#小説もどき
与太モンの兄貴 茅ヶ崎浩太郎
勘太から聞かされた突然の別れ話を、おみよは黙って受け容れるしかなかった。冬ざれの浅草の街は、年の瀬の人の流れで賑わいを見せていた。
「分かっておくれおみよ、お前に落ち度があっての話じゃねえ事は、お店(たな)のみんなも重々承知の上だ。だがなおみよ、お前の兄貴の吉松と来た日にゃ、始末がわるすぎらー。世間様がきゃつの事をなんてほざいてるか知ってるか?ごくつぶしの鏡だとよ、言い得て妙じゃねえか。お前も不
親愛なるnote様、人生最初で最後のラブレター💗
※ 君のことを初めて知ったのは、公募ガイドさんからのご紹介がきっかけに他なりません。
あれはまだ、去年の暮れの寒い夜の事だったと記憶します。60を前にして失業に追い込まれた私は、周りからの叱責と、将来への不安から「やけのやんぱち日焼けのなすび、色は黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たぬ」の心境で近所のツタヤに一時避難を敢行した際、雑誌コーナーで目と目を合わせた公募ガイドさんの、そこは
【闇夜のヒダルマン】
昔体験した実話を基に小説風にアレンジしてみました。お時間がございましたらお読みください。
ただで親戚から譲り受けたワンボックスカーは、いつお釈迦になってもおかしくないポンコツだった。地元の三流大学に入学した年の夏、ブームに乗って始めたサーフィンは、当時よく言われた陸サーファーの奔りだった。
海に行く訳でもなしに、リンコンと呼ばれたサーフボードキャリアに括った板は、購入当初は白かったはずだが、