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「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を見ました。

 少し遅いのですが、1997年の深夜一挙放送で初めて見た時は、月並みですが、とても強い印象と、映像のすごさは分かりました。その後、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」を見て、こうした作品に触れて育った人間に読んでもらえる文章を書くのは、とんでもなく大変なことだと、思っていました。

 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は、2度の上映延期のあと、2021年3月8日に、ようやく公開が始まり、見るべき人は、すでに見たと思いますし、すでに感想もインターネット上にたくさんあるのは知っていました。

 そうした話も読みたいけれど、やっぱり映画を見るまでは、読めなくて、何週間か時間がたって落ち着いてから、見にいこうと思っていたのに、なんだか焦ってきて、もっと早めに行こうと思い始めていました。

 この1年間、コロナ禍になって、感染リスクが怖くて、すっかり映画館から足が遠のいていて、見たい映画も見ないまま時間がすぎてきました。だけど、そんなに熱心なファンでもないのに、それでも、つい東浩紀氏のツイッターを見てしまい、ストレートな高評価で、余計に、見たいと思っていました。

 だから、中途半端なタイミングかもしれませんが、公開第1週で、4日たった木曜日に、見にいこうと思いました。ただ、その前に用事があって、それが早めに終わった上で、さらに映画館に行って、その時に空席があったら、という条件を勝手に自分で作って、だから見に行けないのかもしれない、などと、あいまいな感じで、1日を過ごそうとしていました。

コロナ禍の映画館

 勝手に焦りながら、用事はなんとか終わり、映画館に着いたら、午後3時半頃でした。
 次の回が3時45分。その次が4時30分でした。
 どちらも、「余裕があります」の○がついてました。
 「開場しました」のアナウンスが聞こえてきます。
 
 少しほっとはしたものの、汗をやたらとかいていて、シャツを着替えたいと思ったのに、まだ体が暑くて、汗が引かないので、まだしばらく時間がかかりそうだったので、迷ったのだけど、午後4時30分にした。

 いつもより、やたらと広い空間に感じた。
 チケットを買おうと思って、人がいる窓口を探したら、見当たらなくて、機械を使って、席の指定もしましたが、初めて機械を使って映画館のチケットを買えた。Eの6番の席。

 ロビーが広くて、ポップコーンとドリンクのセットを持った若い、たぶん学生の男性が何人か立っている。ガランとした中に、ポツンとした感じがして、その違和感は、いつもはあったロビーのソファーやイスがなかったことに、やっと気づく。

 入り口にはアルコール除菌があって、マスクをしてない人は入れません、といった看板もあった。今は、コロナ禍で、これだけ対策をしています、というような文章もあった。やはり、これまでとは違っていた。

 映画館の席以外に、座る場所はないようだった。

 まだ、時間はあった。

映画館のショップ

 ショップの前はロープがはられ、混雑対策をしていたのだけど、今は誰も並んでいない。その後に、立て札が立っているのに気がついたら、それは「シン・エヴァンゲリオン劇場版 プログラムは完売しました」という告知だった。

 ロープの通路を通って、ショップに入ったら、「エヴァンゲリオン」の商品が多く、そこには、またポップがあって、それには、シン・エヴァンゲリオン劇場版のグッズの購入制限のことが書いてあった。プログラムは1人2冊まで。同一商品、一人一品のみ。といったような内容だった。

 いろいろと見て、食品まであったけれど、プログラムを買おうと意気込んでいたのにそれはなかったから、それで、メモを買った。ほぼ400円。

 体がやっと少し冷えてきたので、それから、トイレに行って、シャツとTシャツまで汗で濡れていたので着替えて、これで準備はできたけど、まだ時間があった。

映画の開始

 中には座れる場所がないから、外へ行った。
 ドアの外には、花壇みたいな場所があって、そのへりに、先に若い男子が5人ほど座って、楽しそうに話をしていた。そこから、距離をとって、座って、少し何かを食べて、さっき自販機で買った缶コーヒーを飲んで、読み始めていた本を読んだ。

 さらに、ペットボトルが空いたので、それを捨てようと思って、エスカレーターを下って、捨てるついでに、そばのベンチが空いていたので、そこに座って、さらに本の続きを読んだ。
 すぐそばのレストランの窓には「時短ビュッフェ  45分コース  500円引き」の文字が見える。

 あと10分だった。
 またエスカレーターに乗って、入り口へ行った。

 チケットを見せて映画館に向かおうとしたら、入場者プレゼントのシートを渡された。
 うれしかった。

 映画館に入ったら、先には5人くらいだった。
 かなり空いていた。
 私よりも前の座席には誰も座っていなかった。
 始まる時には20人くらいに増えた。
 それでも私は一番前だった。

 最初は、ここまでの「新劇場版」3作の映像でのダイジェストだった。
 濃密な画面に、気持ちが乗っけられてしまっていた。

 そこには、それまでの時間もあったように思った。

映画の感想

 ここからは、映画の感想です。
 ネタバレ、というほどではなく、ぬるい文章に思われる可能性も高く、短い文章ですが、まだ映画を見ていなくて、なんの先入観を持ちたくない方は、読まない方がいいと思います。

 宇多田ヒカルの歌声が流れる中、全てが終わった後は、とても遠いところまで行って帰ってきたような感覚でした。

 途中で映画が長いとも少し退屈だと思った部分もあったのですが、それは、全てにきちんとした「落とし前」をつけるためだと思えました。

 さらに、これだけ全部を忘れずに形にしていけるのですから、作る側の、色々な意味での持久力も感じたし、おかげで、個人的には1997年の深夜の一挙放送で初めて見てからなので、関心の濃度は薄いかもしれないけれど、それでも、24年ぶりに、きちんと終われた感じもしました。

 だから、今回の上映時間の2時間35分の長さだけでなく、個人的には24年を終わらせた長さがあったので、遠いところへ行ってきた感じになれたのだと思います。

 今回、見る前に、関係者試写会をやってまで、ネタバレがないことに関して、勝手な予想をしていました。今回見て思ったのは、内容への尊重と、あとは、簡単にまとめられないストーリーだったことの、複合的な理由だったと改めて思いました。

時間の流れ

 夜中まで少しふわふわしている一方で、妙に覚醒しているような感じが続きました。

 きちんと終わってくれたので、次がどうなる、という思いがないぶん、過去を振り返ることが自然にできるようになったので、自分なりの思い出を振り返る作業をしていて、時間を遡っていたのかもしれません。

 それでも、他の人がどう考えているかも知りたくなり、いろいろとインターネット上の文章を読んで、夜中が深くなっていくのが、エヴァンゲリオンなのかもしれません。


 個人的には、1999年から、2018年まで介護をしていて、仕事をしないで介護に専念してきた時期も15年ほどはあったので、その時間に対して、こんなに歳をとってしまった、というような思いや、その歳月への取り返しのつかなさに薄い絶望感をおぼえる時もあり、突然、終わったことに、それまで、ある意味では、止まった時間の中にいたような気さえしました。そして、それだけの長さの時間がたったことへの納得感を持つことが難しかったのは、覚えていますし、今も完全に納得できていないように思います。

 それでも、少しずつ、その歳月への意味づけができるようになると、そこで初めて、時間がまた先へ流れ出していくのだと感じています。

 エヴァンゲリオンに触れたのが1997年で、それから、分からないまま時間がすぎて、それほど熱心でなくても、どこかで気になり続けてはいて、「Q」で、さらに話が広がりすぎたように感じたまま、また短くない時間が流れ、それでも終わらせてくれたことで、その時間の意味がつき、個人的には、時間の流れが整っていくような予感はしています。





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