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三つめの「幸運」を、自然に待てる人。

 朝起きたら、玄関のそばで、妻がニコニコして、話してくれた。
 それは、二つの、妻にとっては「ごほうび」について、のことだった。

ハートの葉っぱ

 妻は、朝起きて、家の前の掃除をしている。向かいのマンションの管理人さんや、ご近所の方が、うちの前まで掃除をしてくれることがあるので、どうしようかな、と思いながら、お隣さんの前の半分くらいまで、ホウキではいていたら、葉っぱがあった。

 小指の先くらい小さいし、何の葉っぱか分からなかったけれど、ハートの形をしていた。

 すごい、ミニハートだ。

 掃除をした、ごほうびのようだった。

柿の葉

 秋になって、柿の葉が色づいてきて、先駆けのように、毎日、葉っぱが庭に落ちている。
 今年も、始まりだなあ。と思っていたら、今日は、しっかりと色がついた葉っぱが落ちていた。

 「第一号」だと思った。

 きれいだったし、それで、今日は、あと一つ、三つ目もあるんじゃないか、と思った。

三つめの幸運を待てる人

 妻は、そんな話をしてくれて、この内容は、その後に、妻にもう少し詳しく聞いた部分も加えているのだけど、何しろ、二つ「いいこと」があって、そうしたら、もう1回、あるんじゃないか、と自然に思えることが、なんだかすごいと思っていた。

 それは、強欲とか、欲張りとかいうのではなくて、三つ目があったら、楽しそう、といった素直な気持ちの流れのように聞こえてきて、こういう穏やかな楽観性のある人と一緒にいるから、物事を暗く考えがちな私も生きてこられたのではないか、と思った。

撮影

 その話を聞いたのが、朝方で、実際に「ハートの葉っぱ」と「柿の葉」の実物を見たのは、午後になった。

 柿の葉は、きれいだったけれど、葉っぱの方は、ハートに見えなかった。私は、少し乾燥して丸まったのかな、くらいに思っていた。それでも、それを並べて写真に撮った(見出し写真です)。

「別人みたいだった。なんでだろう。こんなに形、変わっちゃうんだ」

 妻は、残念そうだった。

「もしかしたら、これじゃなくて、本当のハートは別の場所にないかな……」

その後のハート

 翌日、台風が近づいていた。

 妻は、今月は、ゴミ当番ということもあり、収集車が来たあとに、向かいのマンションの管理人さんと一緒に、ゴミを保護するためのネットをたたんだ。

 その後、前日の「ハートの葉っぱ」の疑問が解けず、やっぱり、別にあるんじゃないかと思い、探してみた。玄関そばの、机周辺を探した。最初は、下に落ちていると思って、見たら、なくて、もう一度、机の上を見たら、裏返っている葉っぱがあった。

 これかな、と思って、ひっくり返したら、「これじゃーん」となった。

 手を洗うついでに、葉っぱも洗って、持ってきて、私にも見せてくれた。

「小指よりも、少し大きいかな」

 収集車が来て、外へ出てから、いつもよりも時間がかかっていたので、大丈夫かな、と思っていたら、そんな時間があったようだ。

 本当にハート型だった。

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 どうして見つけられたのかを聞くと、「だって、違う、っていうのが、気になるじゃん」と答えてくれた。妻は笑顔だった。

 「だから、いま、スッキリしてる」。




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