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「暑がりから寒がりになって、困ったこと」。

 それは、共感してくれる人も少ないかもしれないけれど、荷物が増えることだった。

暑がりの頃

 小学生の時は太っていた。中学生から運動部に入ったせいもあって、肥満ではなくなった。就職してから動かなくなり、一気に体重が増えた。

 小学生から、大人になるまで、肥満体の時も、そうでない時も、ずっと暑がりだった。さらに汗っかきだった。

 肥満体で、汗っかきというだけで、夏には避けられがちな人だったはずだけど、当事者だった時は、それほど感じていなかった。

 汗をかいて、体が冷えることが、心良く、乾いて、そのまま着ていることが多かった。

 暑い季節に外出して、室内に戻ってくると、「雨が降ってきた?」と真顔で言われることも少なくなかった。それだけ汗まみれだったのだと思う。

 今の自分が思っても、そのことにあまり意識的でないとしたら、避けられてしまうし、場合によっては迷惑だし、満員電車などではそばにいたくない人間だったと、改めて分かる。

 だけど、夏は冷房が好きだったし、低めの気温が気持ちよかったし、その時に汗をかいていて、それが冷やされるとしても、全く大丈夫だった。

 だから、暑い季節は、外出する時に、着替えを持つこともほとんどなかったから、荷物も少なくて済んでいた。

寒がりの時代

 40歳を前に、いろいろとあって、体重を落とすことにした。少しずつ減らして、合計で20キロほど減ったが、それで、だいたい高校時代と同じくらいの体重になった。

 明らかに寒がりになった。

 それまでは、皮下脂肪の力を信じていなかったのだけど、やはり、保温機能としては優れていたのかもしれず、寒い時はもちろん、夏でも冷房がつらくなった。

 東京都内で、地下鉄の三田線に乗る時は、特に冷房が強く、最初は半ソデのTシャツでも平気なのだけど、少し経つと、長ソデのTシャツを着て、30分ほど乗るときは、そこにウインドブレーカーを着ても、まだ少し寒かった。

 真夏でも、そのまま電車を降りても、体の中から冷えているようで、気温は30度を超えていたと思うけれど、しばらくウインドブレーカーも脱げず、そこで知り合いに会うと、少しの警戒の気配と共に、どうしたんですか?といった言葉をかけられることもあった。

 夏に、六本木の森美術館へ行くと、多くの場合、これでもか、と冷房が効いていて、あそこは、高層ビルの最上階のはずだから、寒さから逃げ場のない気持ちにもなり、何枚も着て、さらには、薄いセーターも持っていくこともあった。

 冷房は29度くらいに設定して、それでもしばらく経つと、すぐに寒くなって、スイッチを切ることが多くなった。

 同じ場所にいて、18度設定で、まだ足りないといった発言をする人もいて、おそらく昔は、自分がそういう人間だったはずなのに、すでに、質の違う人たちに見えるようになった。

増えた荷物

 夏でも、Tシャツ一枚で出かけたとしても、冷房で寒い場所に行く可能性もあるから、長ソデのTシャツとウインドブレーカーと、寒さの程度が分らないから薄めのウールセーターも持っていく。

 それに、暑い季節は汗をかく。

 体が汗をかく、ということは、上がり過ぎた体温を下げるための自然な現象のはずなのに、寒がりになってから、自分でも困ったことに、汗をかいて、それによって少しでも冷え始めると、体が寒くなってカゼをひきそうな感じになって、くしゃみも出そうになるから、早く着替えることになる。

 だから、着替えが必要になる。暑い季節だと、少し外へいると、汗をかく。昔、汗っかきだった体質は変わっていないようなので、おそらくは、人よりも汗をかきやすい。

 特に暑い季節に出かけると、目的に着くまでに、まず一回汗をかくので、着替えが必要。それを基本として、どこを移動するかによって、着替えの数が変わってくる。

 夏場だと、いろいろと考えて、Tシャツ一枚で出かけたとしても、最低でも3枚は着替えのTシャツを持参するから、防寒用のいろいろな服と合わせると、それだけで、寒がりで汗っかき以外の人には、理解しがたいような荷物の多さになる。

 自分でも、いつも、その荷物の多さは、なんとかならないだろうかと思う。

 これが、寒がりになって、困ったことだ。

疑い

 もう忘れるくらい前に、ある人に、そのことで疑いを持たれたことがあった。

 どうして、そんなに着替えが必要なのか、と聞かれたので、寒がりで汗っかきなので、という理由を説明したけれど、納得してくれなかった。

 そんなことがあるはずがない。それは、汗をそれほどかいていないのに、神経質なだけではないか。

 そんな言葉が返ってきた。

 だけど、そうではないことを、再び説明しても、何度か伝えても、どうしても、私が “必要以上に神経質ではないか” という言葉が繰り返された。

 話を終わりにしたいので、こちらから、もし嫌でなかったら(嫌に決まっているのだけど)、今、汗をかいて、着替えようかな、という状況になってきているので、もし、よかったら(と何度も確認して)、触ってみますか?

 そうしたら、意外にも、触ってみたい、という答えだった。

 その時の相手は女性だったから、より予想外だった。

 ここまでの会話のせいなのか、気温だけでなく、さらに汗をかいて、大げさでなく、本人にとっては、絞ると下に液体として垂れるくらいの感触になっていた。

 その人は、触った瞬間に「あ、ほんとだ」と言ってくれた。

 そのあと、トイレに行って着替えた。

黒と白

 ここからは、寒がりだけではく、汗っかきだから、着るものにも、ある種の制限があるという話です。

 Tシャツは好きで、いいなと思ってしまうと、それだけは、いつも他のことは節約しているのに買ってしまうが、気に入ったとしても、その色は確認する必要がある(自分にとって)。

 基本的には、白と黒ばかりを買っている。

 汗をかいて、最も目立つのはグレーのようだ。それにも目立つから、これはTシャツだけではなく、Yシャツもオーソドックスの一つでもあるブルーが選択できず、ずっと白ばかりを着ている。黒Yシャツも選べるのだけど、なんというか、黒を着られる人は限られているような気がして、自分には似合わないと思ってしまい、買うことができない。

 白と黒は汗が目立たないから、そればかりが引き出しには並んでいる。
 
 これは寒がりとは関係ないけれど、ちょっと困ったことかもしれない。



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