先生


試供品でよかった。このファンデーション、貴方と同じ香りがするから。 コロンが香るよりも至近距離で触れ合っていることすら夢だった

かわいい


誕生日は私に関係しない日、トパーズの瞳、病的に白いその首元には、貴方に見合った不健康な色のネクタイ

女子高生って、人類史上最も扱い方が不明な生き物
くるしい〜って気持ちになっても、あまい言葉ひとつで魔法にかかってしまう!
未練がなくなったら、潮時なのかもしれない。夏を越えられなかった私は完全にいなくなった。
冷たいものよりも、温かいもの。ホットミルクティーが一番だったはず

こんなに離れてしまったけれど、貴方のネクタイは相変わらず解けないまま、輪郭を保ち、静かに呼吸している。あの日、言いたかったことの一つも口に出せずにいる私を黙って見つめていた。貴方の目になって生きていけるのなら、私はそれでいいのだけれど

幼少期のこと、初恋のこと、はじめてのこと、全部教えてほしかった。背伸びをしても到底届かない部分におかれた秘密も。

あんなに神格化されて、崇拝されている存在はもうどこにもいないのかもしれない。胸元のリボンに救われてきたつもりだし、



まだ女子高生でいたかった





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