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『あちこちオードリー オンラインライブ2024』-----「今年も夏の祭りが終わった」

 気がついたら、この『あちこちオードリー』のオンラインライブも5回目を迎えるらしい。

 最初は、コロナ禍がもっと厳しい2020年のときに始まり、個人的には携帯もスマホも持っていなくて、最初のオンラインライブには参加できず、より孤立感も感じたが、2回目からは多くの人が見たおかげでチケットのシステムもかわって、私でも見られるようになった。

 このオンラインライブで話された内容は、SNSなどでも具体的に書かない、といった約束が視聴者との間に交わされていて、それは、罰則規定などもないのだから、守るかどうかはお客の側に委ねられているのだけど、それから、少なくとも4回は、その約束が守られたから、5回目も行われることになる。

 視聴者の一人として、約束を守る楽しさと、どこか誇らしい気持ちにもなる。


申し込み

 このイベントに関しては、妻も申し込むことに積極的で、そして、それに伴って販売されるグッズも毎年のように買ってきた。ただ、Tシャツなども購入する際は、自宅で着用することが多くなるのだから、実は一番目にするのは一緒に暮らしている家族だから、妻と相談して買うことになる。

 去年までは、かわいい、と言ってくれていたのだけど、2024年のグッズに関しては、反応がよくなかった。だから、今回はグッズ購入をしないで、当日を迎えることになった。

 ただ、チケットに関しては、2種類のうち一つを選択するのだけど、これに関しては迷わず「オリジナル付箋付き」のものにした。コンビニ払いを利用するから、そこからさらにあれこれの値段が上乗せされるけれど、いつもならかなり気にするところなのに、毎年恒例の夏の祭り、という気持ちがあるせいか、仕方がないと思えた。

 それよりも、これまでは気にしていなかったチケットの購入の時期で、何しろ決まったら買っていたのだけど、少し遅れたせいか、「オリジナル付せん」は、オンラインライブ当日までに届かないようだった。

 まだ、当日までかなり日数があると勝手に思っていたのだけど、あと何日か早く購入しないと間に合わなかったらしい。

 ちょっと残念だったけれど、それだけ大勢の人間が今年も見るのだと思って、そのことについては、少しうれしかった。

『あちこちオードリー オンラインライブ2024』

 それから毎日暑いと思っているうちに時間が経って、チケットを購入した頃はまだ先だと思っていた8月の中旬になって、オンライン上でチケットを引き取る作業を行い、(といっても何回かクリックしただけだけど)当日に備えるだけになった。

 今年は午後9時スタート。去年までよりも遅い。

 夕食後に少し寝ていた妻を起こして、1年中使っているこたつの机(もちろん今は暖かい機能は使っていない)にノートパソコンを置いて、配信の画面にして待っていた。

「まもなく配信、開始いたします」

 その画面下部の文字を見つめて、21時になった。
 そんなにぴったりには始まらないか、と思って、少し待った。

 1分以上経つとちょっと焦り、2分経ったら、もう一度、メールでもらったアドレスにクリックしてつなぎ直した。だけど、始まらない。

 さらに焦ってくる。もしかしたら、何かしらの、ここまでの自分のミスがあって、うまくいかないのではないか。

 だから、またつなぎ直すようなことをしていたら、画面が変わった。

 やっと始まった。

 最初にスタジオが映ったとき、オードリーの春日が、開始の遅れを正確な分数を伝え、わびてから、オンラインライブは始まった。

本音と秘密

 このライブは、ここで話されたことが、「外部」に漏れないことを前提に行われている。

 今はSNSなどがあるから、個人が情報を発信すること自体が日常的になっていて、だから、インターネット上でも、このライブの具体的な内容は伝えないでほしい、という約束事項は、オンラインライブの冒頭で伝えられる。

 ただ、毎年のように思うけれど、そう言われても、大げさに言えば、守秘義務を守るかどうかは、視聴する側に任されているわけで、ただ、この内容が漏れるようなことがあれば、配信にして「内部」をつくって外へ出ないからこそ、話されてきた「本音」と言える部分は、今後は不可能になる。

