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まとめて必ず読みます!

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創作大賞応募作品。 読みたいのですが余裕がないです。 申し訳ない(-人-) ですが、期間内には必ず読みます! まとめて読みます! その気持ちを伝えたくて(>_<) 考察、感想等も…
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#オリジナル小説

【掌編】2

【掌編】2

数字は『2』から始まる。これは真理だ。

『0』や『1』は、それら単独では数字に成り得ない。『在る』か『無い』かで言い表せば事足りるからだ。二つ目や二匹目や二人目が出てきて初めて、数えるという行為が必要となる。故に数字は『2』から始まる。

ここまではよいか。では次だ。

今の話を聞き、それを言うなら『3』ではないか、と思った者もいるかもしれない。試しに手を挙げてみよう。ふむ、半数に満たないぐらい

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【短編】SHINONOME ①

【短編】SHINONOME ①

「君は一銭も支払わなくていい。代わりに、あの高校生から十万円巻き上げること」

シノノメはそう言って、目線を斜め前、私にとっては斜め後ろのテーブルへと向けた。

それとなく振り返ると、二人がけの席の一つに腰掛けた、制服姿の女学生が見える。長い黒髪にメガネをかけ、手にした文庫本に吸い寄せられるように目を向けていた。いかにも”文学少女”といった装いで、真面目で清楚な雰囲気は、およそこの大衆的なファース

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【短編】SHINONOME〈5.5〉④

【短編】SHINONOME〈5.5〉④

「そうだな。YES/NOで答えられる質問を、三つまで許そう。僕にではなく、ハチに対してのね。質問の内容は問わない。ダイレクトに『あなたとシノノメの関係は◯◯ですか』と訊ねても良いし、『あなたは●●ですか』と外堀から攻めるのも可。ただし、答えはすべてYESかNOだ。どう、面白いと思わない?」

矢継ぎ早に捲し立て、東雲は飲み物に口をつける。対する影山はなお怪訝な表情で、「待ってください」と片手を上げ

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