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「SK ライン」の解釈の違いで、もめる時

 くだらない話で申し訳ないのですが「SKライン」は、「絞り切るライン」の略として、勝手に、作ったばかりの言葉です。
 歯磨き粉シャンプーなど、夫婦でも個別に使うものだと、それほど気にならないようですが、カラシしょうがなどのチューブや、マヨネーズボディシャンプーなど共有しているものの場合は、「SK(絞り切る)ライン」の解釈の違いによって、微妙にもめたりすることがあります。

歯磨きを絞り切ること

 歯磨き粉は、(もう粉という表現はなじまないと思いますが)チューブを絞り切るために必死になる、ということを、長い年月、繰り返してきました。

 昔は、アルミというか、金属製のチューブだったので、とにかく残り少なくなると、それまでは、わりと真ん中あたりから適当に押していたのに、一番下のほうから、丁寧に巻き直して、残っている中身を、少しずつでも出口付近に持ってきて、そして、押し出す、ということを続けてきました。

 毎回ではありませんが、そういう押し出す作業で、出口付近の出すところも金属製なので、固く、そこへ力一杯押すので、指先が痛くなっていましたが、歯磨き粉のチューブは、いつの間にかプラスチックのような柔かい素材になり、それは、押す時にとてもスムーズになりました。(正式にはラミネートチューブというようです)。

 昔のアルミ製というか、金属製みたいなチューブの時は、最後に押すのに力が必要だったり、押せても痛かったりしたので、残りが少なくなった時に、チューブをはさみなどで切って、広げて、そこに歯ブラシを入れて、歯磨きを使って、歯を磨く、という作業をしている家庭も少なくなく、私も数回おこなったことがあります。それは、もったいないだけでなく、よく分からない意地みたいなものかもしれませんが、不思議なことに「チューブ絞り器」を買う気は起きませんでした。

 

 ラミネートチューブになってから、歯磨きが少なくなった時に、チューブをギューっと押すのは、以前と変わりません。ただ、ラミネート製になって、変わったのは、押して、とても残り少なくなった歯磨きが、その出口から、ちょっと顔を出して、そこで歯ブラシにつけようとして、少しでも押す手がゆるむと、顔を出した歯磨きがまたひっこんでしまいます。金属製ではなかったタイプのイライラです。

 そうすると、また押さなくてはいけなくて、顔を出した瞬間に、歯ブラシにつける、ということをしようとして、ちょっと油断をすると、また引っ込むということを繰り返すので、さらにイライラはするものの、それでも、押すタイミングによって、思った以上に多い歯磨きが出てきて、歯ブラシにつけるのに成功した時はうれしい、と思えます。

 それからも何度か、それをしていて、そして、ほぼ空になるまで絞り切れたチューブは、内部の空気がほぼなくなるので、それで、ラミネートチューブは曲がったまま固定され、その形は何かのオブジェみたいになり、場合によっては、面白みが増します。

薬やシャンプーを絞り切ること

 たとえば塗り薬があって、そういう入れ物は、今も金属製のものが多いような印象があります。それで、以前の歯磨きと同じように、残りが少なくなったら、そのチューブを下から巻いて、残りを集めて、押し出すの繰り返しです。妻が使っている薬だと、妻は、もういいよ、と言ってくれているのだけど、どこかで、もうちょっといけるんじゃないか、もう無理そうに見えて、まだ出る時は、やっぱり変な達成感があって、なんだかうれしい気持ちになります。

 ただ、金属製のチューブなので、押すときに、やっぱり指は微妙に痛いのですが、その感じは、すでに、ちょっとなつかしいように思います。それでも、押して、出して、もう無理だと思うくらいに押して、そのうちに、最初のチューブの何分の1かになるくらいに小さくなっていて、金属製なので、固まりのようになりました。


 シャンプーは、メリットをもう何十年も使っているのですが、ボトルを買って、あとは詰め替え用を買って、なくなると、入れ替えます。その詰め替え用の袋なのですが、入れ替えにかなり時間がかかっていたのが、おそらく要望があって、どんどんスムーズに、時間がかからずに、入れ替えができるような形態に変わってきました。現在のものは、フタをあけて、ボトルにつけて、上からぐっと押すと一気に中味が出て、重力も有効に使えるシステムになっているので、以前より早く、入れ替えができるようになっています。(みなさんご存知の事なので、繰り返すのも、申し訳ないのですが)。

 だから、以前よりも詰め替えは、快適で時間短縮も可能になったと思うのですが、それでも、貧乏性のせいか、一通り、詰め替え用のシャンプーの液体がうつったと思ってから、ギューっと押して、さらに、何度か、容器の下からしごくように中身を出すと、まだあるので、出して、それから、まだ出しての繰り返しで、やっぱりその容器は空気が抜けて、またフタをすると、ゆがんだ形で固定されます。