 だから、何万人かがそのことを承知した上で、守秘義務を保ってきた4年間自体が、なんだかすごいと思ってしまうのだけど、これからさらに視聴人数が増えてきた時に、同じように続くかどうか、という不安がよぎる。

 それは、自分自身は漏らさない、という前提で考えていることに、ちょっとした驚きもあるものの、それでも、このライブがなるべく長く続いてほしいと思うし、お金を払って見ているお客はいいお客、というような法則も、ちゃんと成り立たせたい思いもある。

 この場合は、とても消極的な、つまりは何かをする、のではなく、何かをしない、ということによって、この場所を守っていることに貢献しているかも、と思うと、それはやっぱりちょっとした緊張感とともに、気持ちよさもある。

 ただ、秘密が守られる安心感があってこそ語られることがある、というのは、他の分野でも証明されてきたことでもあるのを、こうした、とても広いけれど閉じた場所で保たれているのは、すごいことだとも思う。

 始まるたびに、今年で終わらないだろうか。来年はあるだろうか、と思う。それは『あちこちオードリー』という番組自体も、どうなるのかわからない、という不安も含めて、だった。

夏の終わり

 ライブは午後9時過ぎに始まった。

 ゲストは、ラランドのサーヤ。EXITの兼近大樹。森三中の黒沢かずこ。インパルスの板倉俊之の4人。

「それ言ってどうすんだ祭り」がテーマで、オードリーの2人を含めて、それぞれの出演者はトークをし、最初から踏み込んだ話になって、ただ笑って、というだけではなく、視聴者としては考えたりするような時間もあった。

 内容がSNSなどで外部に漏れない、といった一応の安心感があるせいか、これまでのように、時間が進むと、大げさに言えば、時々、魂の叫びのような瞬間もあって、充実した時間だった。

 妻と一緒に見始めて、それでやっぱり楽しかった。

 時間はわりと早く感じて、午後10時を過ぎて、妻は眠そうになって、だからアーカイブ(9月9日まで)があるから違う日に見られるよ、と言っていたのだけど、まだしばらく一生懸命見ていて、でも、午後10時30分頃には眠る、というので、寝かせた。

 その間、一応、ストップボタンを押したものの、もう一度スタートを押したら、オンラインライブは、ライブだから時間は少し進んでいた。

 それでも、そこから一人で、夜の夏の時間は過ぎた。

 そして、1時間ほど経って、ライブは終わった。

 画面から、オードリーと4人の出演者が消えて、「ご視聴ありがとうございました」の文字が出ると、本当に終わったんだ、というような気持ちになった。

 ふっと熱が冷めるように、祭りが終わったような感触にもなった。

 少し経ってから、昼間にアーカイブのライブを見た。

 ドーナツを食べて、おやつの時間があって、それからテーブルの上を片付けて、そこにノートパソコンを置いてから、ライブの当日、妻が見た場面よりも少し前の時間から、見始めた。 

 私にとっては2度目のはずだったけど、また笑ったし、こんな話があったっけ?といった思いにもなった。特に森三中の黒沢の話は、2度目でも心に届いたような気がした。

 アーカイブでも、一度は見たはずの映像でも、やっぱり密度が高く、常に画面の一部に「SNSに具体的な内容を書くのはお控えください」という文字が出続けているのがライブの時と違うことだった。

 それでも、同じように、祭りの気持ちは蘇っていて、妻と二人で見られたのが、ちょっとうれしくて、そして、その約1時間が過ぎたら、「ご視聴ありがとうございました」の文字がまた出て、これで本当に夏が終わった気がした。

 それでも、まだ気温は高く、オンラインライブのふせんは届いていない。

 今年も、視聴者限定のアクリルキーホールダーがあるらしく、少し迷っているけれど、また購入するのだと思う。

 できたら、来年も同じようにオンラインライブがあることを、やっぱり願っている。

(配信チケットの販売は、9月9日。19時まで、です)

 


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