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フィットネスは現代病の"薬"となるか。運動+食事の基礎まとめ

ボディメイクから快適な生活を送るためのトレーニングへ

トレーニングは、昨今の筋トレブームにSNSでの情報発信も加わって、“かっこいい筋肉をつける”ためのもの、というイメージが定着した印象があります。マッチョ好きも増えているし、ボディビル大会の掛け声はまるでアイドルのコンサートのよう。

たしかに、トレーニング自体は一般的になりました。しかし日本では、下記のデータのように“健康維持“を意識して、トレーニングを日常的に取り入れている人はまだまだ少ないように感じます。一方、欧米では『EIM(Exercise is Medicine)= 運動は薬』というスローガンが普及しており、米医師会やスポーツ医学会が健康のため、病気にならないカラダづくりのための運動を推奨しています(医療費が高すぎるという理由もありますが)。

・成人の週1回以上のスポーツ実施率は55.1パーセント(※1)
・国民医療費は右肩上がりに増え、2018年度には42兆円超え(※2)
・2007年時点で運動不足が原因で5万人もの人が死亡している(※3)

日本でも、これらを改善を目指して、2020年に開催される「オリンピック・パラリンピック東京大会」を基点に、健康経営のより一層の推進や「スポーツ立国」の実現を目指す計画が進められています。

マッチョになりたいかなりたくないかは人それぞれ好みがありますが、筋肉は、日常生活の不調を軽減してくれる強力な味方なのです。
デスクワーカーの悩みである肩こりや腰痛、寒暖差や季節の変わり目に起きる自律神経の乱れによる不調、日々感じるストレス……。現代病に負けないカラダづくりを目指しましょう。

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2020年は「見せる筋肉から、使える筋肉へ」。より健康的に、より機能的に、より快適な生活を送るためのトレーニングに注目が集まりそうです。


人間のカラダになくてはならない三大栄養素とPFCバランス

トレーニングとあわせて意識したいのが食事です。カラダは日々の食事によって作られています。今までの食事によって、今の体型・体質・体調があります。健康とはきっても切り離せないものです。

人間のカラダになくてはならない栄養素のうち、以下の3つが「エネルギー産生栄養素(三大栄養素)」です。
これらのエネルギーの比率は、PFCバランスと言って、エネルギー産生栄養素を摂取する際の大まかな目安になります。

◎エネルギー産生栄養素と役割
・タンパク質(プロテイン:P)
 身体をつくる。筋肉の維持・増加、血管・皮膚・髪など身体組織の主成分、ホルモン、消化・吸収に必要な酵素。
・炭水化物(カーボ:C)
 エネルギーをつくる。エネルギーの産生、消化・吸収・代謝。
・脂質(ファット:F)
 持続的なエネルギーを作る。エネルギーの産生、ホルモンや細胞膜、臓器の保護。

厚生労働省では、理想のPFCバランスを【P2:C6:F2】と設定しています。しかしながら、身体を構成する主な成分は、【水:約60%、タンパク質:約15%、糖質:約3%、脂質:約2% ……】です!あれ、タンパク質は身体を構成する物質として2番目に多いのに、“P2”だと足りないのでは……。そう、現代の日本人は必要な量のタンパク質を摂取できていないと言われているのです。

【P2:C6:F2】は一旦置いておいて、適度な筋肉をつけたりトレーニング後の疲労回復をおこなう場合は、PFCバランスをアレンジする必要があります。

トレーニング後に参考にしたい、PFCバランスの目安とは

・タンパク質(P)
 1日の目安は、体重1kgあたり1.2~1.6g(例:体重60kg場合は1日に72~96g)。食材の目安として、お肉100gに含まれるタンパク質量は約20gです。 
・炭水化物(C)
 1日の目安は、毎食茶碗1杯を小盛りほど。量の目安として、手をグーにしたサイズと同じ量。
・脂質(F)
 1日の目安は、大さじ2杯ほど。亜麻仁油やエゴマ油などのオメガ3系脂肪酸を積極的に摂取するのがおすすめです。料理の際はオリーブオイルを使い、サラダ油やコーン油などは控えめに。

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タンパク質が豊富に含まれる食材や、他の食材の栄養素については、まだ別の機会に紹介していきます。

自分で調べる場合は、文部科学省による食品成分データベースを利用するのがおすすめです。
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl


こまめな水分摂取も心がけて

身体の構成要素として一番多い成分は水です。成人男子が比較的安静にしていたときの水収支は、摂取量【食事1.0L、体内でつくられる水0.3L、飲水1.3L】、排泄量【尿・便1.6L、呼吸や汗0.9L】です(※4)。一度に大量ではなく、コップに1〜2杯をこまめに摂取しましょう。

運動や温熱環境のために発汗量が通常より多いときには、それに見合う水分量の確保が必要となります。

体から水分が減ると(脱水)、筋肉を分解してしまうため、筋肉量が低下してしまいます。喉が乾いたときにはすでに脱水状態となっているので、喉が乾いたと感じる前にこまめに水分補給を心がけましょう。

アルコールや多量のカフェインを含む飲料は、尿の量を増やし体内の水分を排せつするため水分補給向きではありません。アルコールやカフェインはほどほどに。

適度で継続的なトレーニングとPFCバランスを心がけた食事で、現代病に負けない身体づくりを。まずは、できるところから始めてみましょう。

【テーマ】 #TRANINGトレーニングの基礎知識 #FOOD食事の基礎知識

参考:
※1 https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop05/list/1371920.htm
※2 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000550869.pdf
※3 http://www.jcie.or.jp/japan/csc/ghhs/lancetjapan
※4 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html#03





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