「メディアコンサルタント」の場所としての「ポッドキャスト」。
ラジオで聞く声の中で、ずっと不思議に感じている人がいた。
速水健朗氏は、ライターで、書籍も数多く出版し、ラジオ番組のメインパーソナリティも務めたことがあるから、幅広く活躍している人という印象だった。著作も読んだけれど、冷静な視点で出来事を整理して語れる人だと思った。
声と姿
たぶん、誰もがしている作業だと思うけれど、ラジオで声を聞いているときに、自分の中だけの勝手なイメージに過ぎないが、その話している人の姿が浮かぶ。
それは、実際に映像などで見たときに、具体的な顔つきは違っていても、その印象は、そんなに大きく違うことはなかった。さらには、もし違っていたとしても、実際に姿をメディアで見かけた後は、声を聞いたときに、そのイメージが自然と修正できた。
ただ、個人的には、速水健朗氏だけが違っていた。
声を聞いて姿をイメージして、写真や動画などで見かけると、ギャップが大きかった。もっと年齢が上で、さらには硬い表情の人、という印象だったのに、若く現代的な顔をしていた。
それは、実際に会ったわけでもないのだから、ちゃんと見ていないだけかもしれないが、何度、イメージと映像の差を修正する作業をしても、そのギャップが埋まらなかった。それが、どうしてなのか分からなかったものの、気になっていた。
その速水健朗氏が、おぐらりゅうじ氏と、ポッドキャストを始めたとラジオで聞いた。さらには、津田大介氏のポリタスTVでも話をしていたので、検索をした。
すべてのニュースは賞味期限切れである
ポッドキャストにも、ゲストとして津田大介氏が出演していた。そのことは、ポリタスTVでも触れられていたのだけど、この登場は、比較的カジュアルに決まったということを聞いて、リスナーとしては、津田氏は今でもフットワークが軽いことに少し驚く。
そして、#8、#9、#10と、3回にわたって、3人での話は続いた。対話というよりは、会話に近く、それでもまじめで、正直な内容だと思った。
「メディアコンサルタント」としての力
ポッドキャストを始めたばかりの二人にとっては、まるで津田大介氏による「メディアコンサルタント」のような印象に聞こえる場面もあった。
詳細は、実際にポッドキャストを聴いて欲しいが、それでも、このポッドキャストでの津田氏の話を少しだけでもまとめてみる。(番組を聴いて、メモをしたので、細かい点の違いはご容赦くだされば、幸いです)。
自分のポリタスTVについて、アマチュアであるから断言も難しい。そして、専門家をゲストに迎えても、その紹介をして、詳細はその著書を読んでほしい、と誘導するしかない。それは、その場で完結する気持ち良さはない。だけど、とにかく断言するような方法だと、そんなやり方をしてしまったら、再生数の奴隷になってしまう。
自分(津田氏)だって、失敗をしてきた。だから、ポッドキャストだけでなく、stand.fmとかも始めて、その課金システムを使えばいいだろうし、やり方はある。なにしろ、いろいろなメディアを試してみて、何がウケるのか分からないから、とにかく、数多くすることだと思う。その上で、ダメなら、スパッとやめるしかない。
さらには、津田氏は、本の紹介をしていた。
この内容について、津田氏は、お客さんに、いつもちょっとの不満を抱えさせていることが大事、ということを書いていて、そのことが大事だと思ったと感想を述べていた。
やや粗い紹介になってしまって申し訳ないのだけど、この番組を聴いていて、津田大介氏は、数多くの経験をしているし、「メディアコンサルタント」といった仕事があるとすれば、すごく力がある人だと、自然に思った。
感情と言葉
とても個人的な感覚に過ぎないのだけど、この番組での速水健朗氏は、これまでとはちょっと印象が違っていた。
これからどうしたらいいのか。大げさな感情表現はしないものの、本気で悩んでいるのではないか、といったことが、リスナーにも伝わってきたように思えた。これまでにラジオなどで聴いていた声は、常に冷静で、感情を伴わずに話しているように思えたから、このポッドキャストは、意外でもあったのだけど、リスナーと話し手の関係とはいえ、少し距離が近くなったように思えた。
それは、とても個人的な感傷に過ぎないかもしれないが、もしかしたら、こういう機会が増えると、声で浮かぶイメージと、実際に映像で見かけるときの姿のギャップは、自分の中では小さくなっていくのかもしれない、とも思った。
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