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顧客対応をアウトソーシングするメリット

企業における顧客対応にかける工数をどうするか?これに頭を悩ませている現場担当者は多いと思います。顧客対応それ自体は「自社の製品やサービスの利用者からの問い合わせや要望に対応する業務」と定義され、企業にとっては必要不可欠なアクションです。それにもかかわらず、企業成長のステージが進むにつれ、そこに係る対応工数が他の必要なアクションを阻害してしまうケースが非常に多いのが現状です。


顧客対応にかける工数とは?

そもそも顧客対応には、次のような業務が含まれます。

クレーム対応
製品やサービスに関する質問への応答
商品の注文や配送に関する問い合わせへの対応
返品・交換に関する手続きや問い合わせへの対応
顧客アンケートの実施
顧客情報の管理や問い合わせ履歴の管理
顧客の声(VOC)をフィードバックとして商品やサービスの改善につなげること

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上記に挙げた業務は一つ一つはシンプルなものですが、自社の顧客数・製品やサービスのクオリティ・ブランドの人気や需要といった変動要素で工数のボリュームは極端に変化します。例えば顧客数が急に増加する企業にとっては、リソースが一定のまま急激に問い合わせが増えることになり、顧客対応優先で他の業務が手をつけられない状態に陥ることになります。

顧客対応の最適化手法とアウトソーシングのメリット

自社のリソースを急激に増やすことが難しい場合に、顧客対応を最適化してリソースの余裕をもたせるための選択肢は2つあります。
①自社の顧客対応をシステムで自動化する
②自社の顧客対応をアウトソーシングする

①の「システム化」は、文字通り顧客対応の一部をシステムで自動化することによって、スタッフの顧客対応にかける時間を削減します。代表的なツールとしてはFAQやChat botがあり、よくある問い合わせを予め用意したQ&A(質問集)で自己解決してもらい、問い合わせそのものを抑制する考え方です。最近では安価で導入も簡単なツールが増えているので、手軽に開始できるメリットがあります。ただし、FAQやChat botで解決できる問い合わせは非常に限定的であり、複雑な問い合わせはスタッフが対応せざるを得ない事には変わりありません。

②の「アウトソーシング」は、一連の顧客対応のプロセスそのものを専門企業に外注することで、社内スタッフをコア業務に集中させる事が可能となります。自社で専門的なCSチームを組成するよりも早いスピードで顧客対応を最適化でき、問い合わせのボリュームに応じて業務を発注できるのが最大のメリットになります。一方で、アウトソーシングする対応範囲や問い合わせのボリュームに応じた外注コストが必要になること、自社で顧客対応に関するノウハウが蓄積されない事などがデメリットになります。

アウトソーシングを検討するタイミング

前述した顧客対応アウトソーシングのメリットですが、経営視点で考えると「固定費の変動費化が最大のメリット」と言い換える事ができます。一度、人を採用してしまうと解雇が難しい日本企業においては、業績が悪化した場合でも給料は支払う必要があり、顧客対応に従事する社員人件費は固定費となります。問い合わせの増加の度にスタッフを採用する事で固定費は増加しますが、繁閑差が激しい場合には閑散期においても給料を支払う必要が発生します。
ここで顧客対応をアウトソーシングした場合、顧客対応にかかる人件費は「外注費」とする事ができるため、社員を解雇することなく繁閑差に応じた業務の発注が可能となります。これが「固定費の変動費化」です。この考え方を基にすると、スモールチームのまま事業成長に伴う顧客対応に対応する事が可能となり、閑散期や一時的な業績悪化でもコストを最適にコントロールしながら事業運営を行えます。

それでは顧客対応のアウトソーシング化は、いつ検討すべきなのでしょうか? これには様々な意見がありますが、私個人がコールセンターのアウトソーシング企業に在籍していた経験から申しあげると「業務規模の拡大を計画する時期」こそが、検討のタイミングと考えます。
このタイミングでは、事業計画をベースに顧客対応に係る業務量を予測する事が可能であり、顧客対応を変動費化する前提でコストや価格設定なども含めて検討する事が出来るので、状況をコントロールし易いと言えるでしょう。

しかし自社で全てを対応する場合は、担当者の採用を計画し、採用活動を行いながら業務準備を行う事になるので、不確実性が高い状況で既存スタッフの負荷も高まる事になります。


まとめ

  • 顧客数が急に増加する企業にとっては、リソースが一定のまま急激に問い合わせが増えることになり、顧客対応優先で他の業務が手をつけられない状態に陥る

  • 顧客対応のプロセスそのものを専門企業にアウトソースすることで、社内スタッフをコア業務に集中させる事が可能となる

  • 自社で専門的なCSチームを組成するよりも早いスピードで顧客対応を最適化でき、問い合わせのボリュームに応じて業務を発注できるのが最大のメリット(固定費の変動費化)

  • 「業務規模の拡大を計画する時期」こそが、顧客対応のアウトソースを検討するタイミング

今回は顧客対応のアウトソースのメリットと、検討時期について簡単に解説しました。しかしアウトソーサーへの見積相談や依頼方法、準備の仕方など、検討するべき事項は多くありますので、次回以降に続きを執筆予定です。


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