の世界

じゃ、女性が働いてるあいだ、男性はなにをしてるのでしょうか?

先住民などの、より原始的な生活をしているひとたちの研究から見えてきたのは、更にイヤ~な結果でした。

狩猟採集民の多くは、男性が狩猟、女性が採集と、ざっくり分担してるのですが、なんと男性にとっての狩猟は主に家族や集団を養うためではなく、男性同士のコミュニケーションや、もはやゲームとしても機能してるようです。

男性同士で狩りに出かけて、行った先で仕留めた獲物を食べてしまい、そのあげくにえんえんと狩りの話をするのです、男性だけで。

男性が帰ってきたころには、女性だけで集団を養えるほどの採集が済んでいるという、それも出産と育児をしながら。

農耕民は農耕民で、男女ともに農作業にいそしみますが、農閑期などには、男性は原始宗教などにもとづく儀式に夢中で、これまた日々の営みは女性が全部やっていたりするんですね。

もちろん、飢餓的状況が近付くと話は別ではありますが、なんとも、いたたまれない。

男って、実力をチラつかせてるだけの非常要員なんでしょうか?

(そして、男性の儀式好きは現代でも変わりなく続いていて、経済的には稼いでいても生活に直結したことはなにひとつやってなかったり、社会の中での立ち位置を重視して本音よりも建前の中で生きている、そう、すべて仮想の中なんですよね生きているのが、更にはそうして男性は社会やシステムに守られてるので厄介なんですよね、実際に大学で減点されて落とされてますからね女性は)

なんで半々で産まれてくるんだ

まぁ、ほっとんどの生物はオスとメスの性比が1:1なんですよね。

考えたら不思議なことですよね、男女でこんなに役割が違うのに。

でもそこは上手いことなってて、どちらかの性が少なくなると、その少ないほうの性は競争相手が少なくなってより繁殖に有利(ようは極端な話、ハーレム状態に近付くということ)なので、少ないほうを多く産む遺伝子のほうが有利になって増えてくんですが、それ以上は増えすぎても今度は逆のことが起こるので、元の半々に戻るわけです。

それなのに、発生の段階までさかのぼると、オスは「オス化遺伝子」の働きでオスになるわけで、元の状態をなにもせずにほっとけばみんなメスになるという、メスのほうがオリジナルと言えるような気もするわけです(メスに対してのオスがエラーとまでは言いませんが)。

実際に動物としては、人類もこないだまで母系社会だったわけですし。

男に生まれちゃったらどうしたらいいですか?

さて、哺乳類である以上、人類は女性が妊娠出産育児をしなくてはならなかったのに対し、男性は負担が少なく、圧倒的に多くの子孫を残すことができるにもかかわらず、産まれてくる男女比はおおよそ1:1です。

一世代で残せる子供の数で言ったら、女性より男性のほうが10倍ほど多いです(まぁ、男はセックスして逃げるだけで、それがレイプだったとしても、昔は中絶の技術も乏しかったので、最悪なやつですら子孫を残せたという惨状)。

でもそれは「残せたらば」のはなし。

ようするに1:1で成り立つのは、そもそも女性の数のペースでしか増えようがないし、大半の男性は繁殖の機会がないか、じゃんじゃん死ぬようにできてる、オーバーフロー型なのではないかと。

大切に育まれる卵子の輪郭を女性だとすると、大量に使い捨てられる精子の輪郭である男性は、そりゃあそうです、数撃ちゃ当たる方式。

いやだなぁ〜、危ないこといっぱいして、子供も残せずに死んでいくのが本来の役割だなんて。

僕ら男性、鉄砲玉でした。

許されざる者

果たして、許してもらえるのでしょうか?

男性は妊娠出産育児をしないですんだかわりに、偉そうにしてきたわけですよ。

申し訳ない。

なので、それがあるから余計に女性が活躍すると嬉しいんです、僕。

こういう感覚自体がもう、蔑視なのかもしれません。

でも、別に手加減するとか、下に見るとか、そういうわけでもないんです。

考えてもみてください、男性がこの100年でたいした変化もなかったのに対し、女性は飛躍的に進歩しました。

抑圧が薄れてきたことや、社会で男性お得意の腕力が役に立たなくなってきてるのもあるのですが、なによりも男性にはない、今までは埋蔵資源だった本来の女性の能力そのものなんです。

それでも、女性が得するというわけではなくって、これまで損してたのが、いくぶんマシになった程度のはなしであって。

対立して男性が損するというはなしでもない(まぁ向こう10000年は損しても文句言えないですけどね)。

そもそも、男女セットで人類なわけじゃないですか。

男性もこれからは、女性に対して偉そうにすること以外になにかできることがあるはずです。

だからって、死ぬのはイヤですよ、勘弁してください。

向こう10000年は我慢しつつ、フェアな社会を目指しましょう。

そろそろ感謝しなくちゃ。

減少する日本男児

ここからはもう読まなくっていいですよ、いつものように有料ですから。

それでも「一杯奢ったろ」ってひとは、ありがとうございます。

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