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ディスクレビュー: moreru - 『山田花子』 / リバイバルに向かう音楽とエッジに向かう音楽 /

 2023年の年明け、海外からいつもオーダーしてくれる方が日本に旅行に来ているということでOtonashi Recordsまで来てくれることになった。今年は有名な海外アーティストも日本で年越ししている様子がSNSでも流れてくるくらい、やっぱ日本て観光にめちゃ良いんだろうな。「東京めっちゃ良い場所だ〜〜日本最高!」みたいなテンションで話していたのですが、そんな彼はレコードに一切興味はなくCD派。日本のアーティストのCD欲しいんだけど、ってことで先日CD棚たてといた良かった〜。彼はBorisがめちゃ好きらしいので、moreruの新譜をお勧めして買ってもらった。自分、Borisほとんど聴いたことないんですけどね。

 

moreruの何が良いかっていう答えは音が云々以前に、今現在の新しく生まれているバンドのほとんどが90年代〜00年代のリバイバルに向かっていく中で彼らはそういったリバイバルとは無縁の衝動的な音楽を作り続けている。そのエッジを持った姿勢がかっこいい。

2022年にリリースされた『山田花子』のCDが年内になんとか間に合いました。

 前作『itsunohinikabokunokotowoomoidasugaii そして……』はもはや過去の話、ノイズ、グラインド、EMO、オタク、歌謡曲、張り裂けんばかりに圧縮され過剰な音量ボリュームで展開される様...は前作の要素は見られつつもバンド体制も変わって無茶苦茶さが更に暴走している。圧縮されたノイズに塗れて理解を求めず一方的に投げつけられるメンヘラの心象風景。固有名詞に意味なんてない。なんかもう理解するのは無理だ。しかしどこか哀愁的なものがあり、POP性がある。現代の感覚で理解できない「これは一体なんなんだ!?」というエッジが必要。それがあるということが、今の時代の音楽として必要なこと。無意味の中の意味。答えがないという答え。サブカルチャー。死。

tracklist:
1. skrr............ 01:43
2. 知恵 03:26
3. kireta otaku 03:29
4. 海へ行けてなんという 02:17
5. あの夏 (feat. Iida Reo) 04:12
6. 季節 (feat. ~離) 03:27
7. 呪いのビデオ 02:24
8. 主に、傘がないです 03:26
9. 花子、主観 01:39

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3LAからは下記で購入可能。
http://longlegslongarms.jp/music/products/detail.php?product_id=2575

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