マヨネーズの「SK(絞り切る)ライン」のことで、もめる時

 そうした個別に使うものに関しては、それほど問題はないのですが、夫婦で一緒に使うものに関しては、「SK(絞り切る)ライン」の解釈の違いで、微妙に揉めることがあります。

 たとえば、カラシやしょうがなどは、今は歯磨きと同様にラミネートチューブを使っていて、それも残りが少なくなると、私はギューと押してしまうのですが、妻はチューブの底の部分を持って、何度も強く振ることで、残り少ない中身を使うという方法をとっています。

 妻は、この「SK(絞り切る)」のことを改めて聞いた時に、「一度、フタがゆるくて振って、中味が散らばって、怒られた」という話を言われたので、また、なんだか気まずくなりました。申し訳ない気持ちにもなりました。わたしも、今はギューっと押す方法と、底を持って振る方法の、両方を使うようになりました。


 マヨネーズに関しては、いまだに時々、もめます。
 どちらかといえば、私のほうがマヨネーズ好きですが、マヨネーズを使っていて、残り少なくなると、ギューっとして残りを出すのと、あとは、容器を逆さまにしておくと、残ったわずかなマヨネーズが少しずつ下がって、たまって、まだ少し使えるようになります。

 そうやって使っていると、妻に、途中で、「もういいんじゃない」、といったことを言われますが、それを、「もう1回だけと言って、冷蔵庫に逆さまに入れたりしています。ただ、妻にしてみると、もう捨てたと思っていたマヨネーズが、まだ冷蔵庫にあって、イラつくらしいです。

 妻は、残り少ないマヨネーズと、新しいマヨネーズの2つが冷蔵庫のスペースを占めてしまっているのが気になること。それに、新しいものを使う気持ちよさに行きたいのに、私が、まだ古いのを使おうとしているのが、嫌みたいでした。同時に、私がマヨネーズの使える限界を超えて、まだ絞り切ろうとしているところには、ちょっと感心もしているようです。

 それは、わたしのほうが、貧乏臭くて申し訳ない気持ちはありますが、マヨネーズは透明の容器で、まだちょっとだけど、マヨネーズが残っているのが見えるので、それは丁寧に逆さまにしていけば、本当にほぼ透明になるまで使えるので、粘っているのですが、その理由を言っても、そんなに納得はしてくれません。

 このことは、今でも時々、もめますが、今回、改めて妻の気持ちを聞いて、これから、そのつど話しあって「SKライン」の調整が必要だと、改めて思いました。

ボディーシャンプーの場合

 それから、シャンプーはそれぞれが違うものを使っているから、私が、残り少なくなって、入れ替える前に、一度は本体の容器に、お湯などを入れて、薄めて使ったりしていても、妻には、ほぼ関係がないのですが、一緒に使っているボディシャンプー、「SK(絞り切る)ライン」の違いがあらわになってしまうことがあります。(このあたりの話は、このことだけで、とても貧乏臭くて、不快になる方がいそうです。すみません)。

 妻が、ボディーシャンプーを使い切りそうな時に、確認してくれます。「もうボディシャンプーがなくなって、替えたいけど、薄めて使うでしょ?」と言われて、そうやって、わたしは、1度は使うのですが、妻は、すぐに新しいものに替えたいのに「薄め待ち」をするのは、微妙に嫌なことも、今回、話を聞いて、分かりました。

 なんだか申し訳ないので、これからは、話をして、調整をして、なるべくお互いが気持ちよくなるようにしたいと、改めて思いました。

絵具のこと 

 そのついでに、絵具のチューブの話になりました。
 昔は、アルミというか金属製だったから、残り少なくなると、しぼるのに力はいるし、ギューっとすると痛い時もあるし、さらに、絵具のチューブは薄いから、絞ろうと巻いていって、小さくなっていく途中で、そのチューブに穴があいて、絵具が、思った以上に手に、たっぷりついて、あ、と嫌な気持ちになることまでありました。

 今は、チューブがビニールというかプラスティック性なので、そんなことはなくなっているだろうから、それは快適で、ちょっとうらやましいという、思い出や感想に関しては、ほぼ一致しているので、ちょっと楽しく、なつかしい気持ちになれました。


「SK(絞り切る)ライン」で、もめることは、どこでもありそうです。 それは単にもったいない、とか、貧乏くさいだけでなく、まだ使える、といった妙な達成感や、変な意地もあるので、その「SKライン」の感覚が、ぴったり一致する、なんてことはあるのだろうか?とは思います。

 そして、もっと裕福だったら、もともと「絞り切らないのではないか」と夢想もしますが、それはそれで、また違う不一致点はあるだろうから、どちらにしても、一緒に暮らしていく場合には、マメに話し合って、なんとか折り合っていくしかないのだろうと思いました。



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