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漫画&ドラマ『かしましめし』アラサーのズキズキを気遣いで包み込んで

『かしましめし』、原作が好きだったのでドラマも見ています。


気遣い合う3人の姿が好き


私がこの作品で好きなのは、千春、ナカムラ(←演じる成海璃子さん、原作のイメージにぴったりなんですけど!)、英治のメインキャラクター3人が、それぞれに思いやって適度な気遣いの中で日々を過ごしているところです。

この様子を、3人の同級生・榮太郎は、こんな風に表現しています。

そうやってほんのり気を遣いあうから一緒に住めるんだろうな 羨ましいな

おかざき真里著『かしましめし 第3巻』祥伝社, 2020.(RECIPE.16)

分かるよ榮太郎くん。確かに羨ましい。

料理の様子から相手の気持ちを推し量り、気遣うことも。

(玉ねぎを切りまくる千春を見て)
ナカムラ「手伝うかー」
英治「ええんちゃう」「玉ねぎスライス スライサー使わへんのって 自分でやりたいんやろう

おかざき真里著『かしましめし 第4巻』祥伝社, 2021.(RECIPE.22)

この人間観察力&洞察力よ・・・!(すごいなぁ)

千春たちの年齢である30歳手前って、20代前半でやっていたことの答えが少しずつ出始めて、
今の自分の姿を他人と比べたり、自分が昔思い描いていた自分の姿と比べたりして、「あれ?なんでこうなっちゃったんだろう?これからどうすればいいんだろう?」とモヤモヤすることが多いように思います。
そんなときに、こういうさりげない気遣いができる友人がそばにいてくれたら、そして自分も友人にとってそういう存在であれたら、素敵だなあ。

思えば、この作品、

・包まないギョーザ(包まないといいつつ、皮と皮ではさんでダシを閉じ込めている)
・何でも手巻き寿司(のりで包む)
・いろいろホイル焼き(ホイルで包む)
・丸ごとロールレタス(包んでないけど結果的に包んでる)

などなど、「包む」動作のあるレシピがいくつも出てくるのです。
アラサーの抱える心のイガイガをやさしく包み込む、出来立ての料理のようなホカホカした3人の関係が、いいなあ…。

おかざき真里さんの描くおじさんが好き


おかざき真里さんの描くおじさんが私は好きです。
たとえば『&』の矢飼先生。どこか陰があり、一見口が悪くて、とっつきにくいのだけれど、主人公への好意を持て余し、不器用に振り回される姿がカワイイです。

『かしましめし』でも3人の美術予備校時代の恩師として蓮井先生(英治曰く「おっさん」)というキャラクターが登場します。千春が淡い好意を抱いている相手です。
他キャラクターに負けず劣らず魅力的な雰囲気で描かれおり、ドラマでの今後の描かれ方も楽しみです。

ドラマで蓮井を演じている渡部篤郎さん、前に『パパ活』というちょっと突飛な設定のドラマ(野島伸司さん脚本)で大学生(飯豊まりえさん)(!)と年の差恋愛をする大学教授を演じてたのを思い出しました。好みがわかれそうですが、個人的にはかっこよかったです…!




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