月夜の暗々裏。【ショートショート】
ようやく手に入れた三日月ファストパス。
三日月の夜。重厚な扉の前に立つ。防犯カメラに姿を捉えられ「合言葉は」と、問われた。
「暗々裏」
パスをかざすと、ギギギと音を立て扉が開く。
そこは名のある月の夜にだけ開かれる場所。
丸見えの満月も、暗闇で存在だけ感じる新月も、
裸エプロンや裸ワイシャツのような半分だけ見える上弦や下弦の月も、どれも捨て難い。
だけど俺は三日月が好みだ。
チラッと見えそうで見えないと思いきや実は見える。そんなシュチュエーションが熱い。
太ももの絶対領域。座ると危ういスカート丈の下。谷間から見えるてっぺん。挑発的なパンティーライン。
あの絶妙な誘惑と少しだけ感じられる大いなる存在感。魅惑のエロさは眼福至極。どれもそそられ、興奮で脳が溶けそうになる。まだまだ若い俺の息子も黙っちゃいない。
そこから少しずつ暴かれる暗々裏。
そんな三日月が贅沢に堪能できる夜。
考えただけで息子も思わず緊張する。
どの子の暗々裏を味わおうか。
【410字】
《今回のお題》
たらはかにさん(毎週ショートショートnote)
▶︎【三日月ファストパス】のお題で、三日月を先取りしたいショートショート
山根あきらさん(青ブラ文学部)
▶︎【暗々裏】を使った小説等
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メインの小説はどうでしたか。
この後にデザートでもいかがですか。
ということで、私がこれを書くに至った経緯や意図、その時の思いや感情などを知りたいと思った方はぜひ以下リンク先の『今回のお題はエロい気がする。【デザート】』を読んでみてください。
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