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「不安の青空 再び」。2020.11.14.

   3日連続で東京都内の新しい感染者は、300人を超えた。8月の時よりも、全国では過去最高の感染者になった、というニュースが流れ、翌日には、その数字をさらに上回っていると伝えられた。そんなに熱心に見ていなくても、ただ不安になる。

 2週間くらい前の土曜日は、ここ半年くらいでも、自分が移動する範囲内だけど、もっとも人出が多い印象(リンクあり)だったし、その頃は「旅行へ行こう」というGoToキャンペーンを政策が後押ししていて、だから、今、新たな感染者数が過去最高になっても、それは、ある意味仕方がないのではないか、という気持ちにもなる。だけど、今日の朝のテレビでは、GoToキャンペーンは経済を回すために必要です、みたいなことを迷いなく、滑らかに話す中年男性の揺らぎのない姿を見て、より不安と怖さを感じる。

不安の青空

 いつものように午前9時前に出かけて、温度も少し暖かいと天気予報で言っていたのだけど、なんだか寒く感じ、マフラーを今年初めて巻いて、空を見上げ、青くきれいだけど、ただ不安な気持ちになる。

 歩く先のガードレールのところに、大きめの何かを持って、道端に置いて、戻って行った女性がいた。近づいたら、それは、土鍋とアルミらしい大きい二つの鍋だった。今日は、燃えないゴミの日だった。

 マフラーをしている人も、ちらほらといる。

 駅前の1000円カットの床屋には、微妙な「距離」をとった男性たちが4人並んでいる。最近では多めの人数だった。

 最寄りの駅のホームに着いたら、20人くらいいる。来た電車に乗ったら、人はけっこういっぱいで、座席はうまっていて、人は立っていて、駅が来るたびに人が増えて、くっつくくらいの距離感になってくる。窓は少し開いている。

 昨日、感染拡大のニュースを見たせいか、夜中に熱っぽいような気がして、さっきは息苦しいような感じもしたが、おそらくは不安のせいだろう。電車内の人たちは、そんな揺らぎがあるようにも見えず、いつもと変わらないように見える。

 電車を乗り換える。
 感染が広がると、注意はやたらと呼びかけられる。自分でも注意を続け、外出を減らして、仕事も増やせず、これ以上、どうすればいいのだろう。持病を持つ家族がいるから、重症化した時には、素早く治療を受けられるようになっていれば、安心なのに、それを思うこと自体も無意味だったり、ワガママだったりするのだろうか。

 病院の体制は、まだ大丈夫、という話は何度も聞いているのだけど、これ以上、感染者が増えていく可能性も高いのに、病床を増やしたりしているのだろうか。感染の疑いのある時に、その対応が素早くなった、というよりは、自宅待機や自宅療養を指示された、といったことばかりが目に付くのだけど、気のせいだろうか。その状況で、突然重症化したら、本当に適切な治療を受けられるのだろうか。

 そんな不安は、広がる。電車内で、セキをする人がいる。

マスクのバリエーション

 マスクの色は増えているように思う。

 真ん中で色が左右に分かれ、右半分は青、左半分は白のマスクを、若い女性が身につけていて、きれいな色の組み合わせだったが、私は初めて見た。

 座席に座っている若い女性はロングの髪を濃いめの紫に染め、それに黒いマスクをあわせていて、それは強めな組み合わせで、かっこよく思えた。

不運について

 不安が、不運を考えさせる。

 重症化する辛さに関して、ツイッターで見かける。感染者に対しての尊重もある、専門家の見解は、そう言ってくれる人がいるだけで、ありがたいような気持ちにもなるけれど、でも、どれだけ気をつけても感染してしまうことはある。

 感染は、基本的には不運なことであって、自分だって、分からないが、持病を持つ家族がいて、重症化のリスクは高いわけだから、感染拡大は、よけいにこわい。マスク不要論を主張する人(ほんとにそんなにいるのだろうか)もいるらしいけど、自分も健康で周囲も健康で若い「恵まれた環境」なのだろう。だけど、基本的には、マスクは自分のため、というよりも、自分からは見えない場所の、誰かの重症化を防ぐためのものなのに、とは思う。

 自分が運が強いかといえば、まったく自信はない。

 セキが聞こえる。

 大きい駅に着く。
 人が降りて、人が乗ってくる。

 空席がそばにできたけれど、「距離」がないので、座るのをやめ、その向こうに「距離」を保てそうな広い空席ができたので、一歩踏み出そうとしたら、後ろから歩いてきた中年男性が、あっという間に、その「距離」が保てる席に座ってしまった。

マスクのファッション

 電車を降りて、駅構内を出て、歩道を歩く。

 向こうから歩いてきた女性は、濃いピンクのマスクをして、それより、少し薄いピンクのコートを着ている。
 
 そのうしろからは、黒いマスクをして、濃い茶色と黒をうまく組み合わせたファッションの若い女性も歩いてくる。

 電車内で見た女性もそうだし、こんな状況でも、適応して、より魅力的に見せる努力は続いているのだと思った。


 それでも天気が良くて、青空が、こんなに不安に感じるのは(リンクあり)、久しぶりだった。



(これまでも、コロナ禍の中での気持ちを書いてきました。↓。有料マガジンもありますが、読んでいただけたら、うれしく思います)。



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おちまこと
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