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初めて映画館で2回見た作品……『ダイ・ハード』。

 映画好きな人なら当たり前のことだろうし、今ならばライムスター・宇多丸氏がその方法をとって評論をしているのだけど、私のような一般的な人間だと、同じ映画を、映画館で2回見ることは、ほとんどない。

 それが、個人的なことに過ぎないけれど、一回だけ、2回見たことがあった。

 それが『ダイ・ハード』の第一作だった。1989年のことだった。

『ダイ・ハード』

 見る前に、どうやら大がかりなアクション映画なのは知っていた。そして、その舞台が、日本の企業も絡んでいる設定になっているのは、映画が始まって、すぐにわかった。あとから考えたら、バブル期を象徴するようなことだった。

 当時のハリウッドのアクションスターは、シルベスター・スタローンであり、アーノルド・シュワルツェネッガーだった。その二人の映画は見ていたが、そのタイトルが「コブラ」に「ゴリラ」。今考えると、どれだけマッチョなんだと思うけれど、それでも、この二人の映画は、シンプルな面白さはあった。

 だから、「ダイ・ハード」を見始めたときは、ブルース・ウィリスは、その当時は、自分にとっては知らない人で、しかも外見は比較的普通の男性で、それが、思わぬテロ事件に巻き込まれ、刑事とはいえ、たった一人で高層ビル内で、戦い続けるストーリーだった。

 それを縦軸としながら、その戦いを通して、主人公だけではなく、それぞれ困難を抱えた登場人物たちが、思わぬ成長を遂げるという横軸のストーリーも進む。

 ただのアクションというだけではなく、人が必死になり、ギリギリで格闘していく姿が、当時はとても新鮮に思え、気がついたら、もう一度見ていた。

 そんなことは初めてだった。

「考えろ」

 主人公は、何の準備もなく、事件に巻き込まれ、別居中の妻も含めて、多くの人質もとられ、外部から遮断された高層ビルの中で、大勢を相手に一人で戦わなくてはいけない。

 そして、想像もしにくい出来事も多発し、ケガもし、それでも、人を救うために、自分も助かるためにも、とんでもなく必死な時間を過ごす。

 主人公を演じるブルース・ウィルスは、絶対的な強者ではないが、その強みは、とにかくあきらめないことだと、映画を見進めるうちにわかってくる。

 Think、Think.

 何か起こるたびに、主人公は、「考えろ、考えろ」と自分に言い聞かせるように繰り返す。

 そのあとに、その考えた成果を見せるように行動し、追い詰められた状況を突破するが、また新たなトラブルが発生する。その度に、自分に言い聞かせることを、繰り返す。

 Think、Think!

 

 とても個人的なことだけど、この映画を見る前年に、契約社員を辞めて、組織で3年暮らした生活が終わり、初めての一人暮らしと共にフリーのライターになったものの、まだ仕事もほとんどなくて、先が見えない頃だった。

 だから、とにかく、どれだけ絶望的な状況に思えても、考えることを繰り返し、それを打破する主人公の姿が、とても自分の気持ちに届いたのだと思う。

「ダイ・ハード」シリーズ

 この映画は、最初は興行的に期待されていなかったのにヒットをし、主演のブルース・ウィリスをスターにし、だから、その後、このダイ・ハードシリーズは、2013年までの25年間で、5作も制作された。

 それは、すごいことかもしれないが、個人的には第1作だけが、本当の意味で「ダイ・ハード」だと思っている。


 そして、2022年、ブルース・ウィリスは俳優業を引退した。



(他にも、いろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。



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